エール! [DVD]

アーティスト : ルアンヌ・エメラ 
  • アルバトロス
3.71
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4532318410586

感想・レビュー・書評

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  • 2015年日本公開。フランス映画です。最近、ギャング映画やヤクザ映画を立て続けに観ましたので、久々に主人公を素直に応援できました。両親と弟が聾唖者、家族でたった1人耳が聴こえる主人公。フランスの田園地帯で畜産業の家族を支える少女。ずっと家族のために暮らし続けることを覚悟しているように見えます。そんな主人公が歌うことに出会い、才能を開花させます。パリに出て自分の可能性を広げたい、でも家族を置いていくことに悩みます。彼女の歌声を聴けない家族の戸惑い、反対。鑑賞後、幸せな気分になります。いい映画です。

  • 自分がちょうど旅立ちのタイミングで観て、映画館で大号泣した思い出の映画。もう一回観ても号泣してしまった。何かが琴線に触れるらしい。

    フランスの酪農一家、かつ聴覚障碍の家族の中で唯一耳が聞こえる主人公は、農協とのやり取り、チーズの売り子などの役割を担い、家族に頼られている。ひょんなことから学校で歌の才能を見いだされ、家族と離れて自分のやりたいことを追及するべきか考え始める…

    何より、物語を伴奏する歌がとっても素敵。
    Michel Sardouというフランスで有名な歌手の歌を歌いながら、歌と物語が交差しながら、進んでいく。

    ♪la vie c'est plus marrant, c'est moins désespérant en chantant
    (歌っていたら、人生はもっと楽しいし、絶望感が和らぐさ)

    一番の見せ場の『Je vole(青春の翼)』という歌について、日本語字幕が一部歌詞を飛ばして訳してて、残念に思っていたので、抜粋して訳してみます。

    ♪Mes chers parents, je pars
    Je vous aime mais je pars
    Vous n'aurez plus d'enfant, ce soir
    (親愛なるお父さん、お母さん、私は行くよ。二人のことが大好きだけど、それでも行くよ。今夜、二人のもとから子どもは旅立ち、いなくなります。)

    ♪Je ne m'enfuis pas je vole
    Comprenez bien, je vole
    Sans fumée, sans alcool
    Je vole, je vole
    (私は逃げるんじゃなくて、飛び立つんだ。わかってくれるよね、飛び立つんだ。タバコもお酒もなく、飛ぶんだ。)

    ♪Ne pas se retourner
    S'éloigner un peu plus
    Il y a la gare une autre gare
    Et enfin l'Atlantique
    (振り返ることなく、少しずつ遠ざかる。駅を一つ、また一つずつ過ぎ、やがて海へ。)

    ♪Je me demande sur ma route
    Si mes parents se doutent
    Que mes larmes ont coulé
    Mes promesses et l'envie d'avancer
    (道の半ばで問いかける。両親は心配しているだろうか、私の頬には涙が伝っているだろうか。私の立てた誓い、進みたいという意思について。)

    ♪Seulement croire en ma vie
    Voir ce que je me suis promis
    Pourquoi, où et comment
    Dans ce train qui s'éloigne
    Chaque instant
    (ただ自分の人生を信じる。私に何ができるのか試してみる。それはどうしてなのか、どこでどうやったらできるのか。刻一刻と少しずつ遠ざかっていくこの電車の中で考える。)

    ♪C'est bizarre cette cage
    Qui me bloque la poitrine
    Je ne peux plus respirer
    Ça m'empêche de chanter
    (不思議。この鳥かごがあると息が詰まる。呼吸ができない。思い切り歌えない。)

    ♪Mes chers parents, je pars
    Je vous aime mais je pars
    Vous n'avez plus d'enfant Ce soir
    (親愛なるお父さん、お母さん、私は行くよ。二人のことが大好きだけど、それでも行くよ。今夜、二人のもとに子どもはもういません。)

    ♪Je ne m'enfuis pas je vole
    Comprenez bien, je vole
    Sans fumée, sans alcool
    Je vole, je vole
    (私は逃げるんじゃなくて、飛び立つんだ。わかってくれるよね、飛び立つんだ。タバコもお酒もなく、飛ぶんだ。飛ぼう。)

    『Je vole』 youtubeでも聞けます。
    https://youtu.be/ZgR7hrupf7Y

    • nejidonさん
      shokojalanさん、こんにちは(^^♪
      おお、こんな歌詞だったのですか!
      省かれているのさえ分かりませんでした。
      綺麗な声の子で...
      shokojalanさん、こんにちは(^^♪
      おお、こんな歌詞だったのですか!
      省かれているのさえ分かりませんでした。
      綺麗な声の子でしたね。
      公開時に見ましたが、私もとても感動した映画です。
      シンプルなストーリーながら、全ての登場人物にエールを送る良質な映画だったと思います。
      レビューを読んで思い出し、少しウルっとしました。
      ところで私の読んだ「21世紀の世界文学」ですが、shokojalanさんならもっと愉しんで読まれるかと思います。
      お勧めですよ♪
      2021/02/20
    • shokojalanさん
      nejidonさん、コメントありがとうございます!
      そうなんです、もちろん字幕は日本語として詩的に読めるか、短い時間の中で追える文字数か、と...
      nejidonさん、コメントありがとうございます!
      そうなんです、もちろん字幕は日本語として詩的に読めるか、短い時間の中で追える文字数か、といったことを考慮しているんだと思うのですが
      私は「二人のことが大好きだけど、それでも行くよ」というところで涙腺崩壊して、「進みたいという意思」というところに心を捕まれたので、補足したくなってしまいました。

      お勧めありがとうございます!
      nejidonさんのレビューの「何かに新鮮に驚きたい。未知のことがらに、眼を瞪りたい。」という部分に共感し、ぐっと来ておりました。手に取ってみます(*^^*)
      2021/02/20
  • 少し強引なくらいのシンプルな展開ですが、ある一家の変容が愛情深く描かれていて、最後は涙とともに、あたたかな気持ちで見終えた良作です。

    フランスのとある田舎町。家族経営の小さな牧場を営み、週末には市場で手作りチーズを売る少女ポーラの家。とても仲のいい家庭だけど、両親と弟は耳が聞こえず、家族の中で、ポーラだけが耳が聞こえた。
    だから、ポーラは幼い頃から家族の耳と声がわりで、牧場の取引先との交渉や接客といった仕事も含め、外の世界と家族をつなぐ役割を全て担ってきた。
    このまま、家族のために、牧場を手伝い、チーズを売り、村で過ごすと思われたポーラの人生。

    だけどある日、転機が訪れる。好きな男の子の姿につられて受けたコーラスの授業で、とんでもない才能を見出されたのだ。
    教師から、パリの音楽学校の試験を受けるよう強く勧められるポーラ。

    夢に向かって特訓を始めたポーラだけど、耳の聞こえない家族に音楽の才能を理解してもらうのは難しい。それに、自分がいなくなれば、家族の生活が成り立たなくなってしまうと思い悩んで、中々試験のことを家族には言い出せない。
    けれど、打ち明ける時は来て…。

    基本的には、田舎の少女が才能を見出されて飛躍しようとする、とてもシンプルなストーリーなのです。でも、だからこそ、愛情あふれるゆえにぶつかったり、理解しようと努めたり、抱きしめ合う家族の姿が際立ち、最終的に彼らが選んだ未来と、変化する家族の形に自然と涙が出てしまいます。

    単細胞な熱血漢のようで、娘の意志を尊重し、手を離そうとする父。
    赤ん坊同然の子供だと思っていた娘の成長と自我に戸惑う母。
    思春期まっただ中の弟。
    そして、長年家族を支えてきたゆえに、ひどく大人びた面がある反面、やはりまだまだ子供らしさの残るポーラ。

    それぞれの愛情、依存、束縛、自立、独立、そして、最終的にみんなで選んだ新しい家族の形に、繰り返してしまいますが、涙が流れました。
    ポーラが家族への思いのたけを込めながら歌い、それを皆が見つめるシーンがまたいい。

    どの家庭にも、家族の形が変わる時は必ずあるので、自分自身を重ねてつい感情移入した面もあるかもしれせん。

    脇を固める人々も、どうしようもない俗的な面は確かにあるけど、みんなチャーミングで、憎めなくていい。

    難しいことを考えずに、楽しみ、感動できる、良い作品でした。

  • (Yahoo!映画より)
    フランスの片田舎の農家であるベリエ家は、高校生の長女ポーラ(ルアンヌ・エメラ)以外、全員が聴覚障害者。ある日音楽教師トマソン(エリック・エルモスニーノ)に歌の才能を認められ、パリの音楽学校で行われるオーディションを勧められたポーラは喜ぶものの、歌声を聴けない家族から反対される。家族のコミュニケーションに欠かせないポーラは、考えた揚げ句……。




    木村くん(木村拓哉さん)のオススメ映画の1つ!
    無料動画GYAO!で観た家族愛を描くフランス映画。
    たぶんフランス映画を観るのは初めてなんじゃないかと思います。
    アメリカ映画、韓国映画、フランス映画、インド映画とはやはりそれぞれに特徴がありますね。

    長女以外の両親と弟は聴覚障害者なためか コミュニケーションの取り方が独特な気がしました。
    長女ポーラの葛藤がとてもよく描かれていて オーデションで手話をしながら歌っている姿とラストに車から降りて 家族で抱き合ってるシーンは涙が出ました。
    子供を送り出す家族と自立しようと羽ばたく子供が木村くんとその子供さんとダブってしまってまた涙...

  • ラストは涙と元気をもらう映画!

    旅立ちにたいして守ることも大切だけどなにか道に置いて一歩踏み出す行動をとれば二歩目がついてくる。行動する勇気と実行力をもたないとね!

    ぜひ〜

  • 聾唖者の人のコミュニケーション、知っているようで知らなかったなぁ。まず、手話による会話のきっかけが必要であり、話し掛けるときには相手の体に触れるし、電気をカチカチして相手に気づかせることもある。当たり前だけど、手話は相手と正面向き合わないといけなk。だから常に本気のコミュニケーションとなる。顔の表情も大げさなくらいに豊かだ。本作は、手話を通じて感情というバイブがビシビシと伝わってくるところにまず圧倒されます。

    しかし、主人公の歌う「歌」だけは家族に届かない(そりゃそうだ)。本作の主人公の苦悩は、障害のある家族を介護するヤングケアラーとして、自分のやりたいことができない苦悩もありますが、それをどうあがいても家族に伝えることができない苦悩でもあります。本作はそんなコミュニケーションの「不通」を描いた映画であり、その失われたコミュニケーションの奇跡的な「開通」が本作のクライマックスとなります。

    そういう多面的で豊かなドラマが、個性豊かで魅力的なキャストにより、ぐいぐいと転がっていきます。もちろん歌も素晴らしく、実に魅力的で力強い作品だと思います。オスカーを受賞したアメリカのリメイク作品も楽しみです。

  • フランス映画
    明るくておしゃれな雰囲気。
    才能をどう先生は見抜いたのかな。
    ヤングケアラーってことばを知る。
    青春
    働き者
    ぶっきらぼうでかわいい。
    若い情熱
    家族の結束がすごい
    議員やなかんじ
    見抜いてくれてよかった
    先生のくせがつよい

  • とてもステキという前評判を聞きつけてゲット!元気いっぱいの主人公の才能と自立。登場人物がなんといってもみんなエネルギッシュでキュート。主人公の成長に、迷って、悩んで、傷つきもするけど、しあわせを祈るのはみんなおなじ。だれもなにもかわらない。それがなによりうれしかった。

  • フランスの田舎町に住むベリエ家では高校生の長女ポーラ以外は聴覚障害者だった。
    合唱部の顧問に才能を認められ、パリの音楽学校への進学を勧められたポーラだったが、歌声を聴くことができない家族から猛反対を受けてしまう。

    ポーラが歌うシーン良かった。
    予告にあるみたいに いきなり超絶美声で歌い出したりしたら引きそうと思いましたが、ちゃんと順をおって成長していきます。
    途中でうやむやになった、父ちゃんの村長選は最後の写真が結果かな!?

  • 合唱団の成長物語かと思ってたら違ってフランスの田舎に住むコーダの女子高生の話だった。他の家族皆が耳が聞こえないので、おそらく声で何かを表現するという認識を持っていなかったのだと思う。たまたま入ったコーラス部で才能を認められてパリの学校を目指すものの、残される家族、特に母親の本音を聞くとそれが毒親的な感情でそれが主人公の足かせになっている。
    ただその母親を頭ごなしに批判する気にはならず、いろんな事情があるよねと思える内容で、試験で手話を交えながら歌う主人公を応援する家族の姿にグッときました。

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