リリーのすべて ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

監督 : トム・フーパー 
出演 : エディ・レッドメイン  アリシア・ヴィキャンデル  ベン・ウィショー  セバスチャン・コッホ  アンバー・ハード  マティアス・スーナールツ 
  • NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
3.97
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本棚登録 : 317
感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988102421472

感想・レビュー・書評

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  • 世界初の性転換手術を受けたトランスジェンダーであるリリーの実話を描いた物語。
     
    エディ・レッドメインの脚が綺麗!
    というのはさておき、1900年代初頭、ただでさえ性同一性『障害』と、『欠陥』だと迫害視されていたLGBTの人たち。
     
    そんな時代でも、この物語に登場する心優しき人たちが奇跡的に集まったことにより、時代が一歩進んだのだと思います。
    特にアリシア・ヴィキャンデル演じるゲルダの献身的なサポートがなければリリーの決断もあり得なかったことを考えると、あの時代にあんな理解力を持った女性が現れたこと自体が奇跡だったと言えるでしょう。
     
    悲しい結末ではあるけれど、人類にとっては希望に満ちた結末だった。
    いい作品でした。

  • 自分がLGBTであることに気づいて揺れ動く夫と、彼に寄り添う妻の、複雑に入り乱れる感情表現を演じた主役2人(エディ・レッドメインとアリシア・ヴィキャンデル)がとってもいいです。
    監督は「英国王のスピーチ」や「レミゼラブル」を撮ったトム・フーパー。彼らしい安定感あるつくりです。

    ただ、同じく、パートナーのLGBTを機に悩む恋人たちの葛藤を描いた、グザヴィエ・ドラン監督の「わたしはロランス」のような超強烈な作品と比べてしまうと、良くも悪くもマイルドで観やすい作品だなあ、という感じです。

    「ロランス」のドラン自身がLGBTの当事者であり、監督というだけでなく脚本や音楽など映画のほぼすべてを担っていたのに対し、フーパーの場合はそうじゃなくって分業制だから、とか、カナダ映画とアメリカ映画だから、とか、色々な理由はあるかもしれませんが…。(ドランはケベック出身なためか、彼の作品は、映画を娯楽というよりも、アートとか自己表現の場の一つと考えているような、とてもフランス映画的なつくりです。もちろんフランス語です。)

    あくまで個人的な感想ですが、家族の愛情物語の一つとして心安く観るなら「リリー」、映像や音楽を多角的に観たり、LGBTを取り巻く課題の本質や多様性を知るなら「ロランス」かなあ、と思います。

    でも、こうして類似といえそうな映画を比べて考察してみると、色々なことに気づき、たくさん映画を観る楽しみを改めて感じます。

  • きれいなんだけど、終始 晴れない。
    湿度が高くて、影があって‥。
    この映画のテーマかな、
    果てしなく暗さと重さがある。
    なんと生きにくいことか。

    デンマークの風景と、
    リリーとゲルダの友愛。
    性を超えた深い情愛。
    女であること、女らしさ。
    そして、自分になりたいと思う強い心。

    美しかった。



    ゲルダがリリーを
    また生かしてくれる気がして‥。
    今度こそ、自分になろうやね。

    2016.12

  • 母語を選択できないのと同様に、自分の性別は選べない。この世に生を受けた瞬間から自らの性が決められる。さらに親から、あるいは社会や慣習の要請で人間は「男らしさ」「女らしさ」に囲まれ、自己のアイデンティティが形作られていく。
    思えば不条理な話。その不条理に挑んだ者がいた。挑んだ者を支えた人がいた。世界で初めて性転換手術を行ったデンマークの画家・リリー(アイナー)とその妻・ゲルダの夫婦のお話。

    性別を選ぶことを不遜と捉えるか、あり得るし為してもよいと考えるか、は個々の考え方次第。でも観終えると、己の性を選び生を営んでいくことは可能だし、それもひとつの世界と人間のありようではないかと強く思える。
    と、まぁ堅苦しいことを書いたが、そんな啓蒙的な解釈や固い見方をする必要もないほど映画は美しさに溢れている。そこを味わうだけでも充分。


    監督はトム・フーパー。場所がコペンハーゲンであれ、パリであれ、ドレスデンであれ、包み込むような柔らかな光で風景を切り取るショットは美しいの一言。主人公のトランスジェンダーを表すようなシンメトリーな構図による街並のショットはお見事。美術や衣装デザインはもちろん、細部まで作り込まれた映像美はフェルメールやレンブラントの絵を眺めている気分だった。
    そのなかで展開する役者たちの演技も見応え充分。
    妻・ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデルは本作で今年度のアカデミー助演女優賞を受賞した。可愛いよね!と言いたくなるし、いい演技だったが本作の見所はやはりエディ・レッドメイン。

    正直にいうと内容どうこうよりも、エディ・レッドメインの至芸を堪能するための映画といっても決して言い過ぎではない。
    妻の絵のモデルとして初めて女装する際に出会った本当の性の感覚と驚きを、困惑とともに服をそっとなぞる指先で表現している。実に優雅で繊細なシーン。
    男性としてのアイナーと女性としてのリリーの間を揺れ動く姿をうつむく視線と姿勢で示す細やかさ。自分の性をめぐって戸惑い葛藤する胸の内から、女性になると決意し手術するため病院を訪れた際に見せる力強い歩き方まで、その演技の幅や表現力には感嘆する。2年連続アカデミー主演男優賞でもよかったのでは、と思うほど。

    ただ、映画の出来としてはストーリーに起伏がなく、情感の盛り上げに欠けるやや一本調子なところがあり、その点が残念だった。

  • 風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、肖像画家のゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)と結婚し、デンマークで充実した日々を送っていた。
    ある日、妻に頼まれて女性モデルの代役をしたことをきっかけに、自分の心に潜む女性リリーの存在に気づく。
    その後もゲルダがアイナーの気の進まない業界のパーティーにアイナーを参加させるために、イタズラ半分でアイナーに女装をさせ参加したことで、はっきりと自分に潜む女性リリーが本当の自分と気づくようになる。
    画家としてリリーを描くことで大成出来たとは言え、少しずつ女性リリーに変化して愛する夫アイナーを失っていくことを受け入れ難く切ない想いをするゲルダ。
    ホルモンバランスが崩れたアイナーは、婦人科医から性同一性障害であると診断され、適合手術を受ける。
    葛藤を超え、愛する夫アイナーの本質がリリーであることを受け入れ、ゲルダはリリーを支えていく。
    オスカー俳優エディ・レッドメインが、世界で初めて性別適合手術を受けた人物を演じた伝記映画。

    エディ・レッドメインは、トランスジェンダーのリリーを演じるため減量や女性のしぐさだけでなく、実際にトランスジェンダーの女性に話を聞き完璧に役作りをし、自分の中の女性が目覚めていく時の戸惑いと喜びと妻に対する罪悪感をも繊細に演じ切っています。
    ゲルダを演じるアリシア・ヴィキャンデルも、愛する夫アイナーに対する未練を抱えながらも、アイナーの本質である女性リリーを支え愛するゲルダを丁寧に演じています。性同一性障害の定義が浸透しておらず、精神科医ですら同性愛や分裂症と誤診したり、偏見のために苦しんだ当時の状況もしっかり描かれた傑作ラブストーリー映画です。

  • とても良い作品でした。機会があれば手に取って欲しい。
    世界初の性別適合手術を受けたリリー・エルベという画家の話とのこと。『ファンタスティック・ビースト』のエディ・レッドメインの女装が素晴らしく、この物語の世界観を強固にしています。
    まだ性的マイノリティの存在が認められていない世界において、本人の苦悩だけではなく、パートナー(妻)の苦悩もしっかり描いていて、さらに彼女が主人公のトランスジェンダーをあの時代に受け入れ、支える姿に感心させられます。
    もう1つの見所は、とても美しい街の描き方です。シンメトリーな構図や色彩や練り上げられた建造美をとても大事にシーンに取り入れているのが良かったです。

  • ★3.8
    映像美と音楽を堪能することができる作品。
    俳優たちの手の仕草ひとつとっても素晴らしく、魅入ってしまう。

  • まだジェンダーの幅が理解されていなかった当時、生きずらさを抱えた人。かつてアイナーの妻だったゲルダは本当の自分を取り戻してくれたリリーに感謝されているが、ゲルダとしてはとてつもなく苦しい思いをしたのだろう。完全なリリーの誕生に間もなく消えてしまうが、それがリリーの本望だったのだと思う。

  • これが、愛かぁ

  • お誕生日料理作りながらみた。自分のこころと外見とまわりからの認識がすべて「あっている」とうのはどんなに楽で難しいことなんだろう。彼女のようなわかりやすいシチュエーションでなくても、世の中はそれらが「あってなくて」もがくひとばかりだ

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