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感想・レビュー・書評
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ちゃんとしたミステリ界には、後期クイーン問題というのがあるらしい。
「探偵が得た情報、出した真相が正しいかどうか探偵自身にはわからない」というやつだ。
探偵は小説の中に閉じ込められているから、俯瞰して真実を見ることはできないのだ。
その点、この小説では、探偵が推理を披露した後から後から新しい情報が出てきて推理のテーブルがひっくり返る。
こんなんじゃ探偵が真相を言い当てるなんて不可能だ。
探偵はみんな情報不足のまま、全ての答えが見えたと思い込む。
探偵だから、全ての情報に意味があってちゃんと繋がると思い込んだりする。
ここに、後期クイーン的な問題に真っ向から取り組んでいる…と言えるのかは自分にはわからないが、意識してるのかもなあとは思った。
また、小説内には「一つの現実があるのではなく、認識が相互に作用して世界を作る」的な会話がある。
探偵が手に入れた手がかりも、本当は探偵が「そう思ったから存在が生まれた」ものなのかもしれない。
だから別の探偵が推理を披露するたびに、新しい情報がポロポロポロポロ出てくるのだ。
必要なのは、意味が多すぎる館の中で何を選んで信じるのか。
中巻はほとんどがこんな内容で、冗長にも思えたけれど、最後にグンと加速する。
ほとんどの謎、一番難解なところは解けたように思うけれど、下巻は一体どうなってしまうのだろう。
ディスコ探偵水曜日、ディスコというかディスコード、異常異常異常な小説だ…詳細をみるコメント0件をすべて表示
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