守り人シリーズ電子版 6.神の守り人 下 帰還編 [Kindle]

著者 :
  • 偕成社
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感想・レビュー・書評

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  • 殺戮の歓びを感じるアスラに、自分の反省を振り返り、彼女の将来を思い悲しく感じるバルサ。その心理描写が胸に響く。複雑な民族対立、思惑もドラマよりわかりやすかった。アスラの母親ひどい!という思いと、新たな難敵シハナの登場。タンダとバルサの絆を感じられるシーンもあり、シリーズファンにはたまらなかった。
    ただ、ドラマと違いアスラは目覚めず...。どうなるのかなぁ

  • 上橋菜穂子『守り人』シリーズの第6作です。
    前作に続いて『神の守り人』下巻となります。
     
    この巻は、追われる立場となった女用心棒バルサと、人質の立場となった薬草師タンダの状況が、それぞれ描かれていきます。
     
    その過程で、自らが守っている少女の正体を知った、バルサ。
    追っているのはどのような者たちなのか。
    そして相手はどのような考えを持って、彼女たちを追っているのか。
     
    これらの攻防と謎解きが、本書の読みどころになっています。
     
    そして今回の作品でも、以下のようなことを考えさせてもらいました。
     
    ・復讐を遂げたからといって、心の平安を得られるわけではない
    ・相手を倒さなければ自分が倒される、その状況で相手を倒すことは罪になるのか
    ・人は動植物の命がないと生きられないが、命を奪うのはどこまで許されるのか
     
    上下2巻ということもあり、一連のシリーズの中でも印象に残る作品となりました。
    以降の作品も、楽しみながら読んでいきたいと思います。
     
    『守り人シリーズ5.神の守り人 上 来訪編』
    https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B01CCE038U
     
     .

  • 前々から読みたかったのにKindle版がいつまで経っても出ないので、しびれをきらして図書館で借りて読んだ。

    血を好む残酷な鬼神を宿した少女とその兄を救うべく、バルサとタンダが奔走するお話・後篇。

    - 追記 -
    そしてついに出たKindle版を買って久しい今やっと登録(笑)。

  • 長く感じてしまった、、、

    相変わらずバルサは強い
    面白いんだけど
    4巻までのワクワク感があまりなかった?

  • アスラがタルハマヤを自分の中に封じたところでお終いに。

    アスラは眠ったままで、今後のお話の中で目覚めることはあるのかしら?
    シハナもドサクサで逃げてしまったままだし、まだこのお話は最後まで終わってない感じがしました。

    今回のバルサは強いんだけど、万能ではない感じで今までと少しバランスを取ったような気がしました。
    最後までアスラやチキサを助けてくれたけど、タンダも呪術師としてかなりの活躍を見せ、無理をするのはバルサだけじゃないところが良かったです。

    歴史を正しく伝えていくことの難しさ、真実を誰がどこまで知る必要があるのか、など難問が多かったです。
    誰の立場で考えるのかで真実は変わってしまうし、国全体のバランスを取ろうとすると、個々の人間にとっては不都合が生じたり、難しいですね…
    ロタ王国の今後は何が正解なんでしょう。
    その辺も今後語られたらいいなぁ。

  • ロタ王国の物語後編。その国の伝説が、時を経て蘇る様子が、その舞台がいろいろな方向から整えられていくさまが、壮大な物語として楽しませていただきました。大きな物語に関わることになってしまった少女のその最後の決心など、人の心と大きな力への魅力との葛藤が真に迫って読ませてくれる内容です。人間の心は、悪にも善にもなるけど、やはり偉大だなと感動させていただきました。
    今回は主人公はあまり目立っていません(強いというのが当たり前になってしまった主人公は面白みがちょっとね)。主人公を支える方々の魅力が、登場人物の魅力がさらに強まった、そう感じる内容でした。
    食べること、住むこと、着ること。その世界で生活する活き活きとした内容の描写が楽しく、この世界に行って見たいと毎回思わされています。

  • シリーズ6作目まで読了(ブクログへの登録が前後しちゃったけど)。上下巻という長さを感じさせない物語力。

    いろいろな大人たちの思惑に翻弄される少女の物語。たまたま少女と出会ったバルサとタンダが巻き込まれる。

    1つの国の政治や人々の営みに潜んでいる、宗教や人種による偏見や憎悪が絡み合う。それぞれがそれぞれの信念を持っていて、それぞれが「良かれ」と思って行動する。正義を貫くために起こる血なまぐさい出来事…。現実にも起こっていることを思い起こさせられて、どきっとする物語…。

    そして、バルサの、母親のような愛情と、父親のような強さを堪能できるものすごいお話でした。

    読みごたえがありました。深い。
    でも、先が気になって、上下巻を2日で読了してしまいました。すごかった。


    個人的には、タンダが活躍しているシーンがたくさんあったのが良かったかな。夢の守り人でもたくさん出てくるシーンがあったけど、あっちはね…、ものすごく痛そうだったからさ…、こっちの方がいいや(ちょっと痛そうなシーンもあったけど(苦笑))。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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