魔法の色を知っているか? What Color is the Magic? Wシリーズ (講談社タイガ) [Kindle]
- 講談社 (2016年1月18日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (232ページ)
感想・レビュー・書評
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再読 Wシリーズ2
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再読。
ムラサキ、痺れる。 -
アネバネ登場。やっぱりいいね。「彼、女性なの?」というおかしな質問がとてもいい。本当に早くこの世界になって欲しい。ようやくなぜ子供が生まれないのかがわかってきた段階。それでも問題は解決されるだろうとハギリは考えているところが、こちらの安心にもなる。世襲制というのは子供が生まれないとできない制度だよね。
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ウォーカロンとはなんぞや。「最初の培養から始まって、二年半ほどで、人間の五歳児になるという。その後は、ほとんと人間と同じように自律で育てられる。もともとは、この「自律」という意味で、ウォーカロンと呼ばれるようになったのだ。」一作目に掲載されてた。なぜここにメモしているかというと、間違って二作目のこちらから読んでしまったから。でも違和感がなかった。
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'そして、まさにその技術に不可欠な人工細胞が、あらゆる疾患を排除したように、生殖をも排除してしまった。生殖は、人類にとって、一種の疾患だったと言っても良い'
'死ぬことがなければ、生まれなくても良いのか。
あるいは、生まれないから、死ねないのか'
この世界は完全に調和しているようだ。
ただ、ぼくたち人間を除いては。
その人間は、そんな調和に憧れている。そんな完全をずっと、目指し続けている。
不完全なものを取り除いていくことで、いつか完全に辿り着けると。その状態を追い求めることが、起源としての部分にインストールされている。
でも、そのことが必ずしも幸せなことではないということを、意識の裏側ではいつだって気づいているのかもしれない。
悲しいんだとすれば、その気づきが、ただの裏側という立場しか与えられないことを、それを超えていくことができないことを、自分で分かってしまっていることなんだ。
基盤となる本能というプログラム、それはリライト不可能な絶対的コード。
順調に、約束されたように、不具合が、消されていく。
余分なものが、削られていく。
全てが明らかになるように、ピュアな姿に近づいていく。
人間の存在する時間をかけて、ゆっくりと確実に、間違いなく、進んでいくしかないこと。
ところが、綺麗になればなるほど、持ち続けたいと思っていたものが、求めていたものも、いつの間にか、姿が見えなくなっていった。
そうか、そうやって、分かるということなのか。
綺麗というものだけが、存在しえないことを。
綺麗という概念が土台としているものを。
ほしかったものが、結びついていたものを。
見えていなかった、反対側として存在していたものを。
でも、その気づきがこの目に映るようになるのは、いつだってもう取り返せなくなってからなんだ。
賢くはないが決して馬鹿でもない僕たちは、それを知っていながら、いつまでたっても同じことを繰り返して、そのときが来るまで見えなかった振りしかできない。
そう作られてしまっているってことなんだ、きっと。
'世襲なんて、もう世界中のどこでも、消えてしまったシステムですよ。そう聞いています。そうか・・・、ここでは、まだそれが可能なのですね'
'もちろん、別の仕事に就きたければ、それも自由です。しかし、子供はたいてい親を見て育ちます。手伝いもします。自然に、同じ仕事をするようになるのです'
'そう考えてみると、人類は、どうも本来のあり方からだいぶ遠くへ来てしまったようですね' -
少しずつ発展していくヒトの思考と、それをものともしない神。
百年シリーズの再読が必要になりそう。 -
2019/10/25 Amazonより講談社タイガ4周年フェア&タイムサービスにて508円でDL購入。
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『女王の百年密室』を読んでおくと世界観がつながる。終盤にミステリー要素がありつつ、答えの解説はないので、考えないといけない。