サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠 (文春e-book) [Kindle]

制作 : 土方奈美 
  • 文藝春秋
4.04
  • (9)
  • (10)
  • (5)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 92
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (264ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • とてもよかった。
    主に米国の金融系や公務員的なサイロの話が多かったけど、いい示唆があった。

  • 後で書く

  • 会社の上司から紹介されて読んでみた。昨今、ビジネス書界隈では有名な本らしい。現代社会に取っては必要不可欠な専門化と、専門領域が異なる人々の間のコミュニケーション断絶について豊富な実例と人類学的な思考・調査手法を組み合わせて論じている。

    いくつかの事例は、必ずしもサイロ・エフェクト(イフェクト、だよな、どうでもいいけど)だけが原因とは言えないものもあって、半ばこじつけに近い印象も受けるが、しかし、ストリンガー本人に取材したソニーの事例は圧巻。訳者あとがきにもある通り、この事例を読むだけでもこの本を読む価値がある。

    ビジネスの世界でも、学問の世界でも、二つの専門領域にまたがった個所が金鉱なのは誰もが知っている話で、「学際領域」などという言葉が流行り始めたのはもう 20年以上昔だろう。一般的な理解では、そのような境界線上の金鉱を掘り進むには 2領域以上の専門知識が必要だと考えられている。この本では、人類学的な観察手法を用いれば、一般人の2倍勉強しなくても、異なる専門領域間の「翻訳者」あるいは「インサイド・アウトサイダー」たることが可能だと主張しているのだが、果たしてどうだろうか。少なくとも、IT 業界の華々しい成功を捨てて、警察官としてゼロから経験を積み直したマイク・フラワーズの事例は一般人が真似できるものではない。

  • サイロ自体は、組織運営においては効率的である。が、タコツボ化した組織はそれぞれに硬直したセクショナリズムに陥る。優秀な人材である程に傾向は強い(サイロエリート)。 故に非効率な全体俯瞰も時に必要である。 文化人類学からのアプローチもあり、難解な箇所もあるが、ソニーでの失敗事例や、Facebookの『ハッカソン』によるサイロ破壊へのチャレンジは読み応えがあった。 しかしながら、納得感を得ない処も少なからずあったのは、既に私もサイロ思考に蝕まれているのだろう。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

ジリアン・テット(Gillian Tett)
FT米国版編集委員会委員長、米国版エディター・アット・ラージ。
ケンブリッジ大学にて博士号(社会人類学)取得。フィナンシャル・タイムズ紙(FT)入社後、ソ連崩壊時の中央アジア諸国を取材。その後、東京支局長もつとめる。イギリスに戻り「Lexコラム」担当。金融ジャーナリストの最高の栄誉ウィンコット賞を受賞したほか、ブリティッシュ・ジャーナリスト・オブ・ザ・イヤー賞、コラムニスト・オブ・ザ・イヤー賞、ビジネス・ジャーナリスト・オブ・ザ・イヤー賞などを受賞。米国版編集長を経て現職。著書に『セイビング・ザ・サン』、『愚者の黄金』(フィナンシャル・ブック・オブ・ザ・イヤー賞受賞作)、『サイロ・エフェクト』がある。

「2022年 『Anthro Vision(アンソロ・ビジョン) 人類学的思考で視るビジネスと世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ジリアン・テットの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×