野火 [DVD]

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監督 : 塚本晋也 
出演 : 塚本晋也  リリー・フランキー  中村達也  森優作 
  • 松竹 (2016年5月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105071476

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野火 [DVD]の感想・レビュー・書評

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  •  あの野火を大胆にリメイク。
     東南アジアの戦線で病気になった兵隊は自隊と病院を行ったり来たりしているうちに部隊の飢えはどんどん過酷になり。。。

     淡々としたオリジナルに対して、ドキュメンタリーっぽい映像などでリアルに戦争の地獄を描く。その描き方はホラー映画的だが、それが戦争にピッタリだ。改めて戦争というのは地獄絵図なのだと実感できる。

     思い切ったリメイクだが正解。

  • 瞼の裏に焼きつくような色彩の、
    広大なフィリピンの自然の中で繰り広げられる、
    限りなく狭い関係性と個人的内界とで展開する、
    普遍的な生への執着と、
    戦争の異常さがもたらす、
    狂気。

    塚本監督の、
    以前からある幻想的というか、
    時間軸も視野も、
    全てが遠近感と境界を失う映像表現の、
    ある一つの極みを見る。
    そうして、それを体現する演技。

    映画とは視覚が中心なのに、
    ひどく暑く、熱く、厚く、
    痛くて、臭い。
    ぷんぷんと臭くてたまらなくて、
    冷たい空虚まで体感してしまい、
    絶望する。

    ひどいことが続くと、
    精神的な拒否が生じ、
    最終的にたどり着いてしまう結末を、
    だからこそ見届けられてしまうことに、
    客観を放棄させられる。



    ホラー映画ですかこれは。

  • みんな今にも死にそうなほどボロボロで為すすべないドン底なのに、映像が実に鮮明で…そのギャップが恐ろしい。
    極限下における人間が次第に壊れていく様…観ているのがツライ。
    ひもじさと絶望に対比される圧倒的な自然の美しさが人のちっぽけさを描き出しているように思える。
    やはり食う事は命を繋ぐんだな、食う事で血が巡り活力が湧く。間近まで迫っていた死をくぐり抜けた。死神は去ったけどいまだ地獄の只中を彷徨う。生ける屍の行軍か…戦うとは一体なんなんだろうな、戦争とは、生きるとは…様々な疑問がいとま無く湧き上がって来る。

    累々と屍の転がる道なき道。真っ暗闇の無間地獄を這うように進む…もはや死者でしか無い一群を
    さらに射掛ける容赦なさ…余りにも酷く、無慈悲

    互いの正義に従って、互いを憎しみあい、許し合うことなぞ如何にしても出来ようか。

    明らかに死んだ方が楽なのに、
    死に切れない…悲しい現実

    戦争なんてホント嫌だな。
    殺し合いなんてホント嫌だ。
    生きるって苦しいな。
    食うのも寝るのも苦しいな…
    水平線も流れ飛ぶ雲も山の緑も
    自然なのに不自然にしか見えないのは
    なんだ…

    人が人でいられなかった時代
    人が人間と言う名の動物であった
    人ならざるモノたち
    人が味わってはならないモノを
    感じた狂った喰った…もはや人にあらず…

    塚本監督作品大好きでいろいろ観たけど
    こいつは別格です…今は二度と観たく無い気持ち

  • 描き方が塚本晋也っぽいですね。鉄男というか。

  • 彩度の高い自然と、モノクロのような人物、血、グロ描写の対比が映像的にハマっている。
    まあ食人の話なんだけど、戦争グルメ紀行として見れなくも、いや、無理があるな。

  • 大岡昇平原作の野火。原作は読んでいませんが、極限状態のカニバリズムを扱った作品なのだと思います。

    戦時下でありながら、この作品で描かれる生は敵兵との戦ではなく、「食べること」である。

    部隊からも野戦病院からも見放された主人公は、孤独と自由の中、本能対理性の狭間を朦朧と彷徨う。

    空腹を満たせてこそ、人は人道を歩めるのかもしれません。

  • CS放送の録画で。

    劇場で観るつもりだったのでヨシヨシとぼかりに録画してみたんだけど、なんかこう、思ってたんと違う…っていう…。

    そもそも台詞の音声が小さ過ぎて全然聞き取れなくて、そこでもうしっかり見るの断念しちゃったから、ほんとすいません……



    まー、とにかく主人公が強運ですね。どこかぽやっとしてて、周りからのアドバイスとかにもワンテンポ遅れて反応してたりとかで、その一瞬の判断の遅れや間違いかーーー!!!って思うんですけど死なないんですよね。
    ずっと「死なねーな!?」って思ってた一時間半だった。
    あと、肺病で病院に行かされるってのが冒頭だったと思うんですけど、途中から全然咳もしないし、どうした?治った??ってなったりして。

    こういう細かいところ気にしてしまうのはわたしのいけないところだと分かっているけれど。
    ウーン。

    凄惨さは伝わるものの、映像のチャチさもあって中途半端だったな。

    直前にダンケルク見てしまったのもよくなかったか。

  • 原作は学校の国語の教科書に載ってたなぁ。極限状態の狂気。上官を殺して肉にむしゃぶりつき青年兵の姿がその極点。帰還兵であった日本の親父が戦争体験をなかなか語らなかった、というのも無理ない話で。

  •  なんか話題になってた気がしたので見たんだけど、「あれ、なんか思ったのと違う…」という感じであった。

     原作は大岡昇平の言わずと知れた名作「野火」である。戦争の究極的な飢餓状態に置かれたそのなかで、人肉を食うのか食わないのか…という、かなりやばいテーマ設定がされていたと思うのだけど、昔読んだきりなのでよく憶えていない。

     この映画は、戦争を写実的に描くというよりも、戦争につきまとう陰惨さや狂気のイメージを「野火」を通して表現しているのだという印象を受けた。
     単純に表現として言えば、死体や血が吹き出るシーンは「いかにも作り物」という感じだし、セリフ読みもあんまり上手とは思わなかった。写実的かどうかを基準に見たら「リアル…!」とは別に思わない。たぶん、予算もそんなにあったわけではないように感じられたし。
     しかし、そこで表現されている独特の雰囲気は、戦争というテーマを作家(きっと監督のなんだろうけど)のフィルターを通したものとして昇華されているようにも思えた。この映画の善し悪しは、そこをどう評価するかだと思われる。

     で、個人的には「そんなにグッとくるものはなかったかな…」というところであった。ごめん。

  • 凄まじい映画だと思った。ただひたすら戦時下のフィリピン(?)での殺戮を描き切っている。主人公を中心に据えて、回想シーンを交えることなくエンターテイメント性にも頼らずに描写したその志は大いに買いたい。悪く言えば一本調子に流れる映画でもあり、極限状態に置かれた主人公たちに感情移入が出来るかどうかがキモだろう。大岡昇平に依る原作は一応読んでいたのだけれど、原作が傑作だったのは主人公の内面描写が描かれていたせいなので映画化にあたって内面の吐露を禁欲したのはどう捉えるか評価は割れるかもしれない。若干退屈な印象を抱いたことは否めないし、なるほどテレンス・マリック『シン・レッド・ライン』さえも彷彿とさせるほどジャングルの描写は鮮やかに描かれているけれどそれだけではどうも……とも思いこの点数になった。面白くしようとすれば出来たはずだが、その陳腐な「面白さ」に頼らない姿勢は賛否を呼ぶだろう。

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