シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 (文春新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  •  国の衰退は多様性を失う形で表面化する。この本は文章が難しすぎるのでもっと簡単な表現に置き換えるべきだと思うが、書かれている事実はとても重要。
     失業率の高さ、特に若年層における失業率の高さは、一方で単に平等を求めつつ、他方でイスラム教への恐怖症というねじれた形を生み出してしまう。イスラム教というか、厳密には本来の宗教とは関係のないISはたまたま起こった外部からの要因であり、昔の自由なフランスであれば、移民を受け入れる形で、つまり多様性を守る形で対応したはずである。
     今、それができないのは、フランスという国が高齢者層と若年層、高所得者層と低所得者層で分断してしまっており、何か声をひとつにする好機として、イスラム教、移民への対立を示すしかないからである。
     アメリカも同じ。抱えている問題の本質としては日本も同じ。

著者プロフィール

1951年フランス生まれ。歴史人口学者。パリ政治学院修了、ケンブリッジ大学歴史学博士。現在はフランス国立人口統計学研究所(INED)所属。家族制度や識字率、出生率などにもとづき、現代政治や国際社会を独自の視点から分析する。おもな著書に、『帝国以後』『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』などがある。

「2020年 『エマニュエル・トッドの思考地図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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