読書脳 ぼくの深読み300冊の記録 (文春e-book) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 読書に取り組むのは、自分を追い込まなければならない。
    ○何かものを考える上で、いまでも本は重要だと思います。
    ○生きていることの意味をかみしめながら、毎日、一人でひたすら本を読む日々でした。
    100% 理解できるような本は読んでもしょうがない
    ○知が中心を失って、バラバラになる「知の遠心化」が起っている。
    ○本を読むかどうかが家庭環境に規定されるようになってきた。早熟な学生はいろんなものを読んでいるけれど、そうじゃない学生は受験勉強ばかりでほとんど本を読まない。
    ○図書館が本来買うべきでない本を買うようになりました。その結果、本を読むための社会的インフラが痩せてきている。
    ○読書とは、本来、閉じた行為である、
    ○ゾシマ長老が語る内容は、フョードロフの影響をかなり強く受けているといわれている。
    ○低度情報化社会人間の例として著者があげる「ヘッドライン(だけでわかったつもり)症候群」「チェック(しなきゃ)症候群」「Google(で調べるだけで満足)症候群」「コメンテーター症候群」「根拠なき権威症候群」などは、たいていの人が思い当たる症候群だろう。
    ○ソニア・シャー『「石油の呪縛」と人類』石油の解説本は沢山あるが、これほど多面的な情報がこれほど見事に一冊に詰めこまれた本は他にない。
    ○「謎は私たちの人生において絶対になくてはならないものです。謎は驚きを生み出し、驚きは物事を理解したいという人間の欲求の源となります。私たちの生きているあいだにどんな謎が解かれるのか、(略)誰にもわかりません」 「科学はいまだ、予言する能力を獲得してはいません。翌年のことはかなり予測できますが、10年後のことはほとんど予測できません」
    ○超ひも(スーパーストリング)理論である。その理論によれば、物質の最小構造は、原子核でもなく、クオークでもなく、それよりはるかにはるかに小さい振動するひもからできている十次元の世界。それは十のマイナス三十三乗センチメートルという大きさで、いかなる観測手段を用いても観測できない。
    ○我々が観測を通じて知っている物質宇宙(見える宇宙)はわずか四% でしかないということが判明したのだ。残り二〇% は正体不明の暗黒物質であり、七六% はそれが物質かどうかも見当がつかない暗黒エネルギーだとわかったのだ。
    ○それは東京裁判を肯定あるいは否定せんとする側がそれぞれに「自己の史観を正当化するため裁判を都合よく利用した思想論争」でしかなかった。
    ○ところが何と我々が光で存在を確認できる天体は宇宙のたった四% にすぎないと数年前に判明した。宇宙の質量の二四% は目に見えない暗黒物質(ダークマター)で、残り七二% は物質かどうかもわからないダークエネルギーだという。
    ○記憶の減衰の法則性の話も面白い。個人の記憶は三日、三月、三年で急速に失われていく。組織の記憶は三十年で消え、地域の記憶は六十年で消える。社会の記憶も三百年しかもたず、文化の記憶も千二百年たつと消えてしまうという話。なるほどと思う。

著者プロフィール

評論家、ジャーナリスト、立教大学21世紀社会デザイン研究科特任教授

「2012年 『「こころ」とのつきあい方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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