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感想・レビュー・書評
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ショートショート集。筒井康隆さんらしい独特の感覚で笑わせたりゾクっとさせたりと楽しませてくれる。作品数は多いが、あっという間に読めてしまう。読んでいる間は楽しく過ごせるし、ずっと読んでいたい気になる。どの作品が良いというのは特にないが、全体としてドタバタしているようでまとまってる感があり、全作品で楽しさを提供しているようだった。
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素晴らしい!最高!ツボだった。シンプルでSFの基礎的な色が強い。「超能力」「帰郷」「星は生きている」シンプルなSFのショートショートから始まる導入が良い。「怪物たちの夜」は小説だからこそ短編だからこそな話でイメージしやすく短い中で存分に楽しめる。「逃げろ」のタイムパラドックスを考えさせるコメディが秀逸だし「事業」の展開とオチも見事。「悪魔の契約」「最終兵器の漂流」「亭主調理法」「人形のいる町」「地下鉄の笑い」が最高にツボで涙が出た(笑いと感動と)大好き!
「わかれ」「吾輩の執念」「幸福ですか?」「踊る星」「スペードの女王」のオチでハッとする短編も素晴らしい。そこからショートショートのホラーが連続して、数ページながらもゾクッとする怖さと文章の上手さでポンポンと楽しめる。 そして処女作「お助け」が処女作とは思えぬ完成度でぶったまげた。めちゃくちゃ面白い。時間変異SFが好きなので「急流」と並んでお気に入りに。
「疑似人間」も行くとこまで行ききるというか、もしもこんなことが起きたらと想像したとして、普通想像する先の先の先まで書いちゃうところが好き。 「ベルトウェーの女」SFではベタな話だけど近未来SFで大好き。筒井康隆作品では珍しい気がする(まだあまり出会ってない)このベルトハイウェイいいよね。「都市と星」だったかでも出てた気がする。車が不要になる世界。いい。 全てが機械化され、仕事と言って職場へ行っても特にやることはないが社会に所属している意識で孤独を紛らわせるために云々ってとこがディストピアぽさがあって好き。
「遊民の街」これ「時をかける少女」の中で語られていた未来の世界の話じゃないか!しかもちょうど過渡期の。あの部分好きだったから嬉しい。おもしろー!「にぎやかな未来」の無料で衣食住が事足りる近未来の世界で、そのためコマーシャルに悩まされるっつー設定は星新一に似たのがあったけどオチが違うところが面白い。 -
星新一風ショートショート。
星新一リスペクトなのは作風と内容からわかるのだが、正直、その星新一よりも面白さが劣るように感じた。
まあ、面白いには面白い。 -
再読。中学生以来の再読。
割としょーもないけど無茶苦茶印象に残っていた「腸はどこへいった」をもう一度読めたのが良かった。実は最初に読んで以来◯十年間、トイレで大きいほうをする度にこの話を思い出して、ちゃんと出たか確かめている。多分死ぬまで思い出して確認すると思う。 -
「超能力」「帰郷」「星は生きている」「怪物たちの夜」「逃げろ」「事業」「悪魔の契約」「わかれ」「最終兵器の漂流」「腸はどこへいった」「亭主調理法」「我輩の執念」「幸福ですか?」「人形のいる街」「007入社す」「踊る星」「地下鉄の笑い」「ながい話」「スペードの女王」「欲望」「パチンコ必勝原理」「マリコちゃん」「ユリコちゃん」「サチコちゃん」「ユミコちゃん」「きつね たぬき」「コドモのカミサマ」「ウイスキーの神様」「神様と仏さま」「池猫」「飛び猫」「お助け」「疑似人間」「ベルト・ウェーの女」「火星にきた男」「差別」「到着」「遊民の街」「無人警察」「にぎやかな未来」の40篇収録。玉石混淆の感はあるが、作品自体に全く古さを感じさせない。
お気に入りは、ノーベル賞科学者がパチンコで千円擦る話「パチンコ必勝原理」、宇宙パイロットの時間の進みが周りからずれてしまう「お助け」、遺伝子上の母親に一目惚れしてしまう「ベルト添加物ウェーの女」、道前解雇された近未来の男の話「遊民の街」、訳もなくロボット巡査に連行されてしまう「無人警察」、広告に支配される「にぎやかな未来」などかな。
星新一が、「狂気へのあこがれと、まじめな努力、この二つの要素が複合し、筒井康隆の宇宙が成立している。悲劇的なる喜劇。軽い笑いでなく、深刻なるドタバタがそこにある。だからこそ、たぐいまれなる空間なのだ。」と解説しているのも嬉しい。 -
大好きなブラックユーモア
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ずっと一度は読んでみたかった筒井康隆作品。
41篇のショートショート。
短編集は読んだことあるが、ショートショートは初体験。
電車の一駅二駅でも何篇か読めるので、時間つぶしにはちょうど良いかも。
面白くない訳ではないが、ひとつひとつが短いので、気持ちが入る前に終わるので、没頭することなく読み終わるまで長く感じた。
最後に収録の『にぎやかな未来』で、結末に「おっ」と思わされ、気持ち良く本を閉じれました。