幸福な食卓 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 結局なんだか何だいって家族なんだなあ。
    「さくら」を思い出しました。
    家族と、大切な人と。

    毎日、日常がいかに幸せか。
    幸せだからかもしれない。あまり意識することはないけれど、やっぱり日々の何気ない暮らし、そして家族に感謝です。
    ありがとう。

  • 題名や装丁からは想像できなかったような、色んな感情が溢れる物語だった。
    切なかったり、不器用だったり、暖かかったり、青春だったり。
    人間らしくもがきながらも、一歩一歩生きていく佐和子を、どうしても応援したくなる。
    どんな人にも必ず生きる過程で紆余曲折があって、折れたり、立ち直ったり、方向転換してみたりしているんだなと改めて考える。
    それもこれもまるっとひっくるめて、「幸福な食卓」っていう題名をもう一度眺めて考えてみる。

  • 自殺に失敗し、父でいることと仕事を辞め、大学受験を始めた父親。それを気に病み(メンタルになって)、別居して働きに出ている母親。父親の自殺未遂をきっかけに人生と真剣に向き合うことを止め、大学に行かず農業を始めた兄。こんな状態にありながら、何事もなかったよかのように気さくで思いやりがあって暖かい父母兄。普通でない家族のことを一人深刻に考えている中学生(後半は高校生)の私。

    自殺未遂、夫婦別居、父親放棄、仕事放棄、恋人の死など、家族が崩壊してもおかしくない深刻なシチュエーションが積み重なっていながら、ギスギスしたところがなく親友同士のような穏やかな家族関係が続いていることに、不自然さを感じてしまった。透明で現実感の薄い、不思議なファミリー小説だった。

  • 父親の自殺未遂から、心に傷を持ちながらも、一見、平穏に暮らす4人家族が再生していく物語。吉川英治文学新人賞。[電子書籍]。
    タイトルや書き出しからは、ほんわかとした物語を想像していましたが、味のあるストーリーが展開。ハッピーエンドと思いきや、…。でも、読了感は良かったです。

  • 8年ぶりくらいの再読。さまざまな家族のかたちを理解できるようになった今ならもっとより深く読み込めるかな、と思ったけれど、やっぱり読後感は初読の時と大差なかった。お母さんが家を出て距離をおくのも分かる。お父さんがお父さんをやめたいのも分かる。だから第一章の「幸福な朝食」が、独立した短編のままであって欲しかったな、と思う。

  • なぜこのような結末に…切ない気持ちでいっぱいになった。そしてこれからも、家族や自分と仲良くしてくれる人たちのことを、大事にしようと思った。

  • 生きるのが不器用だけど、心温かい登場人物ばかり。じわじわ温っまる良作でした。

  • 家族に起こった様々な出来事が重くて辛い事ばかりなのに何故か自然でヘンテコ、でも優しさに溢れていて、フワッと包まれる感じのお話です。
    家族一人ひとりのキャラも個性的でこう言ったカタチも悪くないし、一見バラバラの様で支え合ってるなと感じました。そして、何より主人公佐和子と大浦くんの過ごした日々が愛おしい。
    いいお話でした。

  • 最近、瀬尾まいこさんも本が好き。
    この本も中々良かった。
    家族の再生の話。

  • エンディングではたくさんの笑顔で溢れるのかと期待して読んでいましたが、突然文字を追う目の焦点がぼやけ心が凍りつきました。違う終わり方にして欲しかったです…

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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