草原の実験 【プレミアム版】 [DVD]

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監督 : アレクサンドル・コット 
出演 : エレーナ・アン  ダニーラ・ラッソマーヒン  カリーム・パカチャコーフ  ナリンマン・ベクブラートフ=アレシェフ 
  • TCエンタテインメント (2016年5月11日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4562227883638

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草原の実験 【プレミアム版】 [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • 台詞が一切なく、音楽もほとんどない、無音に限りなく近い状態で、広大な草原地帯を映す光と陰に飛んだ映像と、少女の凜とした静謐な美が生み出す独特な官能性、そして、すべてを容赦無く覆してしまう残酷なラストが、胸に、じんわり染みるどころか、じっとり絡みつくような印象を残した、とても実験的な映画。

    今の時代にここまでふりきった作品を撮る度胸のある人ってそうそういないだろうなあ、と、監督に拍手を送りたくなった作品でもあります。

    中央アジアのどこかと思しき、見渡すかぎり広大な草原地帯が広がる、とある村。

    年頃に近づいた、黒目黒髪で、静謐な雰囲気の美しい少女は、草原の中にたった一つポツリと建つ小さな家に、父と二人で暮らしている。
    毎日どこかへ出かける父を、彼のトラックを運転して途中まで送る。
    トラックを降り、父に運転を変わって見送ると、帰宅する彼女のために、彼女に恋する幼馴染の青年がどこからか馬に乗って現れる。
    彼女はその馬の後ろに乗って家に帰り、青年のために一杯の水を差し出して彼を見送った後は、家事をして…。

    閉じられた世界の中で、彼女の日々は静かに、変わりなく過ぎていた。
    だけどある日、金髪碧眼の青年が、不慮の事故の助けを求めるため、彼女の前に現れる。

    青年は、閉じられていた彼女の世界に、変化と彩り、そして、初めての恋をもたらす。しかし、すべてを奪う事態が起こって…。

    主役の少女の、独特な雰囲気と少女らしい清潔な美貌が、この映画の魅力を下支えしています。
    言葉もなく、そして、表情もほとんどないのに、ほんの僅かばかり動く視線や口角、仕草だけで、見事に、微細な気持ちを表現したところも見事です。

    少女が、窮屈な日々から、眠りの中で束の間自由と穏やかさを得ることを象徴するかのように、きっちり三つ編みに編んだ黒髪を夜ごとゆっくりと解くシーンなどは、言葉に表しきれない美しさがあって、同性なのに食い入るように見てしました。
    その髪の扱いが、物語のラストには、無機質で存在しないかのように見えた彼女の強い意思を表すものになるのだから、小技にいたるまで、こだわってるなあ、と思った作品です。

    どうしようもできない残酷なラストは辛いものがありますが、映像や少女の美しさを堪能できる、実験性溢れる異色作です。

  • ☆☆☆
    言葉がなくとも、人のつくる表情というものは、その人を語り出すものだ。
    娘とふたりで暮らす父、この父の顔は“一切の理屈や甘え、許容というものを受けつけない”頑固さや、頑な世界観を感じさせる。
    そう私の父の表情はまさにこんなだった。

    考えてみればもうしばらく、こんな顔を見ていないことに思い当たる。「世の中が優しくなったのか」「物分かりが良くなったのか」とも考えるが、…
    今を生きていてそんな感じは全くしない。人の表情は優しくなったのに、社会の環境はむしろ、「息苦しさ」が増し、「人を信じる力は弱められている」といったのが実感だ。

    あの大草原美しさのなかで暮らすあの父と娘の関係。被爆する父。この地を捨て新しい土地を目指そうとした娘の姿。それらは核の実験によって、人命が失われ、美しい自然が破壊されことを対比して訴えているのか?

    ラストシーンに至るまで、意識はすべて視覚からの美しい映像と素朴な日常に釘付けになっていた。それは伏線だった。

    2017/05/05

  • 荒涼とした草原が舞台。(荒野の枯れ木といえば「サクリファイス」)
    《すでに終末が訪れている》かのような静謐さ。
    その中で育まれる、父娘、異性の交流(地元ヤンキーの馬少年、カメラ少年は魔女宅のトンボ)。
    干された二枚のシャツが風を受けて絡み合うように、睦まじくあやとり遊びをしている二人を、二人が愛した土地を、唐突に剝ぎ取っていく容赦ないラスト。

    こんな世界では、いったん昇りかけた太陽も、没する。

    台詞のない映画といえば、「ツバル」「最後の戦い」を思い出すが、本作は言葉を発しないことで絵画的映像に雄弁に語らせている。
    主演含め、ここまで美しい画面設計はなかなか見当たらない。
    テーマや題材がシンプルだからこそ、画面に寓意を付与して奥行きを持たせる。
    いくらでも深読みできそうだが、深読みなどしなくても十分に味わい深い。不思議な味わい。

    だが、ファンタジーではなく現実なのだ。

  • 「ブレスト要塞」は普通の戦争映画だったのに、台詞無しでこんな珠玉の作品を送り出したアレクサンドル・コットって一体?!

    通りがかりで少女に恋する若者役の子、「スーツ」に出演していたサーシャみたい。この作品中でも曲芸披露してくれるが、そういうの得意みたい。現地の若者役の人、少女のお父さんも素敵。

  • ☆8

    2016.9.26 鑑賞

  • 周囲に誰もいない草原で暮らす父と少女。
    少女は時折近くに住む青年の馬に乗せてもらうのだった。
    ある日、水を求めて車でやって来た青年に少女は写真を撮ってもらうのだった。

    草原での生活に言葉はいらない。
    圧倒的に美しい美少女を眺めるのにも言葉はいらない。
    ふつふつと湧き上がる怒りを語るのにも言葉はいらない。

  • ん~…眠たい状態のまま観たら本格的に睡眠に入ってしまいそうな…そんな映画だったんですけれどもまあ、なんとか最後まで観れました…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    どこぞのサイトでも書かれてあるように主役の少女が美女ですねぇ…この美女を観るだけでも一見の価値ありですね!

    ↑というようなことを言うとなんだかこの映画がアイドル映画の様相を呈してきてしまいそうな気がしなくもないですけれども、解説サイトとかに書かれてあることを読んでみると何やらロシアが過去に起こしたことに着想を得ているそうな…。

    まあ、ラストでそれが分かったりもするんですけれども、自分としましてはまあ…そういう歴史的なことは(どうでも)いいかなぁ…と。

    主役の彼女を取り合う男二人…この男の子たちがどちらも田舎臭かったり、ヒョロかったりしたのが何だか自分はとっても良かったですね! ヒョロい方はなんというか本当に頼りなく感じましたし…向こうでも「草食系男子」みたいのが増えているんでしょうか?

    まあ、それはともかくとしてヒロインは美しいんですけれども、演技的なものはだいぶアレでしたね…あえて無声映画にしているんですけれども、声出さないと何だか不自然だなぁ…みたいな風に感じたシーンも無きにしも非ずでしたよ…さようなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • そこに意味はない。
    だから妄想をする。

    綺麗な世界。
    だから、人はそれを汚さずにはいられないのか。

  • タイトルがストレートですね。
    監督がロシアの新鋭らしいですが、尖りすぎではないでしょうか?笑

  • 2016/7/30 台詞が一切無しの映画 こんな広大な草原に 父と娘だけ 暮らしぶりで生活感は垣間見ることが出来ても どうやって生活してるのかは一切謎のまま 言葉はなく淡々とストーリーのないような物語りは 進んでゆく 少女があまりに可愛いので 自然に魅入ってしまう 音楽効果もあり
    映像は とても細かい部分まで考えて出来上がってるなぁ〜って印象が強いし、何もない草原に
    織り成す自然の美しさを感じてしまう。
    家も 外から見たらあまりに質素な家だが 内装が すごい…まるで 絵本の中に出てくるような家の中 こだわってる ひとつひとつがアートの世界でした。ラストは圧倒されてしまったけど…何を伝えようとしてるのか?理解出来た気がした。

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