万国菓子舗 お気に召すまま ~お菓子、なんでも承ります。~ (マイナビ出版ファン文庫) [Kindle]

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  • Kindle Unlimitedで読了

    同じ作者様の、『五百津刺繍工房の日常』からの流れで読了。飛び込んできたお客の注文に、必ず応じてくれるお菓子屋さんの青年と、バイトの女の子の、スイーツお仕事小説。正直非常にがっかりした。美味しいお菓子が出てきて、美青年パティシエで、万人に好まれそうな平凡だけど明るいバイト少女がいる。道具立ては悪くない。人気シリーズのようで、たくさん続編が出ているし。

    しかし、一応主人公であるバイトの久美は、なんでこの店に勤めているのか、経緯もなかなか語られない。どんな店かも、描写はごく少ない。パティシエの男性の経緯も、最初だけはきちんと説明したらいいものを。

    お菓子を通じて喜ぶ客たちの様は、普通なのだけど。お菓子作ってる最中の描写は、料理本のレシピをただ書いてるだけ。知識がないのなら、想像でいくらでも美味しそうに書けるだろうに。(それが小説というものだ)

    途中で店主の友人らしい人物が出てくるけれど、それも説明全くなし。どんな関係で何をしてるのか。なんでここに出てきたのか?数話飛んで次にはいきなり久美を口説いてるし、は?となった。説明ばかり読まされるのは退屈ですと、指南書にあったとしても、やはりきちんと必要な情報はあったほうがいい。

    店主と久美の関係も、いずれ常道としては恋愛になるのかもしれないが、店主側が久美をどう意識しているのかは、毎回同じ描写しかないから、はっきりしない。久美も気がないのかと思えば、いきなり意識しまくるわ、次の話ではひっぱたくわ…。どんな気持ちの移り変わりがあったのかは、書かれていない。

    思いついた場面と思いついた設定を、好きな順に書いている、といったていである。それは草稿ならいいだろうし、アイディア帳の走り書きならいい。でも商業でお金を取るなら、そういうところは破綻がないように書くべきだ。作者様の頭の中では了解事項でも、読者は書かれているものを基本情報に想像を膨らますのだ。基本情報の欠けたお話は、作者様と読み手の、共通の了解事項を欠損させる。枚数がというのなら、その中できちんと書くべきだ。

    素材はすごくいい。肝心な場面だけ切れっ端でもいいから、クライマックスから読みたいから、整っていなくてもいいというのならいいのだろうか。商業出版で出すなら、作家様にいいアドバイスをするスタッフさんはつかなかったということなのか。前作のほうが粗はあったけれど、まだずっと読めた。注意もお受けにならず、出版に至って、一生懸命連作を書いておられるのなら、あたらいい舞台を思いつき、書こうとなさる気概はあるのに、お気の毒だ。九州のと思われる方言も、いきなり出てくる。ちゃんと九州のここにあって、と設定して、お店の説明をしてあげれば、ご当地小説としても楽しめたのだろうに。

    少なくとも、いろいろ勉強にはなった。でも……また読むかと聞かれれば、お答えはしかねる。私の感性がおかしいのか、でも読むには苦しいし……。というところだ。

  • 平和なお菓子屋さんの日常。ほっこりしたいときにいいかも。

  • この本は電子ブックとしてLibrariE(電子図書館)に所蔵されています。
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    *紙の本は所蔵がありません

  • 一話が短く、平和なので疲れたときに効く気がします。
    そして美味しそう。

  • 最近この手のスタイルの本を好んで読んでいる。祖父の営んでいた菓子店「お気に召すまま」を受け継いだ菓子職人の若い店主・村崎荘介と,幼い頃からこの店に憧れて遂に店員になった女性・久美の物語。「お気に召すまま」では国籍に関わらず世界中のどこのお菓子でも注文があれば作るというコンセプトのお店。その一方で自分オリジナルの菓子を作ろうとしない秘められた過去が。そんな「お気に召すまま」には日々様々なお客からの多様な事情に基づく注文が舞い込む。それを荘介が起点と腕を聞かせて作り上げる菓子で解決する。短編集というより掌編(ショートショート)集とも言うべき短い作品がさながら色とりどりのお菓子の詰め合わせのようになっていて,お菓子にまつわる豆知識なども豊富で美味しそうで楽しい。お約束の店主と店員のロマンスも起こりそうな予感ではある。
    桃カステラって初めて知った。バター餅が美味しそう。片手が不自由になってしまって気軽にお菓子作りもできなくなってしまったが,試してみたいなぁと思うお菓子もたくさん。

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著者プロフィール

■著者
溝口智子(みぞくち・さとこ)
福岡育ち、福岡在住。
好きな博多弁は「なんばしようと?」。お酒と食べることがなによりも好き。
著作に『万国菓子舗 お気に召すまま』シリーズ、『五百津刺繍工房の日常』などがある。

「2021年 『万国菓子舗 お気に召すまま ~婚約のお菓子と最後のガーデンパーティー~』 で使われていた紹介文から引用しています。」

溝口智子の作品

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