- Amazon.co.jp ・電子書籍 (129ページ)
感想・レビュー・書評
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ノーベル文学賞を受賞したヘミングウェイによる徹底された外面描写で自然の厳しさがありのまま表現されている作品。
こういうハードボイルドな作風の小説はあまり読んだことがないので、自分に合うか不安に感じていたが、杞憂だった。老人と巨大なカジキマグロの格闘シーンは短い文でテンポ良く書かれているので、まるで映画を見ているかのような迫力。そしてその勝負に勝ってからの帰途でカジキをサメに徐々に食いちぎられていく自然の残酷さにはページをめくる手が止まった。
最後はなにも成果を持ち帰ることはできなかったのだけれど、少年の尊敬、友を得ることが出来て老人は満足だったと思う。自分ではそう思いたい。
というのも気になる描写があるのだ。この小説の所々で老人は夢を見るのだが、その夢にはライオンが登場してくる。そのライオンは若さや強さを象徴していて、体は老いてしまっているけれど、自分の過去の栄光を思い返してまだまだ一人でやっていけるという老人の気持ちの表れなのかなと思う。そしてその夢には少年が出てこないとわざわざ書かれている。なので、少年に頼って生きることよりも頼らず一人で強く生きる気持ちが勝っているのかなと自分なりに解釈した。
そのことを踏まえてこの小説の最後を読んでみると、老人はライオンの夢を見ているのである。一度は他人のいる生活の楽しさに気づき、それを素直に求めたかのように見えたけれど、一人で生きていく気持ちがまた芽生えてきたのかな?と感じた。もしこの最後に少年のことが夢に出てきていたらここまで終わりの捉え方に悩まなかったかもしれない。
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まるで自分が小舟の中に居て、鮪と戦っているような感覚になる。
老人の様子や思考がありありと伝わってくる。
さすが名作!と思える描写がふんだんに使われている一冊。 -
20231019再読
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高校の頃だったか、児童文学以外で初めて海外小説にチャレンジして、そして挫折したのが『老人と海』だったと思う。20年ぐらい経って海外小説と色々読むようになったけどなんとなく苦手意識が抜けなくて読んでなかったんだけど改めて読むとめちゃくちゃ面白かった。ハードボイルドものはあまり読まないんですが、その祖と言われる本作の淡々とした静かな描写は、あぁハードボイルドってこういうことかと静かに感じ入ってしまう魅力を堪能しました。短い作品ですぐ読めるし別の訳でも読んでみたい。
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やたらと老人が舟の上でひとりごとをいうので退屈です。そしてずっと漁をしています。
“だが、人間ってやつ、負けるようにはできちゃいない。叩きつぶされることはあっても、負けやせん”
が有名です。 -
とても良い.
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前半、中々のめり込めない。
まだ私には難しい。 -
こんなにも便利で、何もかも手に入る時代で暮らすことが当たり前になっていた私が読んで、衝撃でした。何もかもアナログな世界での、老人の強い精神力が書かれています。しかし「なんでそうなっちゃうかなー」とすこし焦ったくもありました。
もう一度読み返したいとは思わないけど、読んで本当によかったと思いました。 -
ともに旅した一冊。
ビーチで読む→喉が渇く→ビールを飲む、
喉の渇きをもたらしてくれる。 -
海や魚を戦う三日間をこんなに鮮明に描き出すのはすごいなという感じ。
でも、なんでこんなに評価されているのかはよくわからないからまだ私が幼いんだと思う。
最後の終わり方はとても哀愁があって印象に残った。