- Amazon.co.jp ・電子書籍 (241ページ)
感想・レビュー・書評
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「神去なあなあ日常」の続編。
都会から山奥の村に放りこまれ、林業の修行を始めてから1年がたった。自分のことだけで必死だった勇気が、次第に周りの人々と絆を深めていく成長物語。
特別なイベントも事件もないけれど、日常の中のちょっとした出来事から、「周りにいるフツーの人々」にも、深い悲しみや物語があることに気づかされる。それから、「信頼」と「愛」の意味についても。
作品のおわりで、勇気は「自分が死んだあとも、その人が幸せに暮らせますようにと願うこと。(略)そういうのがきっと、愛なんだと思う」と語り始める。私はこのくだりが大好きだ。百年後を見据えて、山に木を植え続ける村の人たちのように、私も「今ここでできる」何かを大切にしたいと気づかせてくれた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前作のような、林業を中心にした話ではなく、田舎の暮らしに焦点を当てた続編。
前作から感じていたけど、大峰山が出てきたり、自分もやった(やらされた)岩から吊るされる修行が出てきたりと、前作より親近感が湧いた。
なあなあという名の通り、特に進展も何もない話ばかりでのんびりしていたけど、年始休みに息子を見ながら読む分には良い気分転換になった。 -
自分達の孫の世代のために木を植える、この辺りでも林業をされている人たちから聞いたことがある。
そういうスパンで考え、暮らしている人たちがいる。
ほんとうはどんなことでも同じだと思う。
そう考えたら自然を破壊したり、環境を汚染したり、ましてや、戦争なんかできないんじゃないかと思う。
シリアスな話じゃないけれど、勇気という主人公や個性的な登場人物の暮らしぶりから、そんなことも考えられる物語。 -
森林業を営む神去村の物語。
恋話がほとんどだったわけだけど、これはこれで読みやすくて楽しかった。
寝る前のこの1ヶ月のちょっとした楽しみでした! -
2021.1.3
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高校を卒業するにもかかわらず、進路を決めていなかった男子。
親と教師に強引に、山奥で「林業」の仕事に就職させられてしまう。
そんな若者が林業従事者として奮闘する姿を描いた小説、『神去なあなあ日常』。
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4198936048
ユニークな設定とユーモアあふれる筆致が話題となり、映画化もされました。
その続編が文庫化されていると知って、電子書籍版を探して読んでみることにしました。
20歳になった主人公、勇気が、「誰にも知られずこっそりと」村での生活を記録している、という設定で書かれています。
前作のように大きなイベントが起こるというわけではありません。
村で暮らす日々に起こったことや、居候先のお婆さんに聞いた、村に伝わる神話などを書き連ねていく、という形で進んでいきます。
今回も、軽快に読み進めることができました。
そして林業という、なかなか想像がつかない職業の日常を、垣間見るような感覚を味わえました。
数十年百年単位で、樹木を育てていく、林業という仕事。
時間が流れるというのはどういうことなのか、神話や物語、さらには八百万の神様といった存在はどのような意味を持つのか、考えさせてもらいました。
続編があるような終わり方だったので、その発表を楽しみに待ちたいと思います。
『光』三浦しをん
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4087451216
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強引に神去村で林業をやらされることになった平野勇気の
バタバタ劇を描いた『神去なあなあ日常』の続編。
とは言え、今回は林業要素は少なめ。
神去村に伝わる昔話についてだったり、主要人物を少し
掘り下げてみたものだったり、勇気の恋を描いたもの
だったりと、お仕事モノから群像劇に変わった印象。
そのためか、前作よりもなんだか軽い印象だったな。
読みやすいし面白いんだけど、読み終えてもあっさりで、
あ、もう終わってしまったという感じ。
今度は勇気の林業における成長を重点的に描いた続編を、
という期待をしてしまう。
今作はそのための橋渡しの一冊ということなら、十分に
その役割を果たすんだけど。 -
今日も明日も明後日も、
ん十年後や百年後を見据え、
木を植え木を伐り手を入れるのだ。
山の神様もやさしく見守っていてくださる。