日経サイエンス2016年7月号

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  • 日本経済新聞出版社 (2016年5月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910071150763

日経サイエンス2016年7月号の感想・レビュー・書評

  • 暗黒エネルギーは分かるようで分からない、ということを伝える記事。4つの観測方法(Ia型超新星爆発、原始音響振動、重力レンズ効果、銀河団)がある。有力な理論は3つ(宇宙定数、クインテッセンス、重力理論の修正)あり、どれが正しいか検証する

  • 特集は「暗黒エネルギー」だが、今年4月16日に起きた震災を受け、緊急特集として「熊本地震」の記事が3本。
    ここでは、空間的・時間的に大きな枠の中で、この地震がどのようにして起こったか、現時点でわかっていること、考えられることをまとめている。
    九州の中央部には斜めに凹みがある。「別府・島原地溝帯」という部分で、多くの活断層が存在することが知られている。雲仙岳や阿蘇山もこの地域にある。今回の震源の断層は、阿蘇カルデラ内に入っていることが明らかになっており、地震活動が火山活動に何らかの影響を与える可能性に留意する必要があるだろうとする。
    日本列島の周囲には、多くのプレートがあり、これらが動き、ぶつかったり沈み込んだりすることで、陸地に隆起や溝が生じる。個々の断層は、岩盤が押し合い、引き離され、また横向きのずれを生じることで生じる。このとき、地震が起こる。
    九州では、「破局噴火」(cf:<A Href="http://www.honzuki.jp/book/225307/review/135096/">『日経サイエンス 2015年 04月号』</A>)と呼ばれる大規模な噴火が起こることも懸念されており、今回の地震に限らず、プレートの沈み込みによりマグマが上昇するかどうかも注視が必要だろう。
    近年の手法として、GPSなどの観測データから、地表の動きのパターンを見ることも可能になってきている。プレートの動き方、それによる地表の移動に対してさらに知見が得られると期待される。GPS等のデータからは、陸側プレートがブロック構成になっているようであることもわかってきている
    時間枠で見ていく際には、科学データだけでなく、古文書も重要なツールとなる。「日本三代実録」には、貞観時代の記録が残る。いわゆる貞観地震(869年)は陸奥国で起きているが、実は同年、肥後国でも地震があったという記録がある。その少し前には摂津国でも地震が起きている。
    こうした例は、実は貞観時代だけではなく、仁和地震(887年)、慶長地震(1605年)、宝永地震(1707年)、安政地震(1854年)でも、タイムスパンにばらつきはあるが、連動するように列島各地で地震が起きている。これを地図上にマークしていくと、どうやら、地震発生地点は、先に触れたブロックの境目に集中しているらしいことが見えてくる。
    ピンポイントで、「いつ」「どこで」「どの程度の規模の」地震が起こるかが予測できるようになるのは、まだそう近いことではなさそうだが、見えない地中の動きを、長い目・大きな目で見ていくことで、徐々に予測の精度向上につながることを期待したい。
    *今回の地震で被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。

    人口問題の話題。
    日本では少子化が問題となっているが、子供が多ければよいというわけではない。アフリカは、世界の他の地域に比べ、多産の傾向がある。欧米では軒並み合計出生率(女性1人が生涯に産む子供の数)が2以下であるのに、ニジェールでは実に7.6という高値である。平均では4.7だ。
    この背景には、農作業での労働力を確保しするという意味から、文化的に大家族が社会的ステータスとなっていることがある。女性の地位が低く、家族計画の主導権を男性が握っていることも大きい。避妊を望む女性が暴力をふるわれるケースも稀ではないという。
    アフリカの人口上昇率が高いため、国連は2004年には91億人と試算していた世界総人口を、現在では112億人としている。
    アジアなど、他の地域の総人口は減少に向かっているが、アフリカはなお増加を続けており、食糧不足や大気汚染といった問題が懸念されるという。都市部での急激な人口増はスラム化にも拍車を掛けうる。
    個々の家族の決断に高圧的に政府が介入していくのは望ましくないが、女性の... 続きを読む

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