ウイルスは生きている (講談社現代新書) [Kindle]

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著者 : 中屋敷均
  • 講談社 (2016年3月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍

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ウイルスは生きている (講談社現代新書)の感想・レビュー・書評

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  •  ウイルスや遺伝子のふるまいから、生物とは何か、生命とは何かを深く考察する。本書を読んで、ウイルスというものへの認識が大きく変わった。

     従来の一般的な認識ではウイルスは遺伝子を持つけれど生物ではないという扱いだったが、近年の研究や新たなウイルスの発見などから、その定義を見直す動きが出ているという。タイトルから分かるように、著者はウイルスを生物に含めようと考える研究者だが、議論は決着していない。

     ウイルスが生物か否かという議論は、ウイルスに関する議論というより、生物とは何かという定義を検討するものだ。つまり生物の定義として「ウイルスが含まれる定義」と「ウイルスが含まれない定義」のどちらがより妥当かという議論にほかならない。つまりこれは、ウイルスという自然物の分析や研究ではなく、人間側の考え方の問題だ。生命の定義は人間自身のアイデンティティにも繋がることなので、白熱しやすいのだろう。

     それにしても、遺伝子をめぐるウイルスの働きの面白いこと。こんなミクロな世界にこれほど巧妙で複雑で、それでいていきあたりばったりなメカニズムが躍動しているとは、実にワクワクする話だと思う。

  • 一般向けのウイルス本。こう書くとまるで読むと何かに感染するようである。

    ウイルスとは何かから始まって、発見に至る歴史、増殖の仕組み、生物との差など、基本的な知識を一通り知ることができる。ウイルスって何?という人はとりあえず読めばいい。

    しかし分類というものは実に難しい。これの有無で分ければいいだろと思っても、何かしら例外が発生する。厳密に定義しようとすればするほど、何を基準にすればいいのかわからなくなる。この世の中はあまりにも連続的で例外が多い。

  • 複製できる分子→ゲノム→細胞→生命→人間→AIという大きな流れを実感する。生物なのか否か、という問いはまったく意味のない問いだと思う。情報を交換するという観点で考えると、人と人とのコミュニケーションも遺伝子の水平伝播だと言える。

  • ウィルスは生きている

    最近、科学娯楽読物がマイブームになっている。iPS細胞の実用化、重力波の発見、人工知能と、新聞は毎日、科学記事を載せている。素人でも面白く読める科学本が、新書の形で数多く出版されている。科学に親しむには、良い時期だ。

    本書も科学娯楽読物であり、とても面白い1冊。
    中高生の授業で我々はウィルスは生き物ではないと教えられる。
    「本書は 、ウイルスとは何か 、どのように発見されたのかという 「ウイルス学 」の基礎的な話に始まり 、 「コミュニティ ーに暮らす 」ウイルスたちの意外な側面を中心的に紹介したいと思っている 。ウイルスは生命のようであり 、またそうでないようでもあり 、 「生命とは何か 」を考える上で実に興味深い存在である 」

    本書は連作短編推理小説のような構成を取っている。各章で、ウィルスの驚くべき特徴を紹介、そして、最終章で大団円が準備されている。
    例えば、第3章「宿主と共生するウィルスたち」では映画「エイリアン」で、宇宙飛行士の体内に寄生したエイリアンが飛び出すシーンが冒頭紹介されるが、本章ではカリヤコマユバチの身の毛もよだつような恐ろしい寄生システムが記述され、そこでのウィルスの奇妙としか言いようのない特性が説明される。
    そして最終章では、ウィルスと我々の関係から
    「恐らく生命は様々なレベルで 、様々な強さで生き物同士が 、本来 、繫がっているものなのだろう 。少なくとも物質的には 、誰も本当に 「独立 」などしておらず相互に依存し 、進化の中では他の生物との合体や遺伝子の交換を繰り返すようなごった煮の中で 、生命は育まれてきた 。その生命の存在の様式は 、あえて形容するなら 、月並みではあるが 「生命の輪 」とでも言うしかないもののように思える 」と考察する。

    面白い読物ではあるが、学術書であることに変わりはない。DNA、RNAの基本的知識をおさらいしてから読んだ方が楽しめる。前著「生命のからくり」を先に読んだ方が良い。なお、注釈が少々分かりにくい気もした。Kindleで読んだが、出来れば注釈にリンクを付けてくれると助かる。それでも、面白い。お勧めの★4つ。

  • 「それは「ヒト」として生きていても、「人」としては亡くなっている、とでも表現され得る奇妙な状態である。」

    スペイン風邪は、当時の世界人口18億人のうち、6億人が感染した。ウイルスは、時間が経つほどに、その殺傷力が落ちる。それは感染主に死なれると自身も死ぬからである。

    ウイルスのゲノムザイズが大きくなれば、二本鎖DNAになる。それはコピーによるエラーを減らすためだ。

    ウイルスは生物なのか、面白い質問である。

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