あの頃エッフェル塔の下で [DVD]

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監督 : アルノー・デプレシャン 
出演 : マチュー・アマルリック  カンタン・ドルメール  ルー・ロワ=ルコリネ  アンドレ・デュソリエ  ディナーラ・ドルカーロワ 
  • ポニーキャニオン (2016年8月3日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013588684

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あの頃エッフェル塔の下で [DVD]の感想・レビュー・書評

  • 正直言えば難癖つけたい点は多々あれど、登場人物たちの鬱憤や孤立感、そして、「語り手たちの視点」へのこだわり等は技巧的で面白いなぁ、と思えた映画です。

    幼い時分から家族や周囲の人々との関わり方に悩み、成人してからは世界を転々とした、人類学者にして外交官でもある中年男性のポール。
    異国から祖国フランスに戻る際、自身が16歳時に行ったある出来事のせいで取り調べを受ける羽目になったことをきっかけに、少年時代から20代前半までの人生を回想することを主軸に成り立つ物語です。

    家族との関係に苦しんだ原点とも言える「少年時代」、高校生時代の旅行で危険を冒した「ソビエト連邦」、大学進学を機にパリに暮らしながらも、地元リールにいる恋人との関係に四苦八苦した「エステル」から構成される三章立て(+「エピローグ」)となっていて、それが原題の「Trois souvenirs de ma jeunesse」のもととなっています。(「青春時代の3つの思い出」くらいの意味でしょうか。邦題はほとんど内容無視と言ってもよく、パリのイメージで集客したい魂胆がなんとなく透けてみてとれるのが残念。)

    この三章が有機的に繋がって多重的な意味を成しているかと言むわれると、その連続性は薄くブツ切れ状態でうまく機能しているとは言い難いと思うし、序盤で中年のポールが取り調べを受けたシーン等もものすごく思わせぶりな作りをしているので最後に伏線としてミステリー的に活きたりするのかと思ったら、それも全くなしで、「なんでこんな構成にしたの?」という疑問はかなり残ります。

    ただ、お互いの孤独や寂しさを埋めるために毎日のように恋人エステルと送りあった手紙のやり取りを表現するときの、ポールなりエステルなりの語り手の目線の動きなどは、まるで鑑賞者自身が語りかけられているような錯覚に陥いるような意味深な作りをしていたり、ポール自身の回想という一視点的なスタンスをとっているのかと思っていたら、登場人物たちそれぞれの立場を俯瞰して語る第三者的視点のナレーションが巧みに織り込まれて描写に深みを与えていたり、ポールの良き理解者だった大叔母さんや大学時代の恩師との交流など、随所に印象的で興味深いシーンが散りばめられています。

    このおかげで、全体としては多少ちぐはぐなのも、映画構成としてはともかく、人生はそういったピースの積み重ねだと思えば味があるとも言えそうです。

    それから、若い役者さんたちの演技自体は、等身大の人物を演じているという感じで、とても良かったのです。特に、鬱々とした孤独を抱える若き日のポール役の青年や、女には嫌われるけど男ウケは抜群で情緒不安定なエステル役の女の子はすごく印象的でした。

    映画をストーリー展開ではなく各シーンを断片的に楽しめる方や、若者らしい愚かさや身勝手さを、自身の若き日に重ねたりしてほろ苦くしみじみ観られるようなタイプの方にはいいかな、と思います。

    ちなみにこの作品は、同じ監督が撮った「そして僕は恋をする」(1996)という映画の続編というか、リンクしているようですので、それを観ている方には展開や繋がりがわかるのかもしれません。

  • おフランスーって感じ。昔の日本の小説のようでもある。読んだことあんまり無いけどさ。中年になって思い出す『あの頃』の冒険、恋...。思い出せるもんがあって羨ましい。しかし楽しかった。主人公と一緒にセイシュンやってたみたいで。

  • Bunkamuraで鑑賞(3.0点)

  • すげーよかったです。監督作品ではキングス&クイーンが一番好きだったけど入れ替わったかも。
    導入部ではなにやら中年男女の不倫の別れのシーンから始まり、中年男性が少年時代を回想しヒステリー状態の母親と言い争っている場面が入り、その後帰国途中でパスポートに問題があるとロシアで止められ、少年時代にパスポート(身分)を譲った過去のシーンが挟まり(ちょっとした冒険譚)と、場面があれこれ入れ替わってこれは難解な映画になるのかなと思いきや主人公19歳でのヒロイン登場からは二人の恋愛関係を軸にした青春の話が最後まで続きました。それがもう決してきれいな話でもドラマがあるわけでもないんだけどいいんですよねえ。ラストで現在(中年)の時間に戻ってからのエピローグ含めて感慨深いものがありました。僕はまだ中年と呼ばれるほどは生きておりませんが、恋愛の記憶ってこうやってずっと残っていくのではないかと思っています。そうでない人も描かれていたから、僕は主人公のおっさんに共感できたということかもしれません。主人公の青年期は全然相手を大事にしてないのもね、すごく「ああー」ってなった。
    導入部の断片のあれこれも混乱を誘っただけでなくてちゃんと活きていたのでよかったです。

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