マチネの終わりに [Kindle]

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著者 : 平野啓一郎
  • コルク (2016年4月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (195ページ)

マチネの終わりにの感想・レビュー・書評

  • インスタで見て読みたくなった。
    運命の人なら、かたい絆で結ばれているはずと信じたい私にとっては、すごく複雑な気持ちになる物語だった。
    あんなにお互いを求めているのに、たった一通のメールで簡単に壊れてしまうものなのか。
    そして、ふたりの再会で物語は終わるけど、その後はどうするの?最初と同じようにそれまで築いたものを捨てるの?
    「大人の純愛」として、素直に楽しめませんでした。うーん。

    内容はしっくりこなかったけど、登場人物の言葉から連想される静かな情景は読むだけでも心地良かった。

  • 読了。恋愛小説なのだけど、よくある恋愛小説とは少し異なる。
    キーは「過去と未来」時間軸。本の中で蒔野が言う「人は変えられるのは未来だけだと思い込んでる。未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいもの」この言葉は本文の中で、何度も繰り返される2人のすれ違いや心の動きに大きく関わってくる。
    そしてもう1つのキーとなるルカによる福音書10章38-42節の マルタとマリアの家のキリストのくだり。このシーンはフェルメールも描いておりとても有名な一節。「良い方を選ぶ」とは? マルタの訴えは何であったか?イエスは決してマルタを諌めた訳ではないのだが、蒔野の妻となった早苗もまた、自分の犯した罪に苦しむ。罪を告白すると言うのは、聞いた人に罪を分けあたえると言う意味もあるのかもしれない。懺悔と神にも罪を引き受けてもらうということなのだ。告白された方も、また変えられない過去に悩み、変わるかもしれない過去を悩む。
    2人の続きが気になりながら話は幕を閉じる。

  • 途中でやめた。何故か 合わない。

  • 大人の恋愛小説と聞いて興味は湧かなかったが、悩みごとの答えが見つかるかと読み始めた。
    答えは見つからなかったが、悩みを抱えながらも生きようと思えた。

  • とにかく文章が美しかった。物語のあらすじ自体はある意味普遍的な感じのすれ違い恋愛小説。感情移入しにくいのはあるかもしれない。

  • ギタリスト、という職業からもうすでに非日常に連れて行ってくれる感じがあるが、主人公がほぼ同世代、さらに久々に恋愛小説をじっくりしっとり読めて幸せな気分である。

  • 同年代だから、わかる部分がたくさんある。
    直感的に惹かれ合うのに、そこに理由やロジックを求める私たち。さらに、第三者との関係性もあって、余計に複雑になっていく。あらためて、恋も仕事もタイミングと決断が大事なのよね、と思うのです。
    聡史と洋子は、この後どうしたのかなあ。同じようなことを繰り返して、決断し、一緒になるのかな。それとも。

  • 文体の美しさと余韻、文化と世界情勢、読み応えすごい。

  • 久しぶりのラブストーリー。 ひとつの誤解から生まれるすれ違い。不安だからこそ、誤解はむしろよりネガティヴな方向で受け取られてゆく。。 この気持ちの起伏に懐かしさも感じつつ。 諦観の中にも、燃え上がる感情もある事を気付かされる。 そして“未来は常に過去を変えている。それくらい繊細で感じやすいもの” これには唸った。 読後は今ひとつだったと思いつつ、なんだかんだで平野の先生に感情を擽られたのは否めない。

  • 僕にしては珍しく、噛み締めながらゆっくり読んで、最後のページから再度冒頭に戻って復習までした作品。素晴らしい。
    「ドーン」で僕らの既にある日常をSFっぽく提示したのとは対照的に、本作ではクラシックの世界の中で人間の感情の不思議さを語る。小説で音楽を扱うのは難しいと思うし、クラシック音痴の僕は何一つ理解できなかったけど、それでも「想い」は十分すぎるほど伝わった。
    舞台設定は華やかなれど、ごく普通の市井の人々の人生が、それもどうしても理想通りいかない人生がいくつも交差して、「感動」というよりはむしろ「納得」の作品。
    ラストシーンの副作用として、あだち充の「みゆき」を何故かたまらなく再読したくなります。

  • 再読です。
    先日平野さんのトークショー&サイン会に行ってきました!

    サインをもらう一瞬の間のひとこと、なんて言おう・・・と考えながらの再読です(笑)結局、
    ・過去は変えられるという概念が新鮮で、また一つ重要なことを教えてもらった気持ち。
    ・先が気になって急いで読みたくなる小説はあるけれど、読み終えるのがもったいないとゆっくり読みたくなる小説ははじめて。
    ということを、話せそうな秒数に応じて言おうと決めました。

    が、トークショー前に配られたチラシに
    「ページをめくりたいけどめくりたくない、ずっとその世界に浸りきっていたい小説を考えてきた」とか
    「現在と過去と未来について考える。付随する出来事によって、それぞれのエピソードの意味が変わるなんて、これまで考えたことなかった。なんだかすごいものを読んでしまった」とか書いてあり・・・
    私の感じたことって、著者の狙い通りのことを素直に受け取った結果の想定通りの感想だったんだーと、よくわからないけどガッカリ。。
    そんなオーソドックスな感想を言っても仕方ないかと思いつつ、それしか考えてないし、っていうか実際には緊張しちゃってシドロモドロでした(涙)

    まあでも、やはり再読でも胸が熱くなりました。
    彼らはこのまま、過去の意味を変えながらお互いの人間性をより尊敬し合い、プラトニックで幸せな関係を築いていくのでしょうかね。
    三谷ジャマ。

  • とにかく絶妙なすれ違いが切ない。展開が早過ぎず、遅すぎないので読みやすく面白い。イラクを中心に世界情勢、歴史が背景として描かれているので、勉強にもなった。読書芸人恐るべし。

  • 過去は未来によって変えられる。それはなんという甘美の響きだろう。ただ、その甘美な響きに騙されてはならない部分もある、その未来を作りあげることに困難と努力と、絶え間ない意志が付属する。

    ありきたりな、コミュニケーションの行き違いや、小さな事件で二人の恋人の仲がすれ違う話は本来好きでない。なぜなら、分かりあう努力が欠如しているから。だから本書の中盤でそのような事件が起きたとき、いやになって本を閉じようかと思った。

    それでも読み続けたのは、主人公の二人の人生の意義への探求の姿勢、そして、間違った婚姻に対してどのように品性を保ち、受け入れ、そして自分の中で整理し消化していったのか、その過程の描写が真摯だったからだ。

    恋愛小説というより、丁寧に生きるということについて、丁寧に丁寧に、少し脚色を含めながら、美しい人に受け入れられやすい物語にしあげた小説。
    平野啓一郎さんだったら、もっと深みのある小説も書けるのだろうと思うけど、これはこれで、ほどよいのかもしれない。抜け感が。

  • 「現在が過去に対する見方を変える」という心理学的なテーマが、本書を通底する一貫したモチーフ。

    著者は「幸せな今」が「辛く悲しかった過去」の意味や思い出をガラリと変えてしまうという主観的事実を、さまざまなエピソードに織り込んでいく。
    これは、(基軸となる)現在から(従たる)過去に対する「変容せよ」という要請のなせるわざ。

    ふと、この逆もあるのでは、と考えた。
    つまり、(基軸となる)過去から(従たる)現在に対する「変容するな」という要請もあるのではないだろうか。

    「決して幸せではない今」を「幸せではない」とほんとうは正当に評価したい。
    それなのに、過去や思い出があまりに幸せであったから、その「幸せな過去」が「今は幸せでない」という見方への変化を拒む。
    過去が今に対して変わらないよう要請する、という主観的事実。

    ディケンズの『大いなる遺産』はもしかするとそういう話だったのかもしれない、と思った。

  • 第一章と最終章がとても良かった。

  • 最初に二人が出会ったときのこの一節はちょっと響いた。「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまったとも言える。」

  • あいつが許せない

  • 大人の恋、作中でも時間が長く経過するので登場人物の選択に驚きながら、年を重ねることの深みを感じられる。
    美しいラストシーンのあと、二人はこころから語り合う、そのあとの事は描写がないが、皆幸せであればいいと思う。

  • 普段、恋愛小説はあまり読みませんが、
    Kindleで無料で読めたので読んでみました。
    恋愛小説としては、よくありがちな内容だと思います。
    会って2度で盛り上がって婚約破棄決めちゃうとか、
    携帯をタクシーに忘れて、自分で取りに行かないでマネージャーにパスワードも教えるとか、
    直接会って話して誤解を解かないまま別れてしまうとか、
    ちょっと無理があるかなと。

    スカイプとかメールとかブログとか出てきて、
    最近っぽいなというのは思いました。

  • 微妙に浮世離れしてないか?
    ギターの音色程澄んではいないと思うけどな

  • 最後まで辿り着いたところで、わぁ!ここから新しいストーリーが始まるのね!!ワクワク!って思わされるラストはお見事。ただ、肝心のそこに辿り着くまでの行程が...ピュア過ぎるというか、大人の恋愛物とのことだけど、大人の=純粋さへの憧憬なのかな...辻仁成類型といいますか、男性読者が多いってところも妙に納得。このピュア探求欲は男性だなと。とはいえ、この作家らしく文章も綺麗でなんだかんだ楽しめた。

  • ラストは胸がいっぱい。
    共感できる想いがちりばめられている。

  • 自分自身が音楽の教養も知識もないことでこの物語の大切な部分を十分に理解できないもどかしさと戦いながら、一気に読破してしまった。ぐっときます!

    二人と同年代でもあり、ある程度の人生経験を踏んできた自分にとって
    なかなか結ばれない聡史と洋子の人生にやきもきしながら

    でも僕は信じたい
    この恋焦がれている二人が過去にたった三度しか会ってなくても
    運命のいたずらで交わらなかった二人の人生のレールが並行に続いていってしまうとしても
    人は魂の結びつきを感じ自分の人生を豊かにしてくれる人の存在があれば
    きっと強く生きていけるということを

    そんな素敵な存在に出会えた二人に嫉妬してしまいます。

    素晴らしい天気のセントラルパークの池のほとりで
    二人が5年の歳月を昇華している姿を想像しながら
    目頭が熱くなりました。

    是非、ご一読を。

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