日本会議の研究 (SPA!BOOKS新書) [Kindle]

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著者 : 菅野完
  • 扶桑社 (2016年4月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (289ページ)

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日本会議の研究 (SPA!BOOKS新書)の感想・レビュー・書評

  •  最近ジワジワと語られるようになった「日本会議」がどのような由来を持つ団体で、どんな活動をしていて、どんな人達が中心になっているかを丹念に調査してまとめた一冊。「政府を裏で操る秘密結社」とか「多くの保守派政治家が所属する緩やかな思想団体」のようなイメージだった日本会議だが、実体は優れた組織力を持つ現実的な団体のようだ。

     本書によれば、日本会議のルーツを辿れば70年安保時代、左翼学生運動に反対する保守派(民族派)学生の運動が源泉となっている。アンチ左翼として始まった彼らの活動は、左翼学生の活動が見る影もなくなった後も連綿として続き、いまや政府を動かすほどの実力を持つに至ったのだという。

     この本の記述がどこまで事実なのか検証する術もないが、読み物としては率直に言って面白かった。よくできたドキュメンタリーのようだ。NHKスペシャル的なテレビ番組にしても十分成り立つだろう。もちろんNHKがそんな番組を作ることはないだろうが。

     著者は保守派を自称しているが、その記述の端々に日本会議に対する否定的な表現が見られ、少なくともリベラルな思想を拒否するタイプではないだろう。日本会議がめざす形での憲法改正が実現することは全く支持していないようだ。そのあたりは多少差し引いて読む必要があるかもしれない。
     
     私自身はどちらかと言えば左翼側の思想を持っている。私が学生の頃には左翼学生運動もすっかり下火になっていたが、仮にもっと激しい時代に学生だったらきっと活動にのめり込んでいただろう。少なくとも日本会議を作った人達のような民族派になることはなかったと思う。そういう意味で、こちら側の活動は完全に向こう側に負けたのだと認めざるをえない。

     彼らの活動は過去のものではなく、今まさに成果を上げつつある。その先に何があるかはこれから見えてくるだろう。しっかりと見ていきたい。

  • 右翼も左翼も行き過ぎれば宗教と何ら変わりのないものになり、右翼の場合は天皇と日本国を信仰しているという事になるのだろう。そして理屈を通さず感情と感覚で結び付いた集団ができあがる。
    信者が脱退·改宗するのは一大事業だが、せめてとりあえずの「無宗教者」である私たちは、感情や感覚で流されることの無いよう常に冷静に脳みそを働かせておきたい。言うは易し…ではあるけれども。

    全体にやや煽るような調子で書かれており、決めつけが過ぎるように感じる部分もあった。いくらか割り引いて読む方が良いのかもしれない。

    検閲の跡を思わせる●に苦笑。仮処分へのイヤミかな?

  • 著者一人で1年近く地道に図書館に通って資料を整理し、インタビューをしてまとめた取材力にただただ脱帽です。

  • 政権に影から影響を与えていると著者がいう「日本会議」について書かれています。それがどのように現政権にまで大きな影響を与えており、それがどれだけ組織立っているか。様々な資料をもとに解説されています。影響力の大きさとその目的、組織の実態など詳細に渡っていて、その大きさに驚きながら読ませていただきました。ただそれが悪いことなのか、どのように対処したら良いのかが、見えにくいものを感じました。このような組織があるということを知った上で、付き合っていくということなのでしょうか。

  • 学生運動が下火になって
    いわゆる左翼やリベラルの政治活動が
    ほとんどなくなった一方で
    日本会議の中心的人物やその意を受けた者が
    地道に政治活動してきた結果が
    現在の政権に強い影響力を及ぼすまでの
    力をつけたのだと感じました。
    これを読んで感じたのは、憲法第12条の前段
    「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、
    国民の不断の努力によつて、
    これを保持しなければならない。」
    を改めて肝に銘じなければならない、
    そうでないと、当時世界で最も民主的だった
    ヴァイマル憲法の下で
    ヒトラーが登場したドイツのように
    民主主義によって民主主義や
    自由及び権利が滅ぼされると感じました。

  •  今,自民党を支えているというか,自民党を操っている「日本会議」って,いったいどういう出自を持っているのか,前々から気になっていたので,1冊だけ読んでみました。
     要するに,今の「戦争できる国=普通の国=大日本帝国よ再び」運動をしている「日本会議」の中心的な人物は,もともとみんな「生長の家」出身者なのでした。もともと生長の家は宗教団体だったはずですが,政治的な力を発揮しようとする人たちが現れてから,なにやら内部分裂のようなこともあったらしいです。
     ただ,ここに来て,こういう稚拙な考えをもっている人たちが集まって,戦争のできる国づくりに邁進しているというわけです。
     著者によると「生長の家」本体は,1983年に政治運動から撤退しているというのですから,どっちが主流か分かんないですがね。
     安倍政権を支える椛島有三氏(日本会議の事務総長)も,安倍の筆頭ブレーン伊藤哲夫氏も,総理大臣補佐官である衛藤晟一氏も,「生長の家」出身だそうです。
     この「生長の家」くずれの人たちは,地道に署名運動や地域議会へのはたらきかけを行いながら,着実に成果を上げてきました(国旗国歌法の制定など)。以前なら,左翼団体が行ってきた民主主義を土台とした草の根市民運動を,そのまま保守の立場から着実に行ってきた成果が,今の保守の流れをつくっているのだということは,皮肉です。なぜ皮肉か…それは,この運動が,民主主義を壊す方向へとつながっているからです。
     本書は「生長の家」の昔の文献にあたったり,側近だった人にインタービューをしたりと,なかなか内容の濃いレポートとなっています。謎解きをしている気分にもなります。

  • 日本会議の淵源が「20世紀少年」みたいな話で面白い。

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