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感想・レビュー・書評
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「マチネの終わりに」(平野啓一郎)を読んだ。
あまりにも自分と違いすぎる彼等のハイスペックさに鼻白んでしまい、3回くらい投げ出しそうになったのは事実。
が、しかし、第七章からラストまで、時間の経つのも忘れて一気に(ひたすら涙を流しながら)読んだよ。
この物語はもう忘れられない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
平野啓一郎が好き、なんていうと、読書家みたいな、ちょっと物知りみたいな、とにかくインテリ!みたいな空気を醸し出すかなーと思いながら、平野啓一郎の著作に挑むこと早20年。読み通すことが勤行、つまり私は俗物、平野啓一郎の作品を理解できたり、素晴らしいと他人に語れることがないと思っていた時に出会ったのが、この作品でした。平野啓一郎はどういうコンセプトでこの物語を紡いだのだろう。私のような、背伸びしたい人への救済として、この作品を創り出したのだろうか。とにかく、せつなく、哀しい時間を楽しみました。なにより、マチネという、なんともセクシーな時間帯が表題になっていることに、背伸びせず、楽しめました。ありがとう平野啓一郎。これからも、努力して、応援しています。
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一度読めばよいかな・・
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いやー
ずーーーっと読みたいって思ってて。
途中までは夢中で読んだけど…最後がなぁ。 -
クラシックギタリストが主人公 大人の愛の物語
付箋
・音楽は、未来に向かって一直線に前進するだけじゃなくて、絶えずこんなふうに、過去に向かっても広がっていく。人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。
・音楽は、静寂の美に対し、それへの対決から生まれる
・自分の意志にまったく従順に動いてみせるその左手に、なんとなく白々しさを感じた
・またバッハに取り組みたいと考え始めていた。「本来の自分へと立ち返るべく」という衝動だった。
・演奏家だからね。作品の解釈は、出来るだけ作曲者の意図なり、心境なり、世界観なりを掴もうとするのが、せめてもの誠実さだと思う
・被害者っていうのは、決して相対化されない、絶対的な存在でしょう?
・ヘタだと音楽的だ、人間味があるっていうのは、卑しい音楽観、人間観じゃないですかね
・明晰さとは、太陽に最も近い傷だ イプソスの綴りより
・生き残ったっていう事実自体、やっぱり人を苦しませるもの
・同じギターでも、僕が弾いている時と、蒔ちゃんが弾いている時とでは、楽器の態度が全然違うんだよな
・会場に持ち寄った数多の沈黙を共有し、それを一つの音楽に変えねばならなかった
・マチネ 午後の演奏会
・恋がもし、そうしたものであるならば、土台、長続きするはずはなかった。その火は、どこかでもっと、穏やかに続く熱へと転じなければならない。
・相手を笑わせたいというより、笑っていないと、どこか不安なのかもしれない。
・自分が蒔野の理解者であり、慰めであり得るかもしれないという思いは、彼女の見出した一つの特権的な幸福であり、恐らくは安堵ですらあった。
・天才とは、周囲の者の生にとって、常に幾ばくかはそういうプレッシャーの源であるに違いなかった。
・カラシニコフの銃弾が飛び交う世界で、俺のバッハに、どれほどのありがたみがあるのかって。
・やっぱり、三十年戦争のあとの音楽なんだなって 当時の人たちは、バッハの音楽に深く慰められたんだと思う
映画化 https://matinee-movie.jp/ -
せっかくなので、どっぷりハマって読んだ。切なくて、もどかしくて美しい人生をひとつ頂いちゃいました。
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ちょっともどかしくて、いじらしい青春のような物語。
大人の恋愛なんだけど、なんとも不器用な感じが良かった。
読み終わったあとは心がほっこりする。 -
プロのクラシックギター奏者と、ジャーナリストの女性との恋愛話なんだが、この2人の関係が思うに任せない。なんせ直接会って話したのはたった3回。あとは遠距離恋愛なんて話ではない、日本とフランスだったり、イラクだったりする。現代の小説らしくSkypeなどを使ってテレビ電話もどきのコミュニケーションを図ったりもするのだが、それゆえの陥穽にはまってしまい、2人は別れることになる。
この作者の文章、相変わらず苦手だが、恋愛がテーマゆえか随分と読みやすかった。わけのわからない概念を振り回したり(多少あったが)しないのも好感がもてた。 -
久しぶりの平野啓一郎。無料なのでkindle singleかと思っていたら長編だった。
途中から一気に読ませる。