生きるのが面倒くさい人 回避性パーソナリティ障害 (朝日新書) [Kindle]

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  • 朝日新聞出版
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感想・レビュー・書評

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  • 「生きるのが面倒くさい人」読み終わった。それなりに学びはあって、まあまあよい本だった。ただ僕が日ごろ持て余している体力の欠落は回避性パーソナリティの特徴ではないので、僕が自分をそのまま重ねられるような類例にはついに出会えなかった。しょうがないこととは思うもののちょっと残念。

    思いだけを杖に、一歩踏み出せば解決に向かう、って結論に致命的に抵触するのが純体質的な問題なんだよな。先月も無理してオンライン飲み会参加してズタボロになり翌週いっぱいは鳴かず飛ばずという経験をしたばかりだ。ことはそう単純じゃない。

    意志力とか、倒れても倒れてもまた立ち上がるとかって美談がわりと好きなので、ついつい実践してしまう。何度も何度も。うまくいったことなんかないくせに。そのたびに傷を増やし続けてきたくせに。

  • 安全基地

  • 回避するようになるのは遺伝より育ち方の影響だという主張だが、ほぼ母親の接し方についてしか書かれていない。子どもの期待に応えるようなコミュニケーションが必要という話なら、父母の責任は同様のはず。このような本が母性神話を補強して、女性たちが妊娠・出産を”回避”するようになりそう。

  • 面倒くささや無気力な状態から抜けだし、自由に生きる方法を解説した本。

    回避性パーソナリティ障害とは、傷つくことや失敗を極度に怖れてしまい、仕事や私生活に支障をきたす障害のこと。

    本書は実例を通して、回避性パーソナリティ障害について理解を深めるものになっています。

  • 生きるのが面倒くさいというよりも、他人との関わりありを避けたいというのが回避性パーソナリティーの根本的な部分であり、それが「生きるのも面倒くさい」につながっている。この障害(傾向)は大なり小なり多くの人が抱えているのではないかと感じた。この障害は文化人(星新一、井上靖、西行法師)も抱えており、本来の家業や仕事(西行の場合は家族と武家の身分)から回避した結果、文化人として成功しているのが、興味深い。仏教の出家もある意味、回避行動ととれる。
    ●回避障害には、①人と関わり合いを持ちたいが傷つくことを恐れる不安型と②人と関わることに興味が無い(関係性を持たない)ジゾイド型に分けられる。どちらも遺伝的要因と養育環境(親から十分な愛情を受けられないこと、肯定されなかったこと)が要因になっているとのこと。
    ●回避障害の人が適した職は、基本的にはルーチンワークで、大きな刺激や争いごと、プレッシャーのかかる仕事はあまり向いていない。専門資格職など
    ●回避障害の人は「安全基地」となる人、場所を見つけることが重要。

  • 私の人生で最もコレジャナイ感を感じさせた本。
    たとえこの題名が編集者に勝手に改変させられていたとかで、著者の本意でなかったとしてもコレジャナイ感しかない。

    聖書にも確かに「種を植えるのに時があり、収穫するのに時がある」と書いてある。「全てのことには定められた時がある」「人間には神の御業のすべてを見ることはできない」と書いてある。私もそんなことを言うソロモン王には一目置いている。
    だが、ソロモン王のこれが、宇宙的普遍性を人間の生活にまで落とし込むことによって苦悩を忘却するという戦略の書物であり、であるからして(たとえ後世の人類の手によってでも)それなりに詩的でロマンチックな世界観に仕立て上げられていることに比して、この本とくれば『回避性パーソナリティ障害』の歴史や診断方法について、診断士を目指す人ための資料か?と思ってしまうような説明を延々した挙句、例えば親が死んで自宅警備員解雇になった時にハロワに行った人がいた。あなたにもそんな潮目が来るかも知れないでしょう、などということが様々なハッピーリタイヤピープルの事例と共に書いてある。

    なんだその結論。前振りがパーソナリティ障害の教科書で結論が聖書と同じってなんだそりゃ。

    しかもタチの悪いことにこのゴキゲンな先生はまるで悪気がない。先生がパーソナリティ障害っていうのは紛うことなき真実だろうよ。それがある時、神の計画によって精神科医になれたっていうのも紛うことなき真実だろうよ。だから君も大丈夫!って心から言ってるんだろうよ。そうだろうよ。
    ソロモン王も知ってる。私も知ってる。聖書読んだ人もみんな知ってる。そうだろうよ。

  • 「求めないことを、満たされていると勘違いすることだけは、止めてもらいたいものである。」

    回避性パーソナリテイについての本。誰にでも該当しそうな症状である。医学界は病気を作りたがると聞くが、まさにその例ではないだろうか。

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著者プロフィール

岡田尊司(おかだ・たかし)
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒業。同大学院医学研究科修了。医学博士。京都医療少年院勤務などを経て、2013年より岡田クリニック(大阪府枚方市)院長。日本心理教育センター顧問。パーソナリティ障害、発達障害、愛着障害を専門とし、治療とケアの最前線で現代人の心の問題に向き合う。著書『悲しみの子どもたち』(集英社新書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(いずれも光文社新書)、『愛着アプローチ』(角川選書)、『母という病』(ポプラ新書)、『母親を失うということ』(光文社)など多数。

「2022年 『病める母親とその子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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