アンダーグラウンド (講談社文庫) [Kindle]

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著者 : 村上春樹
  • 講談社 (1999年2月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (533ページ)

アンダーグラウンド (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 地下鉄サリン事件の被害を受けた方々へのインタビュー集。かなり大きなダメージを受けた方、軽傷だった方、遺族の方と、事件との関わり方はさまざま。著者が注記している通り、本人が語ったままに記されているので、事実かどうかはわからない。しかし、その人にとってはそれが事件の記憶である、と。

    かなり生々しい事件の描写があり、気分が悪くなることもあった。途中で止めようかとも思ったけれど、半分ほどまで進んでからは一気に読んでしまった。事件のことだけではなく、その人の生い立ちや仕事内容にも触れているので、「無差別テロ」の恐ろしさがよくわかる。彼らは特別な人ではなかった。ただ、電車に乗っただけだ。私や、私の家族ではなかったのはたまたまだ。

    内容とはまったく関係がないけれど、インタビュー集とはいえ、やはり文章というのは端々に書き手が表れるんだな。「村上春樹っぽさ」を感じながら読んだ。

  • 村上春樹が地下鉄サリン事件の被害者にインタビューをした結果をまとめたノンフィクション。

    報道では見えてこない事実が実際の被害者の口から語られている。
    とくに報道では都合の良いところを意図的に編集しているが、筆者は意識的にそれを避けており実際の被害者のインタビューを文字に書き起こし、ほぼ原文のまま紙面に起こしている。
    被害の大小ではなく、集められるだけ集めたという印象が強いが、その分いろいろな人(性別、年齢、被害の程度、事件が発生した時にどこにいたのか、どこの電車にいたのか、何両目にいたのか)の経験が収録されており興味深い。

    本書のタイトル「アンダーグランド」とは、そのまま地下と解釈すると読み間違う。
    たしかに、オウム真理教という日常からかい離した普通の人間には理解しがたいある種のアンダーグランドには違いなのだが、これは誰しもが持つ心の負の部分、影の部分という意味合いの方が強いのではないかと思う。

  • 村上春樹による地下鉄サリン事件被害者60人のインタビュー集。被害者の出自、サリン事件に遭うまでの経緯、遭ったときの様子と見たもの、臭い、そのときに思ったこと。被害後の手当て、現況、そしてオウムへの思い。といったことが、ひたすら連なっていく。路線別に分けられており、最後は遺族の証言という構成。本一冊で起承転結があるわけではなく、証言をあますことなく集めたという本。最後には春樹節ともいえるエッセイでしめられており、その部分についてはやっぱりこれは春樹の作品なんだと思わせてくれたが、そこに至るまでは、春樹の本である事を忘れて読んでいた。誠実なアプローチの本ではあるが、この長さ、この構成で果たして良かったのかというと正直わからなかった。読んでは良かったとは思ったが。

  • 行き帰りの電車で読むにはつらい本だった。事件の当時小学五年生。阪神大震災もあれば酒鬼薔薇事件もあった1995年。ニュースで流れる大事件にも実感を持てず、オウム真理教だって子どもにとっては笑い話の種でしかなかった。

    この本を読んで改めて日常生活のすぐ隣りにある圧倒的な暴力の可能性に思い知らされる。

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