守り人シリーズ電子版 5.神の守り人 上 来訪編 [Kindle]

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  • 偕成社
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感想・レビュー・書評

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  • ドラマシーズン2のメインストーリーになっていた、アスラの物語。ドラマでは悲しい話だったけれど、ちゃんと原作を読むとドラマ以上に深い。タル、カシャル、ロタの関係がやっと理解できた。先人の知恵を馬鹿にしてはいけないなぁ。そしてアスラを思う兄チキサの気持ちも、彼らを助けようとするバルサとタンダの気持ちも、とてもよく理解できた。物語創作能力だけでなく、人の気持ちの機微もわかる素晴らしい作家さんだと思う。

  • 上橋菜穂子の『守り人』シリーズの、第5作です。
     
    この作品は、女用心棒バルサと、幼なじみで薬草師のタンダが、市場に出かけるシーンから始まります。
     
    出かけた先で、少年少女の兄妹と出会います。
    気になったバルサが様子を伺いに行くと、得体の知れない相手に襲われて・・・という展開。
     
    少年少女はどのようなことに巻き込まれたのか。
    彼らに関わったバルサは、降りかかる災難を避けることができるのか。
     
    前作には登場しなかったバルサですが、この作品では“その分も含めて”という感じで、随所でその能力を披露しています。
     
    『守り人』シリーズとしては初となる、上下2巻構成。
    なので物語の半ばまでですが、以下のようなことを考えさせてもらいました。
     
    本人に罪はなくても、害悪を招いてしまう人間は抹殺されるべきなのか。
    勝者によって語り継がれる歴史は、どこまで信用できるのか。
     
    続けて後編も読み進めていきたいと思います。
     
    『守り人シリーズ 4.虚空の旅人』
    https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B01AXHPA68
     
     .

  • 前々から読みたかったのにKindle版がいつまで経っても出ないので、しびれをきらして図書館で借りて読んだ。

    血を好む残酷な鬼神を宿した少女とその兄を救うべく、バルサとタンダが奔走するお話・前篇。

    - 追記 -
    そしてついに出たKindle版を買って久しい今やっと登録(笑)。

  • 引用
    “あせって動いて、うまくいったためしはない。傷を負ったときは休めという合図だと思って、その時をじっくり考えることに使うべきよ。”
    “力をつくしても報われないことはあるが、あきらめてしまえばぜったいに助からない。”

  • 新ヨゴ皇国の隣国、ロタ王国で牢城に居た者達が何かに虐殺される。

    何かとトラブルと関わってしまうバルサ。
    アスラを助ける姿は母性を感じさせる行動だけど、女の子の扱いが分からないとおっさんのような感想を述べるところで笑ってしまった。

    なかなか残虐なシーンで始まり、ロタ王国の歴史に隠れるそれぞれの氏族の関係など、複雑な設定だけどしっかり理解しながら読み進められる。
    面白いなぁ!
    スファルが語ったアスラを殺す理由以外にも、シハナが糸を引く別の策略もまだ潜んでいるみたいだし、早く続きも読みたい。

    アスラがいい匂いのする服を着た時に「花びらを織り込んでるのかしら」と言ったのがとても可愛らしかった。
    これ以上シハナに利用されて大量殺人が起きないといいけど。。

  • 守り人シリーズ初の上下巻です。今回はロタという王国の建国神話から、主人公が関わることになった少女とその内に宿す神の物語。なんとなくあの世紀末救世主伝説のような設定だなと思ったりしながら読ませていただきました。
    このシリーズは、まるで本当に旅をしているかのように、新しい文化を知る楽しみを得ることが出来て、毎回楽しみにしています。今回も食べ物や衣裳など、想像力を駆られながら読ませていただきました。
    少女が宿してしまったものと、1巻の精霊の物語と似た構想ですが、今回はそれがどのような性格をもったものなのか、下巻を読むことを楽しみにしています。

  • <上下まとめてレビュー>上橋さんが描くファンタジーは、本当に”児童書”というよりも大人向けな気がする。バルサが再び主人公の本作は、人種差別や地域格差などリアリティあふれる背景をもとに物語が進んでいく。本作の舞台は、新ヨゴ皇国の西にあるロタ王国。時期は『虚空の旅人』と前後している。
    大人の都合で振り回されていくタルの民の兄弟、チキサとアスラ。追い詰められているアスラの心の葛藤の描き方が秀逸。引き込まれる。
    著者による後書きに、「バルサやチャグムたちが、生きて行く道を、もう少し一緒に歩いてみようと思います。」とあったが、私もまだまだ一緒に物語を辿っていきたい。

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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