リップヴァンウィンクルの花嫁 [DVD]

監督 : 岩井俊二 
出演 : 黒木華  綾野剛  Cocco 
  • ポニーキャニオン
3.63
  • (40)
  • (78)
  • (62)
  • (21)
  • (4)
本棚登録 : 504
感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013054592

感想・レビュー・書評

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  • なかなかどうして岩井俊二監督は相変わらず感想が難しい(分かりやすくなく、ある意味でシンプルとも言える)作品を撮るなぁ〜と、改めて実感。
    小説も読めはまた、イメージが変わるかも。それでも、直感的に感じたことを言語化するのが難しい。

    常に受け身で、主体性が感じられず、周りから見ればイライラ・ヒヤヒヤし、それまで波風立てずに流させれて生きてきた一人の女性が、なんでも屋のような「謎の男」と、女優を名乗る「ある女性」との出会いと別れを通じて自立するお話。

    って書けばそれっぽいけど、それだけじゃない映像美(演出)が確かにありました。

  • 東京で派遣教員をする七海(黒木華)は、お見合いサイトで出会った男性と結婚を決める。結婚式に出席してもらう親戚がいなかったことから、SNSの知り合いに紹介された代理出席のバイトを雇うことになり、斡旋屋の安室(綾野剛)と出会う。
    人に流されやすい七海は、あやしい安室を疑いもせず(多少あやしか思っても流され)、安室は七海を自分の良いように利用していく。
    ポイントは、安室が七海を特別騙そうとか恨んでいるとか、そういった理由もないことだろうか。ただ、利用できる人間がいたから、それだけ。逆に言えば七海はそれだけの人間でしかなかった。
    しかし、安室に振り回されながら、夫との離婚や代理出席のバイト、真白との出会いを通して七海はしだいに逞しくなっていく。
    最後まで安室は何も変わらないが、ラストシーンの七海は明るい表情をしている。
    幸の薄い主人公を黒木華ちゃんが本当に上手く演じている。『凪のお暇』の凪ちゃんに近い。

  • 映像の美しさや漂う雰囲気は素敵だと思う。
    登場人物は自分は共感できる人がひとりもいなかったので
    物語にはどうしても入り込めなかった。

    久しぶりに偶然にあってお茶でも、までは理解できるが
    それまで連絡を取り合っていなかった程度の仲なのに
    家に呼んで手料理を食べさせ
    更に食事中にAVを見せてくる知人。
    それに対してはっきり拒否もできない七海は
    生徒の言いなりで何一つ言い返さないし
    見知らぬ男を家に入れてしまうし、ホテルにも行くし
    折角トイレという鍵のかかる場所に籠城できたなら
    そのまま警察なりホテルなりに電話をすればいいのに
    安室にチャットツールで連絡をする。
    更にトイレから出て風呂へ入るし、時間稼ぎなら
    他にもある上実際服を脱いでシャワーを浴びる必要もない。
    そもそも安室を何故そこまで信用するのかも謎。
    危機管理能力が無さ過ぎる。

    七海や他の脇役たちがあまりに常軌を逸した言動をするので
    食えない男である筈の安室が際立たない。

    それまでも時間講師で働いていた七海が
    いきなり家を追い出されて細々とでも
    切り崩せる貯金があることも少々不思議だった。
    ネット家庭教師の仕事を増やすとか
    ネットカフェに行くのではなくてホテルでそのまま
    泊まりながら働くというのも謎過ぎる。
    住所不定でも雇ってくれるホテルなら、
    他にやりようがあったのではなかろうかと思ってしまう。

    真白のキャラは魅力的で良かったが
    あまりに破天荒なのにあの七海がなぜ懐いているのか
    イマイチぴんとこなかった。

    悩みを抱えた女性が出口を見いだせず
    一緒に死んでくれる友達が欲しくて
    というあたりはよしもとばななさんのN・Pを思い出した。
    迷惑なキャラなのに魅力があり
    迷いを抱えていて友達と楽しい日々を演じる、
    その切ない感じは個人的にはN・Pの方が好きだし
    設定の酷さの割にあちらの方がちゃんと救いがある。

    ただ本作でも一応七海が前向きになれているようで
    七海だけには救いがあることはある。

  • 2019年10月19日観終わった。アマゾンプライムで。

    なんだか不気味な話。

  • 七海の流されっぷりがどうにも観ていられなかった。安室さんに助けを求めてしまうところだとか、心の拠り所にしていたところの人だから信用してしまったのかな。信用というか、依存しているように見えたけれど。「私の幸せには上限がある」「だからせめて、お金を使うのが楽。」ましろの言葉が心に残る。まるで空想世界の中みたいにベッドに寝転がるふたりの花嫁姿は本当に作りものみたいで美しかったな。全部嘘の、虚構の世界の中で、それでも手に入れたものは尊かっただろう、と思いたい。

  • どうしようもなく意思表示できない主人公にいらいらした。
    3時間はとっても長い。

    2016日本
    2019.3.24BSフジ

  • 原作は既読。
    なんで岩井俊二の映画ってこんなに無駄に長いんだろ。
    (花とアリスの時も感じた)
    SNSで出会った男性とネットで買い物するように結婚したのがそもそもこの皆川さん(黒木華)のつまづき。
    まっ、旦那は最低の男だから離婚して正解だったけど。
    アムロさんも唯一、味方だだと思ってた。だっていつも困っている時、落ち着いた声で”どうしました?”って手を差しのべてくれるんだもの。
    この役、綾野剛にほんと合ってたわ。
    でも、いくら依頼されたからって離婚までさせて、ましろの死の道連れにさせようとしていたんだから、とんでもない男だよね。

    Coccoが出てきてからが冗長だった。AV女優で癌で、はちゃめちゃな性格。
    ”G線上のアリア”の旋律がすてきで映像もきれいだったから
    最後まで観れたけど。

    リップヴァンクルの花 2016年 180分 Amazonプライム
    監督 : 岩井俊二
    出演 : 黒木華 綾野剛 Cocco 原日出子、りりぃ

  • おもしろかったー!!!綾野剛なにしたかったんというのとカメオの紀里谷和明わろうた
    あとちょっとタイムリーなネタがあってざわ…ざわ…となった笑
    紀子の食卓を思い出したのでした 疑似家族感

  • 主人公黒木華の行動にイライラ。内気、ナイーブではすまされないものがある。仕事を辞めたるのに婚約者に言わない。結婚式にレンタルの親族を入れる。結婚後も親族は関係してくるので夫に相談しないかぎり無理。夫浮気詐欺は、そんなことで見ず知らずの人を家に入れるのがおかしい。ホテルに行くのがおかしい。何も感じないのだろうか。

    それを理由に離婚されて、雨の中荷物をもってウロウロされても自業自得としか思えない。場所がわからないって、スマホの地図ぐらい見ろよ。「ボーっと生きてんじゃねえよ!」。そのあたりで3時間の映画が長く感じられた。

    Coccoが登場してのフワフワした感じは現実離れして、それが製作意図なんだろうが、快作としかいいようのない内容になってきた。

    唯一現実的な綾野剛がいい。この人のスピンオフドラマがあったら見てみたい。

    「キネ旬2016 6位」「映画芸術2016ベスト5」

  • 岩井俊二作品を初めて見た。視聴者に伝えたいことが前面にでていない分、少し物足りなさを感じた。曖昧な部分も多いけれど、映像やセリフ、雰囲気は好きだった。後半にかけての夢の中のようなお伽話のような感じが良かった。真白の「この世界はさ本当は幸せだらけなんだよ」で号泣。4月に放送予定の完全版が気になる。

著者プロフィール

映像作家。1963年1月24日仙台市生まれ。横浜国立大学卒業。主な作品に映画『Love Letter』『スワロウテイル』『四月物語』『リリイ・シュシュのすべて』『花とアリス』『ヴァンパイア』『花とアリス殺人事件』『リップヴァンウィンクルの花嫁』など。ドキュメンタリーに『市川崑物語』『少年たちは花火を横から見たかった』など。「花は咲く」の作詞も手がける。

「2017年 『少年たちは花火を横から見たかった 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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