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- / ISBN・EAN: 4988111249951
感想・レビュー・書評
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マチェーテ?まさかフランス映画で舞台となった公共の団地でマチェーテを振り回して殺人が起きる映画なんて想像もつかなかった。最近のフランス映画の派手さはわかっているがまさかといった感じでしたね!
「ディーパンの闘い」
https://www.youtube.com/watch?v=m--OnMTOql0
内戦の続くスリランカ。自分の属す部隊は負け、家族を失い、故郷も失い、自分の名前も失ったディーパン。主演を演じるアントニーターサン・ジェスターサン自身も少年兵だった過去がある。
全て他人の疑似家族の3人。かみ合わず馴染めずお互いが思考錯誤していく中、団地内の麻薬絡みの抗争が起きる。銃撃の音は彼らには再び恐怖を与え、全てを失った過去を思い出させるには十分だった。命の削り合いをしてきたディーパンにはチンピラを叩きのめすことなどたやすい事だった。
それにしても住宅街でドンパチして平穏な人生を迎えられるとは詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
別途
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「偽装家族」がテーマでそれを守るために、元兵士が闘いに挑むストーリー。
先月まで、マイク・リー監督が描いた『家族』の絆の強さや、そこに宿る暖かさを観てきたので、この「偽装家族」というものがそれとはどう違うのかを感じてみたかった。
日本では核家族化が進み、共働き世帯の増加、スマートフォンの所有者の増加などで家族としての実質的な絆は緩められる一方だが、ある意味新しい家族の型ちに変わってきているともいえる。それは、機能や役割や居場所に特化した薄く軽い絆だ。(自分ではそうではないと思っていても、過去の日本の家族の様子と比べればよくわかる)
「 血の繋がりのない家族」は増えている。「血縁がなんの意味になるのか?」とその軽さが増しているとも言える。そんなことより“信頼”や“友情”、“愛情”での繋がりが重視されるべきだ。と「擬似家族」の存在が徐々に増加している。
これは私の感覚だが、“血のつながりのある家族”は無意識下にそれを拠り所に寄添い、生まれ、育組んでいく過程で「自分の外部に存在する自分のカケラを感じ」ながら絆を編んでゆく。
一方、擬似家族は‘キッカケ’や‘一時の気の昂り’がその誕生に繋がることが多い。だから、それぞれがお互いを必要としている意識を超えて無意識下に求め合わないと一瞬にして崩壊してしまう。‘恋愛→結婚’過程に似ているところもあるが、社会がそれを支える仕組み(法律・制度)が用意されていないところが決定的に違う。
何れにしても人間には『家族』(‘社会’の最小単位)を作ろうとする社会的な本能が埋め込まれているようには感じる。
映画の話に戻るが、元兵士ディーパンが戦いのなかで身につけたものは、戦闘技術や、闘争心だけではなく、「死と隣り合わせで見つめた生の輝き」だったのではないだろうか。
そして、それがちょっとしたキッカケで演じた偽装家族を彼に最も必要な『生』の対象に引き上げたのではないだろうか。
2017/06/23 -
字幕: 丸山垂穂
偽装家族を装ってフランスに政治亡命した男女+少女の日常を淡々と描いていて、ヨーロッパ移民の現実を丁寧に描いているとは思ったけど、パルム・ドール…にはちょっと弱い気がするなあ。
ラストの設定に突っ込もうかと思ったけど、これはむしろ彼らの願望と取るべきなのかな。 -
ディーパン!
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すごく面白かったけれども、最後、ありきたりすぎやしないか。
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2016/8/17 スリランカでの激戦区で家族を亡くしたディーパンが擬似家族とともに フランスに入国し、そこで新天地を求め 真面目に働きながら 擬似家族を守ってゆこうと頑張ってるが 若いギャング達が 町や住む団地を陣取って 生活が阻害され 言葉も 上手くいかない生活の中で もう闘わない
平和な暮らしを望むも 擬似の夫婦として 女性の方は1人でイギリスに逃げたがっていて 2人の関係性もギクシャクして ままならない。
結局最後は本当の家族になれたって事なのかな⁈
報われたって事は良かったけど…ラストは説得力に欠け 少しスッキリした感はなかったのが残念だったけど…。 -
面白かった。
全般的に淡々としてるけど、一抹の不安が絶えずよぎる。それを分かっているかのように淡々と描きながら、目を離すことができない展開を見せる。
上手いね。
そして、最後の戦い。
痺れたね。 -
ディーパンが漢。アクション的には前半はDASH村で後半はシティハンターだった。大声を出さずにすべきことを黙々と片付けていく様がかっこいい(武器の扱い方が地味で逆にクール)。売人のボスも100%の悪人に見えないところに、ディーパンと同じ個人ではどうにもならない運命に捕らわれた感じがあってよい。
とはいえ、国の中で亡命者とギャングが物理的にすぐ近くにいて、折り合いがつかなくなれば殺し合いになってしまうこと、解決への手の付けようのなさが現実として迫ってきて頭を抱えた。これフランスの観客にはもっときつかっただろうな。せめてイラヤルちゃんが幸せになれたらなあ、と思いながら結末を見ていた。