マチネの終わりに [Kindle]

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著者 : 平野啓一郎
  • コルク (2016年4月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (195ページ)

マチネの終わりにの感想・レビュー・書評

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  • とにかく絶妙なすれ違いが切ない。展開が早過ぎず、遅すぎないので読みやすく面白い。イラクを中心に世界情勢、歴史が背景として描かれているので、勉強にもなった。読書芸人恐るべし。

  • 「現在が過去に対する見方を変える」という心理学的なテーマが、本書を通底する一貫したモチーフ。

    著者は「幸せな今」が「辛く悲しかった過去」の意味や思い出をガラリと変えてしまうという主観的事実を、さまざまなエピソードに織り込んでいく。
    これは、(基軸となる)現在から(従たる)過去に対する「変容せよ」という要請のなせるわざ。

    ふと、この逆もあるのでは、と考えた。
    つまり、(基軸となる)過去から(従たる)現在に対する「変容するな」という要請もあるのではないだろうか。

    「決して幸せではない今」を「幸せではない」とほんとうは正当に評価したい。
    それなのに、過去や思い出があまりに幸せであったから、その「幸せな過去」が「今は幸せでない」という見方への変化を拒む。
    過去が今に対して変わらないよう要請する、という主観的事実。

    ディケンズの『大いなる遺産』はもしかするとそういう話だったのかもしれない、と思った。

  • 最後まで辿り着いたところで、わぁ!ここから新しいストーリーが始まるのね!!ワクワク!って思わされるラストはお見事。ただ、肝心のそこに辿り着くまでの行程が...ピュア過ぎるというか、大人の恋愛物とのことだけど、大人の=純粋さへの憧憬なのかな...辻仁成類型といいますか、男性読者が多いってところも妙に納得。このピュア探求欲は男性だなと。とはいえ、この作家らしく文章も綺麗でなんだかんだ楽しめた。

  • 前半の物語に期待を寄せていたが故に、後半残念。

    こんな、用意されたすれ違いや第三者の悪意で、道を決めてほしくなかった。本人達だけをきれいに描いてほしくなかった。

    それでも、とても美しい意味を持つことのできる言葉があった。
    「過去は変えられる」「未来は常に過去を変えている 」

  • 大人の恋の大人の小説。天才と完璧美人。後半の展開は夢中で読んでしまった。

  • 知的で大人の恋に心つかまれます。よく知らないけど、多分はかないに違いないメロディーが頭の中で鳴ります。
    そして薄っぺらい自分が嫌になります(笑)

  • ラストシーンはぐっとこみ上げてくるものがあった。感想を言葉にするのが難しい、、、でも、所謂恋愛小説とは違った作品で、とても印象的だった。こんなに想っているのに、2人の絶妙にすれ違っていく時間や距離、タイミングがもどかしく、また理不尽さや不条理さがそこら中に転がっている世界の中で、紆余曲折を経てたどり着く物語はとてもせつなく、それでいてとても輝いている。「人間が変えられるのは未来だけではない。過去も変えているのだ」という言葉が心に響いた。
    それでもその後、蒔野と洋子が2人にとってどうか幸せな結末になってほしいと心から願ってしまう。自分がきっともう少し大人であったら、もっと楽しめた作品であると思う。再読を楽しみにしたい。

  • 全体的に文章が詩的で、特に内面描写が繊細かつ流麗に描かれていて琴線に触れる箇所が多々あり。
    一方、物語の展開、特に中盤の物語の分岐箇所にはどうしても通俗さを感じ得ず、文体や描写とのギャップに若干の抵抗を抱く。…が、美しい文体・描写や宗教、哲学、社会学的観点と恋愛小説の定番的なプロットの組み合わせが幅広い読者層を惹きつけたのではないかと思う。小説の完成度としては非常に高いと感じる。
    過去と未来の箇所、そして8章の自由意志に関する会話が強く印象に残った。

  • いろんなところで薦められてたから逆に読みたくなかった本書。

    ただもともと好きだった平野啓一郎氏だったので、
    やむなく購入。

    どっちの意味でも平野さんらしくない小説。
    主人公に感情移入できないのにあっという間に読み終えるきれいな作品。

    タイミングの大切さ。

  • 読む時間は仕事でお疲れモードの中、地下鉄に揺られる10分のみ。何だかこそばゆくて暖かい気持ちになる二人のやりとりが、最近の癒し。でも、ハッピーエンドじゃなさそうな不穏な気配を色濃く感じるので、先がとっても気になるけど、あえてゆっくり読んでいる。こんな風に本を読むのもいいな♫と教えてくれた本。早く先を読みたいー!けど先を知りたくないー!嗚呼矛盾。2017.5.18

    やっと読み切った。中盤で、私がドラマ鑑賞や小説を読むのが苦手な最大理由である「嫌な女」が出てきて、めげそうになった。実際、めげて読むのを一度やめた。ネットでややネタバレを探して、二人が再会することを知った後、嫌な女のあたりは読み飛ばして、再び読み始めた。結果、予想外にもハッピーエンドで歓喜。途中読み飛ばしていることに罪悪感を覚えつつ、読んでよかったと思った、知的な大人男女の美しい恋愛物語だった。2017.11.25

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