スタンフォードのストレスを力に変える教科書 スタンフォード シリーズ [Kindle]
- 大和書房 (2015年10月20日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (309ページ)
感想・レビュー・書評
-
ストレスに対する認識を覆され面白い。その新しい知見を活用した有益な実践もありためになる。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ストレスは誰にでもあるもの、どう反応し、行動するかで人生も変わる。自分の将来に向けた「役に立つもの」として捉えるというマインドセット。
実際、人はある程度のストレスがある方が実力も発揮できるし、満足度も高いと。逆境は乗り越えていくという前向きなモチベーションこそ、大切。
ストレスと闘ったり、逃げたりするだけではなく、人は様々な反応をすることができることが紹介されている。
未来は変えられる、前向きにぶつかっていけるようになっていくきっかけになりそうです。 -
スタンフォード大学の心理学者による「ストレスとの向き合い方」本。
日々ストレスを感じることが多く、ストレスは悪だと思っていたので、人生をご機嫌に生きるために余計なストレスは回避するのが最善策だと思ってきた。
が、この本を読んだことでストレスの見方が180度変わった!
自分がストレスを感じやすいことについて良い解釈ができた!
人生の満足度が高い分、ストレスも多い。逆を言えば、ストレスを感じやすいからこそ、人生の満足度も高い。良い人生じゃないか、と思えるようになりました。
そもそもストレスの歴史は、1936年、ハンガリーの学者セリエのラット研究から。
(様々な外的刺激とラットの健康状態の相関性について)
本人も、良いストレスと悪いストレスがあると言っているが、悪いストレスだけが一人歩きし、現在では、85%のアメリカ人がストレスは健康状態に悪影響があると思っている。
大前提として、人生にストレスは必要。
大事なのは「ストレスに向き合う態度」
様々な研究でストレスが人生に与える好影響が示されている。
・客室係の業務はいい運動になると告げられた人たちは、体重と体脂肪が減少し、血圧も下がった。唯一変わった点といえば、「自分は運動している」と思うようになったことだけ。
・ストレス度指数の高い国ほど、平均寿命が長く、GDPも高く、国民の幸福度や人生に対する満足度も高い。
・人生に生きがいを感じている人びとは、あまり生きがいを感じていない人びとにくらべて、心配ごとが多く、ストレスも多い
逆、ストレスを避けた生きたでは、充実感や、人生に対する満足度や、幸福感が、著しく低下してしまうことが心理学者達によって指摘されている。
・生活のなかでストレスを感じることが、なにもかも問題だと思うようになります。
・仕事にストレスを感じれば、「こんな仕事、やってられるか」と考えます。
・結婚生活にストレスを感じれば、「こんな夫婦関係は変だ、どうかしている」と考えます。
では、ストレス状態になったときにどう向き合うか?
・大変なことが起きたときには、体と脳はその経験から学ぶ。「ストレス免疫」「ストレスワクチン」→ストレスは人生に良いもの。全てのストレスは自分を成長させてくれると信じる。
そうすると身体的変化が変わる
・「脅威反応」のときには、体は物理的な危害を予期しています。迫りくる激しい闘いによる出血を最小限にとどめるため、体じゅうの血管が収縮します。また、体はどんどん炎症を起こし、免疫細胞を活性化させて、早く回復できるように準備します。
・「チャレンジ反応」のときは、リラックスした状態で血流量は最大になり、血管は収縮せずに開いたままで、心臓の鼓動も力強くなります──スピードが速くなるだけでなく、強力になるのです。心臓が収縮するたびに、大量の血液を送り出します。
そして、ストレスを抱えているのは自分だけではないということ!
人の幸せは大きく見えて、人の不幸は小さく見える
誰の人生にもつらいことはある と思っている人は、幸せを感じやすく、人生に対する満足度も高い。
↓メモ
タバコのパッケージ。
恐怖、不名誉、自己批判、恥──そのようなネガティブな感情を人びとに抱かせれば、健康状態を改善するための強力な動機づけになるだろうと、多くの医療従事者は考えています。ところが科学的な実験を行ってみると、ネガティブなメッセージを受け取った人たちは、医療従事者が変えたいと思っていた、まさにその問題行動に走ってしまうのです。
ストレスは人を賢く、強くし、成功へと導きます。人はストレスの経験から学び、成長することができます。そして、勇気や思いやりを持つこともできます。
ストレスに対処するための最善の方法は、ストレスを減らそう、避けようとするよりも、ストレスについての考え方を改めて、ストレスを受け入れることです。
「ストレスとは、自分にとって大切なものが脅かされたときに生じるものである」
★客室係の業務はいい運動になると告げられた人たちは、体重と体脂肪が減少し、血圧も下がっていました。
唯一変わった点といえば、「自分は運動している」と思うようになったことだけです。
年を取ることについての考え方がその人の健康や寿命に影響を及ぼすのは、ポジティブな考え方そのものに素晴らしい効果があるせいではなく、ポジティブに考えることでその人の目標や選択が変わってくるからだ、ということです。
★85%のアメリカ人が、「ストレスは健康や家庭生活や仕事に悪影響を及ぼす」と考えている
★「あなたの心と体には、さまざまな自然治癒力が備わっています。プラセボは自然治癒を起こす引き金になるんです。ですからぜひ、きちんと飲んでください」すると驚いたことに、「プラセボ」だと承知して飲んだ薬によって、患者たちの偏頭痛や、過敏性腸症候群や、うつ病などの症状が寛解。
ストレスを感じたら、まずそれを認識します。ストレスを感じていることを受けとめ、体にどんな反応が表れているかにも注意します。
ストレスを感じたときに生じる力を、ストレスを管理しようとして無駄にしないで、利用しましょう。あなたの目標や価値観に合ったことにエネルギーを使うにはどうすればよいか、考えてみましょう。
★大変なことが起きたときには、体と脳はその経験から学ぶのです。心理学ではこれを「ストレス免疫」と呼んでいます。いわば脳のためのストレスワクチンのようなものです。
体がストレスに反応しているのを感じたら「いま自分にもっとも必要なのは、ストレス反応のどの効果だろう?」と考えてみましょう。闘うべきか、逃げるべきか。状況にしっかりと向き合うべきか、周りの人とのつながりを強めるべきか。それとも意義を見出すべきなのか、成長すべきなのか。もしストレス反応が起こって、流されてしまいそうになっても、「自分はどのように反応したいか」に意識を集中させると、それにしたがって、
★あなたの体の状態も切り替わります。
ストレスを感じたとき、わたしたちには勇気が湧いてきます。
ストレスを感じたとき、わたしたちは人とつながろうとします。
ストレスを感じたとき、わたしたちは失敗から学ぶことができます。
★つまり、前日に大きなストレスを感じた、と答えた人びとの割合が高かった国ほど、平均寿命が長く、GDPも高かったのです。また、ストレス度指数の高い国ほど、国民の幸福度や人生に対する満足度も高いことがわかりました。ストレスを感じている人が多い国ほど、健康状態や、仕事や、生活水準や、地域社会に満足している人が多かったのです。
★人生に生きがいを感じている人びとは、あまり生きがいを感じていない人びとにくらべて、心配ごとが多く、ストレスも多い」
心理学者たちは、ストレスを避けようとすると、充実感や、人生に対する満足度や、幸福感が、著しく低下してしまうことを突きとめました。
自分の将来に限界を設ける
もし生活にストレスが生じるのを恐れさえしなければ、やってみたいことや、経験してみたいことや、受け入れたいことや、変えたいことがありますか?
ストレスを避けようとすることの最大の問題点は、そのうちに自分自身や人生に対する見方が変わってしまうことです。
★生活のなかでストレスを感じることが、なにもかも問題だと思うようになります。仕事にストレスを感じれば、「こんな仕事、やってられるか」と考えます。
結婚生活にストレスを感じれば、「こんな夫婦関係は変だ、どうかしている」と考えます。
多くの人は共通テストを受けるとき、不安になったら失敗してしまうと思っています。ところが最近の研究によって、ストレスを感じるとテストの結果が悪くなるどころか、むしろよくなることがわかっています。試験中に不安を感じている人のほうが、成績がよいくらいです。
あなたもここ一番というときに実力を発揮したければ、無理に落ち着こうとしてあせらないことです。それよりも、「緊張したっていいんだ、興奮しているしるしだから。心臓もスタンバイしてるんだ」と自分に言い聞かせましょう。
★「脅威反応」のときには、体は物理的な危害を予期しています。迫りくる激しい闘いによる出血を最小限にとどめるため、体じゅうの血管が収縮します。また、体はどんどん炎症を起こし、免疫細胞を活性化させて、早く回復できるように準備します。
「チャレンジ反応」のときには、体にはまるで運動をしているときのような反応が起こります。危害を予期していないため体はリラックスし、血流量は最大となり、大きな力を出せるように準備します。
★「脅威反応」の場合とちがって、血管は収縮せずに開いたままで、心臓の鼓動も力強くなります──スピードが速くなるだけでなく、強力になるのです。心臓が収縮するたびに、大量の血液を送り出します。ですから、「チャレンジ反応」が起きたときのほうが、「脅威反応」が起きたときよりも力が出ます。
どの実験においても実力を発揮することができたのは、ストレス反応が起こらなかった場合ではなく、ストレス反応のひとつである「チャレンジ反応」が起きた場合だった、
「チャレンジ反応」が起こりやすくなります。そのためにもっとも効果的な方法は、自分の個人的な強みを認識することです。たとえば、挑戦に向けて自分がどれだけ準備を重ねてきたかを考えたり、過去に同じような問題を乗り越えた経験を思い出したり、自分を支えてくれる大切な人たちや、自分のために祈っていてくれる人たちのことを考えたりします。そうすると考え方がすばやく転換し、脅威がチャレンジに変わるのです。
体に起こるストレス反応は「妨げ」ではなく、実力を発揮するための「手段」だと思えるようになりました
心臓がドキドキして、呼吸が速くなっているのに気づいたら、それは体があなたにエネルギーを与えようとしているしるしだと思ってください。体が緊張しているのに気づいたら、ストレス反応のおかげでかえって力が湧いてくることを思い出しましょう。
多くの人は、人生に逆境などないほうがいいと思っていますが、実際にあまり逆境を経験したことのない人たちは、ある程度つらい経験のある人たちにくらべて、幸福感が低く、健康状態も劣っていました。
★人の幸せは大きく見えて、人の不幸は小さく見える
誰の人生にもつらいことはある と思っている人は、幸せを感じやすく、人生に対する満足度も高い。
★「ストレスに向き合う態度がどれくらい重要なのか」 -
ストレスは味方である
価値観、貢献、目標、チャレンジ、準備、経験、成長、ポジティブ面、支え、大切な人、学び、レジリエンス、健康、共感 -
ストレスという言葉で悪いことと思っていたが、それを悪いと思わなければ悪いものになるとは限らないことに驚いた。
-
ストレスの受けとめ方を教えてくれた。
ストレスは自分の成長に必要なものであり、決して悪いものではないということ。
こう思えただけで、読む価値のあった一冊だった。
何回も読み直して、ストレスの受けとめ方を定着させていきたい。