小説の神様 (講談社タイガ) [Kindle]

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  • 講談社
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感想・レビュー・書評

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  • 悪循環の出版界、そういうイメージだが、頑張る人には報われてほしい。誰もが足掻き苦しみながら生きていると自分に言い聞かせて踏ん張ってほしい。自分も、優しい結末の物語を今後も読んでいきたい。

  • 中学生で新人賞を受賞し、先行作家さんからも絶賛された、
    今は高校生の千谷くんが主人公。

    幸先の良い作家人生の出発だったものの、その後に出した著作は酷評ばかり。
    当然売れもせず、長期のスランプ状態。
    物語を綴る意味も目的も失ってしまった彼の元に、ある作家との共作の話が。

    その作家とは同い年の人気作家、小余綾詩凪。
    どんどん本が書けて、しかもそれが売れて、なおかつ外見も良く学業の成績も
    良いという、非の打ち所の無い彼女。

    冴えない男子と完璧な女子。
    これは相沢さんのよくあるパターンで、あぁ、またこれかと。
    うん、そう思ったんだけど、この本に関しては本当にこの設定でよかったな。
    これまでで一番しっくりきた。

    小説とは何か。小説を書くとはどういうことか。なんのために書くのか。
    ひとはなぜ「泣ける」本を読みたがるのか。
    そのあたりを軸にしつつ、書く側の苦悩・葛藤・苦しみを存分に描いている。

    物語の大半の間、主人公はとてもネガティブで、他人にあたってしまったり
    傷つけてしまったりする。
    正直読んでいて辛くなることもあるし、こんな主人公には共感できないって
    思う人もいるだろう。
    でも、現実に身近に居るような人物なんだよな。
    例えば自分とか。他人が知らない本当の自分とか。

    読者も苦しい部分を一緒に味わって、しっかりと結末に向かっていくといい。
    そうするだけの価値のある一冊だと感じた。

  • 綺麗な物語でした。
    息苦しい現実を生きながらも、美しく繊細な言葉を願いと共に紡ぐことで、人の心に響く小説を作り上げていく2人が格好良かった。
    疾走感や爽快感ではなく、深く浸透する小説でした。
    面白かったです。

著者プロフィール

1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。『小説の神様』(講談社タイガ)は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写映画化された。本作で第20回本格ミステリ大賞受賞、「このミステリーがすごい!」2020年版国内編第1位、「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング第1位、「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリー、2019年「SRの会ミステリーベスト10」第1位、の5冠を獲得。さらに2020年本屋大賞ノミネート、第41回吉川英治文学新人賞候補となった。本作の続編となる『invert 城塚翡翠倒叙集』(講談社)も発売中。

「2022年 『medium 霊媒探偵城塚翡翠(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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