ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ) [DVD]

監督 : コーネル・ムンドルッツォ 
出演 : ジョーフィア・プショッタ  シャーンドル・ジョーテール  ルーク&ボディ  ラースロー・ガールフィ  リリ・ホルヴァート 
  • TCエンタテインメント
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4562227883706

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  • FEHER ISTEN/WHITE GOD
    2014年 ハンガリー+ドイツ+スウェーデン 121分
    監督:コーネル・ムンドルッツォ
    出演:ジョーフィア・プショッタ/シャーンドル・ショーテール/ラースロー・ガールフィ

    母親が再婚相手の仕事の出張に同行するため、実父ダニエル(シャンドール・ジョーテール)に預けられることになった13歳の少女リリ(ジョーフィア・プソッタ)。親から愛されず孤独なリリは心のよりどころである愛犬ハーゲンを一緒に連れてきたが、父親は犬は飼えないと邪険にし、近所の意地悪おばさんからは「雑種は施設にやれ」と通報されてしまう。この街では雑種犬を飼うのに高い税金がかかる法律が制定されたばかり。リリは通っている音楽学校(リリはトランペット奏者)に犬を連れていったりして何とかハーゲンを守ろうとするが、父親に無理やり捨てられてしまい…。

    前半は、リリと引き裂かれてしまった犬のハーゲンのほうの変遷が描かれており、序盤は飼い主のもとに戻ろうとする健気な犬の冒険ものみたいな展開なのだけど、だんだんこれがほのぼのしてられないほど過酷になっていく。街には捨てられた雑種犬がたくさんいて、保護施設の人間が彼らを狩りたてており、ハーゲンも命からがら逃げ回る。仲良しの犬もできるが、一緒に逃げるうちにはぐれてしまい、ホームレスが匿ってくれるも、このホームレスはハーゲンを闘犬の調教師に売り飛ばしてしまう。

    ここでハーゲンは、闘犬になるため過酷な訓練を受けさせられ、どんどん人相(犬相?)が変っていってしまう。すごい名演技だなと思っていたら、実はお利口で大人しかった頃のハーゲンと凶暴になってからのハーゲンは別の犬で、2頭で性格を演じ分けしてたそうで。それにしても名演でした。それはさておき、こうして野性に目覚めた凶暴なハーゲンは、闘犬場から脱走し、保護施設に捕まってしまうも、そこもまた脱走、捕まっていた何百頭もの犬がハーゲンをリーダーに大脱走して人間たちへの復讐を始め…。

    後半は動物パニックホラーみたいな展開。ハーゲンは自分を虐げた人間を執念深く覚えており、次々と復讐していく(※意外と残虐なので要注意)

    一方リリは、ハーゲンが捨てられてから彼を探してあちこちへ探しに出かけるも再会できず、失意のあまりグレ始める。オーケストラ仲間のイケメンピアニスト男子と夜遊びして警察に保護されるに及んで、なぜかそれまでリリに邪険だった父親が改心、リリと良好な親子関係を築くように。そしてオーケストラの公演の日、脱走した何百頭もの犬たちが街を襲い、そのリーダーがハーゲンであることを察したリリは、危険を顧みずハーゲンを探し求めるが…。

    はぐれてしまった犬と飼い主が再会するまでのほのぼの映画かと思っていたら、予想もしていなかったホラーな方向にどんどん展開していくので、ビックリしたけど面白かった。何百頭もの犬が街を疾走していく光景は圧巻。動物の命を弄ぶ人間の身勝手さと同時に、雑種だけが排除されるという部分では人種差別問題への批判も含んでいるのだろう。ちなみに本作に出演した250頭の保護犬たちは、撮影終了後、映画に出たスター犬として全員飼い主がみつかったとのこと。とにかく犬たちの演技が素晴らしくてパルムドッグ賞も納得。

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