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感想・レビュー・書評
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なんでこの本が売れたんだろう。
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田中角栄の一人称として、その人生を語るという文体。
これだけでは、本当の角栄氏の凄さはわからないのかもしれない。その意味で、日本の戦後政治史を改めて振り返って見たいと思わせる。
日本とアメリカの関係は、本質のところで変わっていないと思われる。日本で角栄氏のようなリーダーが再び出てきたときに、ロッキード事件のような事件が起こらないとは限らない。
そのことを考えると、日本はしっかり自前憲法を制定し本当の独立を為し得なければならないと思う。 -
駆け足で生き抜いた人生を、一人称で描いた本作。
もう少し盛りだくさんかと思いましたが、意外に薄い(ページ数、量)。
「時代の寵児」というのは、こういう人のことを言うんだろうな。2度と現れないであろう政治家。 -
石原氏が、田中角栄が自分の人生を独白しているかのように書いている。所々本当に本人が言っているのかと思わざるを得ず、違和感も感じた。
田中角栄に関する書籍を初めて読む私にとっては単純に面白いと思ったが、既に田中角栄について詳しい人にとっては物足りない内容と感じると思う。
この本を面白いと感じたのは以下2点の特徴が、本書において浮かび上がっていたためである。
1. 田中角栄という、その人間性によって時の首相をも含む周囲の人物を魅了してしまう政治家の魅力
2. 政治というドロドロした世界において、田中角栄が底辺から這い上く様
田中角栄はその類まれなる先見性、グランドデザインを描く能力に恵まれ、数々の政策を残してきた。それに加えて、そのアイディアを実現するために必要となる実行力を兼ね備えていた。それは田中角栄の人たらしな性格、ずば抜けた調整力によるものだけでなく、石原氏が「物書きの私としては、田中角栄という未曾有の人物にいまだにある魅力を感じざるを得ない。」と述べるような常人には無い魅力を備えていたことによるものだろう。これは政治でもビジネスでも通じる部分があると思う。叩き上げで一民間人から政治のトップまでのし上がっていく姿には、どうしても引かれてしまう。
また、田中角栄の失脚の契機となったロッキード事件の陰に、アメリカという存在があると本書では記載されているが、こういった事実を日本人として再度認識すべきだろう。日本とアメリカの政治的・軍事的関係性を踏まえた上で、経済を見ると異なる景色が見えてくるように思う。