ニュクスの角灯 (1) (SPコミックス) [Kindle]

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  • リイド社
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  • 『文明開化の音がする』明治期の長崎が舞台
    読み書きも裁縫もできないが、物を触ると過去や未来の持ち主が見えるという神通力を持つ美世は、舶来品を扱う店、《蛮》の店員に採用される。
    店に次々到着する見たこともない舶来の品々、ヨーロッパの進んだ文化に驚嘆しつつ、貪欲に吸収していく美世や当時の日本人。明治期の《最新機器》たちの解説も楽しい。

    《蛮》の店主である百年やその親代わりで店員の岩爺、元丸山遊女のたまなど、美世の周りの人々はそれぞれワケありながらも優しく逞しい人達ばかり。そしてなんと長崎の女傑、大浦慶まで登場。

    美世の初恋の行方、百年の事情、大浦慶との関係など、今後が気になる展開です。
    でも、どこも品切れで続きが入手できないのが困ったものです。

    それにしてもこの時代の物って装飾がどれも美しいですよね。
    個人的には機能的でシンプルなものが好きですが、ここに出てくる過剰なまでの装飾が施されたドレスやミシン、革に金の箔押しの本などにはどうしたって心惹かれてしまいます。

  • 物語の骨組みとしてアリスをモチーフにしているのはカバー絵からもわかるんだけど、あまりアリスに依存していなくて、所々にアクセントとして使われるその具合がとてもバランスが良くて好ましい。時代は西南戦争後の長崎。おどおどしてパッとしない美世が働くことになったのは道具屋「蛮」変わり者の店主・百。人相の悪い番頭・岩爺。道具屋にはフランスから輸入した目新しい道具や衣服。外の世界は「なんだかすごい事になっとるんだ」。世の中には知らないことがいっぱいあるとですねぇと目を丸くする美世がかわいい。

  • 202112/全6巻まとめて。

  • Kindle Unlimitedにて。

  •  タダ読み( ´ ▽ ` )ノ

     1878年の長崎。みなし子・美世チャンが変人・小浦百年の営む骨董店で奉公することに( ´ ▽ ` )ノ
     次から次へ入荷される新時代の発明品、異国の衣料・雑貨に、当惑しつつも心ワクワク( ´ ▽ ` )ノ
     美世チャンの前向きなんだか後ろ向きなんだか複雑な性格が、この端境期の文明に戸惑う当時の庶民の気持ちを象徴してるみたいで面白かった( ´ ▽ ` )ノ
     とにかく当時の文化風俗流行等々が徹底的に調べ上げられていて(作者さん自身の趣味の延長?)、それを紙上に再現する画力もばつぐん( ´ ▽ ` )ノ

     カワイイ美世チャン(正直ここまでのところ「神通力」設定にはあんまり意味がないけど……)はじめ、どことなく大今良時っぽい(?)タッチのキャラたちがみんな楽しい( ´ ▽ ` )ノ
     そして、脇役としてなんとたまチャンが登場してきたのにはほんと驚いた( ´ ▽ ` )ノ
     前作「蝶のみちゆき」のキャラなんだけど、そうか、几帳さんはやっぱりあのまま亡くなっていたのか……(T_T)

    「蝶」とは打って変わって明るいタッチの物語で、とても楽しかった( ´ ▽ ` )ノ
     全6巻完結か( ´ ▽ ` )ノ
     いずれぜひ続きも読んでみたい( ´ ▽ ` )ノ
     傑作( ´ ▽ ` )ノ
    (ジュモーのトーキングドール、ググってみた……確かにあれは霊界通信、もしくはマダム・フローレンス(>_<))
    2021/01/28
    #1690
     

  • 1巻無料、2巻半額で読んでそのあと全巻購入。
    とっても上品というか美しいまんがで、変にドラマちっくすぎる展開でなくて面白かった。

  • 2020年の手塚治虫漫画文化賞を、あの「鬼滅の刃」を抑えて受賞されたという事を知り、期待を持って1巻をひとまず試し読み。

    事前にネットでの作者がアルコール依存症に苦しんでいた事や、フランスでの評価が高いなどの前情報を抑えつつ。漫画は普段全く読まないため初めて知りました。

    明治初期の頃の長崎が舞台との事ですが、作者が緻密に行ったであろう取材や調査が作品のしっかりした土台を支えていてリアリティがある。
    そして物に触れると持ち主だった人の過去や未来がわかるというちょっと不思議な能力を持っている主人公。天然で純情だけど地頭がよく魅力的。

    映画化やドラマ化されそうな予感。

    先が気になる漫画だ。

  • ひさしぶりの投稿。
    ひさしぶりの読了。
    ひさしぶりの感想。
    この大河ドラマのような展開。

  • すごくこういうのは好きだな。すでに失われた遠い過去という意味では異界と変わらず、それでも我々に確かに繋がってはいる。明治とか大正はローファンタジーの舞台としては格好のものなのかもしれませんねえ(そういえば、西南戦争の少し後ってことは、「るろうに剣心」とほぼ同時代になるんだな)

  • 時は明治でいうと10年代。熊本の親戚宅から、長崎に奉公に出された美世は、募集要件をぜんぜん満たせてなかったが、物を触るとその持ち主の過去や未来が見える神通力を買われて、百年(ももとし)の経営する店で雇われることに。無愛想で接客は向かないが裏方仕事はきっちりこなす岩爺と三人で切り盛りされるお店は、百年が舶来のものをどーんと仕入れて売りさばいて身代を立てる。美世は、読み書きを教わりつつ、自分の考えを出してもいいことに居心地よさを覚え、百年の出生の秘密や道行きに興味をいだいたり、幻燈の上映会でヨーロッパの進んだ技術を目の当たりにして、私ももっと知りたい…という思いに。当時、輸入された品で、最新の技術を使ったとされたものが章末に紹介されていて興味深い。足踏みミシン…亡き祖母の家にあったなあ、と思い起こしながら。

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