キャロル [DVD]

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監督 : トッド・ヘインズ 
出演 : ケイト・ブランシェット  ルーニー・マーラ  カイル・チャンドラー 
  • KADOKAWA / 角川書店 (2016年8月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988111250100

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キャロル [DVD]の感想・レビュー・書評

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  • 年上の同性キャロルとの出逢いと経験を機に、「サナギが蝶になる」という言葉そのままに、不安や迷いで停滞しているあどけなさが残る姿から、自我を持つ成熟した女性へと変貌をとげていくテレーズを演じきったルーニー・マラの演技が見事です。
    完璧なようで脆く、蠱惑的に美しい大人の女性キャロルを演じたケイト・ブランシェットももちろん素晴らしかったです。

    広報等ではLGBTの面が強調されていましたが、各シーンを脳内で再生して、見方や考え方、映像が与える印象の受け取り方を少しずつ変えるだけで、全く違う意味を持つ、シンボリックな作りになっている点も見事です。

    例えば、ただストレートに、1950年代のLGBTへの社会的扱いを取り上げた物語とも、自分を従属物とみなしている男性や規範から離れることを選んだ女性たちの自我の目覚めと自立の物語ともとれます。
    けれど、ところどころ緩慢で印象的なカメラワークや被写体を明確に捉えないシーン、登場人物たちの振る舞いや視線、何気なく漏らされる、脈絡や辻褄の繋がらないいくつかの会話などから、明確に描かれていないそれぞれの心理を想像してつないでいくと、世間知らずの女の子が百戦錬磨の孤独な女王さまに意図的に絡めとられて道連れにされる、ある種の怖い物語だったようにも思えてきます。
    そしてまた、他のシーンをクローズアップすれば、もっと別な物語像になってきます。妄想膨らましすぎかもしれませんが…。
    彼女たちを待ち受ける未来が明るいのか暗いのか、想像のできないラストシーンのせいでしょうか…。

    でも、ここまで邪推しなくても、カラフルなはずなのに常に薄闇がかかったような陰影のある映像や、レトロで可愛いファッションや小物、音楽など、素直に十分楽しめる映画です。
    特に、マラが着ていたジャンバースカートやコートがすごく可愛くて、同じものが入るならすぐ買う!ってほど興奮しました。

  • 静かで、繊細な心の揺らぎをじっと追っているような美しい上品な映像が印象的な作品。
    キャロルとテレーズのどちらが最初に恋に落ちたのか?
    クリスマス前に賑わうニューヨークのデパートの一角で互いに目が合って引き寄せられているような気もするけれど、独特なキャロルの雰囲気に気圧されて戸惑うテレーズはもうすでに言葉を交わす前に恋に落ちていたのかもしれない。
    女性同士の恋愛映画はいくつかあるけど、そのほとんどはとても狂気に満ちていて破滅的なものばかりで、それらはとても映画的で圧倒されるけれど、共感性できないものが多いけれど、それまで同性愛の経験のないテレーズと、子持ちの主婦であるキャロルが互いに忖度しながらも、歩み寄ったり躊躇する様は理性的で、その上品だけどとても地味な2人の心のゆらぎをケイト ブランシェットとルーニー マーラという安定感のある女優に演じてもらうことでとても映画的な作品に仕上がっている。
    1950年代のニューヨークを表現する少し粗めな画像と、テレーズが纏う当時のガーリーファッションがとても素敵でまるで50年代に作られた作品を観ている気分にもなる心地よさがある。
    原作は未読ですが、同性愛者でもある作家パトリシア ハイスミスが"クレア モーガン"という偽名で1952年に発表した"THE PRICE OF SALT"という作品ということで、同性愛者をテーマにした作品を書くことさえも隠し通さねばならなかった当時の差別的な社会風潮が見え隠れしていて、その押さえ込まれてもどかしい想いがこの静かな作品にはぶつけられているようか気がした。
    しかし60年以上経った現代、こよ作品が美しい映画作品となり、世界中に広まることで2人の愛も認められたようで、映画のパワーの素晴らしさを改めて感じることもできた作品。

  • ルーニーマーラまた脱いだのか。やはり綺麗。ケイトブランシェットの気品ある感じたまらない。映像の中からも香ってくる。
    エロティックというよりも気高く上品。上質な作品を観たな。美しかった。

  • どこまでも静かに、美しい物語。

    時代背景を考えれば、
    多くの人にとっては同性愛の「不道徳」さは計り知れず、
    だからこそ互いを純粋に求める感情を、
    抑制しながら、奥底に抱えながら、
    解き放たれる瞬間を待ちわびるのだろう。



    いやー、髪型から衣装、
    小物や家具や車まで、
    何もかもがスタイリッシュでうっとりしてしまう。

  • 請求記号:16D107(館内視聴のみ)

  • 雫滴る車窓から女優たちの顔がアップで映される。あるいは周囲も光も照り返す埃でややくすんだ窓から何かを見つめる女の顔を映す。室内や車内でも、カメラは内側からでなく外側から窓を挟んで女優たちの顔をカットする。視線のその先ではなく、視線そのものを表現しているかのようなショットの連続がこの映画を観終えた後に脳裏に焼き付いて離れない。


    本作は女性同士の恋愛を描いたパトシリア・ハイスミスの原作小説を映画化した内容。
    だが、勝手な解釈をすると同性愛がどうのこうの恋愛がどうの、といったテーマはこの映画では二の次で(監督が意図したか分からないが)人の「視線」を詩情豊かに描いたものだと思う。生の起点はまなざしにある。視線の先からあらゆるものが生まれる。喜怒哀楽、恋も愛も、希望も絶望も。まなざしとまなざしが交差した瞬間に恋が始まる。相手がどこの誰であれ(たとえそれが同性であったとしても)そんなことはどうでもいい。それだけの話。


    映画の出来は申し分なし。丁寧で細かな演出は50年代の美しい調度品と相俟って見惚れる。冒頭。キャロルとテレーズのリッツでの食事から回想へと至り、ラストで冒頭シーンへと戻る構成の妙が効いていて、飽きさせない物語の運びがいい。
    スカーフやライターでキャロルとテレーズの生活環境の違いを表現したり、物で人物造形する心配りと細かさも抜群に巧い。喫煙にうるさい時代に煙草を吸うシーンもしっかり描いている。女優たちが綺麗にかっこよく煙草を呑んでくれる様がまたいい。紫煙さえ艶かしい。
    テレーズの恋人リチャードとの喧嘩が部屋の壁を挟んで繰り広げられるのは、男女の間に立ち塞がる壁ができたことを暗示しているよう。
    あと、暗示でいうとキャロルとテレーズの車旅に使った灰色の自動車。旅路の結末を匂わせるような配色の演出が細かくて心憎い。
    特に注目したのがキャロルとテレーズの電話シーン。ここ好きです。2人の女優のアップのショット。画面比でキャロルとテレーズの距離感、関係性の変化から心情描写まで実に見事に表現している。トッド・ヘインズの演出は細部まで行き届いている。

    主演のケイト・ブランシェットの演技は安心して観ていられるけど、なんといって本作で光ってるのがルーニーマーラでしょう。前髪が可愛くて見惚れます。これが「ドラゴンタトゥーの女」と同じ女優だとは信じられん。

    官能美を全面に押し出すわけでなく観終えた後に静かな余韻を残す詩情に溢れた良い映画だった。

  •  50年代に若い女性と年上の貴婦人との愛を描く。

     ストーリーや見せ方はややゆったりか。主演の二人がただただ美しく、圧倒される。
     「治療が進んでる」みたいなとこに特に説明がなかったが、当時は同性愛は治療の対象だったのであった。
     
     この二人だからこそできた映画。

  • 「でも変わったの、変わるものなのよ、誰のせいでもない」
    このアビーの台詞に尽きるかな。
    それがいいか悪いかとか関係なく、心の奥底にあるものが出たのがこのラストなのかもしれない。

  • 美しいふたりの美しい物語だった。
    美しい人妻を演じたケイト・ブランシェットはもう魅惑的でかつ少女っぽさもあり惚れ惚れします。
    ルーニー・マラはあか抜けない感じだったのがとても美しくなっていきます。
    ふたりの行く末がどうであれ幸せであることを願うけれど、なんかモヤモヤした終わりではありました。でも雰囲気とかはとてもいい。
    いろんな見方があるかも。美しいものはそれを持つ人間と憧れる人間を落とすこともあると思う。

  • ケイトってこんな顔だったっけと思ったら、ウィンスレットと間違えてた(;'∀') それにしてもケイト美しい。切ないけど、こんな風に自由に気丈に生きたいなと思った。 映画の作り方(始まりと終わり)も良かった。

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