恋人たち [DVD]

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監督 : 橋口亮輔 
出演 : 篠原篤  成嶋瞳子  池田良  安藤珠恵  黒田大輔 
  • 松竹 (2016年9月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988105071742

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恋人たち [DVD]の感想・レビュー・書評

  • 2015年 日本 140分
    監督:橋口亮輔
    出演:篠原篤/成嶋瞳子/池田良/光石研/安藤玉恵/木野花/リリー・フランキー
    http://koibitotachi.com/

    通り魔に妻を殺されて以来ぼろぼろになった男、ろくでもない男と不倫してしまう平凡な主婦、学生時代の親友を想い続けるゲイの弁護士、それぞれの日常と苦悩を描く群像劇。橋口亮輔ならではの、マイノリティや弱者、特別ではない平凡な人々の何気ない救いや痛みを丹念に拾いあげる作風、大声で背中を叩いて「がんばれよ!!!」っていう押しつけがましいポジティブさではなく、小声でそっと「もうちょっとだけがんばってみよ」と囁きかけてくるような映画でした。

    主役の3人はほぼ素人俳優ということもあり(とはいえかなり芸達者だと思う)観客にとって先入観なく白紙の状態で見れるのが余計にリアリティがあって良かったです。芸達者な脇役の、安藤玉恵や光石研などの芝居のほうが、上手すぎて逆にわかりやすい虚構に見えてしまったくらい。とはいえ安藤玉恵のキャラクターは傑作で、ある意味癒しでした。主人公たちとは違う意味で彼女の役もまた底辺を生きる人なのだろうけど、突飛すぎて生々しさはなく、ゆえに安心してフィクション=息抜きパートとして笑えました。あ、あと離婚訴訟で弁護士に相談にくるフランスかぶれの女子アナもかなり面白かったです。

    主人公たちが、ただ可哀想なだけじゃなく、結構イヤな面も持っているのがリアルだったなあ。通り魔に妻を殺されたアツシ、彼が失われた妻を想う気持ちは本当に一途で、その喪失感、切なさは痛いほどわかるのだけど、反面、役所で保険の手続きの際に職員に邪険にされ開き直るシーンなどは、正直、アツシのほうにちょっとイラっとしてしまう。

    ゲイの弁護士も、ノンケの親友を一途に密かに想いつづけているあたりなどはとても健気なのだけれど、反面エリートゆえか高飛車で年下の恋人に対する言動はもはやモラハラ。誰かに背中を押されて階段から落ち骨折するのも、アツシへの対応などみる限り、いろんな人の恨みを買うような言動を日頃からしているのだろうなと匂わされているし。

    不倫する主婦の日常は同性ゆえ余計に生々しい。サランラップを使いまわすケチな姑、ハゲちらかしてる旦那とのマンネリ化した夫婦の営み、でも誘われるとちょっとハニかむリアクション、年齢のわりに短いスカートを好む彼女はたぶん自分の体でいちばん脚に自信があるのだろうなとか、男の前で年にも似合わず大はしゃぎするところとか、細部の設定や演技が本当に上手かった。

    そういう、登場人物たちをただ虐げられた気の毒で不幸な人々として描かず、欠点だらけの、でも愛すべき人間、として描けるのが橋口監督のすごさだと思う。アツシの職場の人たちが良い人で、アメちゃんくれた事務の女の子の「お母さんが一緒にテレビ見ようって」っていうエピソードも好きだし、やさぐれてるアツシを柔らかい言葉で励ます上司の人の言葉が何より沁みました。あのおじさんの言葉が、この映画が伝えようとしていることのすべてだと思う。

    (2016/3/31)

  • それぞれの苦悩は、淡々とした日常の片隅にあり、それが不気味に通り過ぎていく。

    それぞれの激情が、ただただ世に飲み込まれて消化されていくようで、でも、それはそれぞれの昇華だったのだろうか。

  • 「ぐるりのこと」以来、7年ぶりの新作「恋人たち」。

    アツシは殺された妻の位牌に向かって一人語り。
    瞳子はシャブでキマッっている藤田に向かって一人語り。
    四ノ宮は、既に切れてしまった電話の相手に対して一人語り。

    3人はそれぞれの「恋人」に語りかけるわけだけど
    誰も話を聞ける状態ではない、もしくは聞いていない状況にある。
    これが切なくて居たたまれない。

    妊娠中の奥さんが周りに当たり散らす場面で、
    業者に「日本語分かります?」と皮肉で問い詰める。
    これこそ相互理解の難しさを象徴する言葉かもしれないなと思った。

    事態は何も解決していないんだけど、
    「恋人」が聞いていなくても、
    その思いの丈を正直に吐くことで一歩踏み出すことにつながる。
    そこに一筋の希望はある。

    義姉にも救いがあればいいのだけど。
    通っている料理教室がそのきっかけになればいいな。

    「ブラッキー」って一体何のことなのかわからなかったけど
    「部落」のことか。
    結婚相手が被差別部落出身だということを隠していた、
    ということであの女性は離婚しようとしていたのか。
    あと「シャワカン」は「シャワー浣腸」の略か。
    専門用語はわからん。

    そういえば、弁護士を突き飛ばしたのは一体誰だったんだろう。

  • 無名の俳優がみな凄い。

    リアルだよ。

    なんなんだいったい!ってくらい引き込まれた。

    凄かったよ。

  • 辛くて酷くて悲しい現実の中で、手を差し伸べてくれる人たちのあったかさ。重たくて終始ズシンとのしかかってくるけど、ふとした会話や人の面白さや救いが所々に丁寧に滲み出ていて、とてもいい映画だった。

  • なんで恋人たちっていうタイトルなんだろうって思ってたけど、ウィキペディアであらすじ見てなるほどと思ったよ。

    高橋さんのパートよかったな。高橋さん自身が、すごい魅力的なんだよな。
    篠塚さんに会社の先輩がポツポツ言うシーンは泣けた。あと、奥さんのお姉さんが、気丈に振る舞ってたのに、独白しながら泣くシーンとか。辛さと不条理に対するやるせなさがね。
    篠塚さんの会社の人の、お母さんが一緒にテレビ見ようって言ってたっていう話も、なんじゃそらなんだけど、でも、優しさってそういうことなのかなぁって。
    それぞれの主人公の物語が、それとなく繋がっていて(篠塚さんと先輩が高橋さんのお弁当食べてたり、美女水を高橋さんも買ってたり)、それに気づくのも楽しかったな。
    弁護士くんは、篠塚さんに対してすっごい嫌な感じなんだけど、でも弁護士くんも辛さを抱えてたりして、他者への想像力ってのをぼんやり考えたな。そういう意味では篠塚さんにも、憎悪に囚われた独りよがりな部分があったり。
    エンディングで、篠塚さんの顔が晴れていてよかった。

    追記---
    高橋さんのところで考えたこと。最後のほうで、高橋さんの「(子供)できちゃうよ?」に対して「できてもいいじゃん、夫婦なんだから」って旦那さんが言うのだけど、それに「あ」みたいな顔してたんよね。結婚したら、多くの夫婦は、子供を作ることで 恋人 を脱する(家族になる)と思うのだけど、高橋夫婦はそうじゃなくて、結婚後も避妊し続けていたんだなって。それは、高橋夫にとってはいつまでも家族になりたがらない妻に対しての寂しさだったのかなってふと思った。たぶん高橋妻はそういうつもりは無いのだろうけど。突然叩いたりしてひどい夫だなって思ったけど、あれはもしかしたら焼きもちだったのか?とか、妻のほうも夫の愛情に無頓着だったのでは?とか、あの場面からはそんなことを思った。

  • いつも通り、刺さりに刺さった。映画館の時は、広島で見て、そして、またDVDでも見て。橋口さんがいるから、日本の映画は大丈夫だ、と思える。こういう映画ができる、そして見られる。それは幸せなことだな、と思う。最後のエンディングがとてもいい。あとは、後半に差し掛かる頃の、主人公の慟哭的な場面。また、きっと、何年後にも観る。何年かごとに見て、きっと、その度に刺さることになる。

  • 3人の物語どれもよかったですが、特にアツシの話が良かったです。やり場のない怒りと、それを周りが理解してくれないことへの絶望感。そして黒田さんの温かい言葉。良かったです。

    個人的にこういう映画が好きです。
    akeboshiの曲も良かった。

  • 2017.10.7(自宅)

    140分もある作品なので観るのに躊躇していたけどようやく観賞。
    結果、おちている時に観るものではなかったな。

  • 橋口亮輔監督・脚本・原作。篠原篤、成嶋瞳子、池田良出演。

    <あらすじ(ネタバレ)>
    •主婦の恋人
    夫、姑と暮らす瞳子(成嶋)は、弁当屋に納品に来た肉屋の弘とたまたま会ったのち、家に訪問を受ける。懇意になった弘は養鶏場に瞳子を連れ出し、出資をもちかける。のちに意を決して弘の家に行くと、彼は覚せい剤を打っており、居合わせた連れの女に養鶏場の話はウソと知らされ、酩酊状態の弘に向かって職場のことや夫との馴れ初めをつぶやく。
    •ゲイの恋人
    弁護士の四ノ宮(池田)は階段で押されて骨折、見舞いに来た友人の息子に「色目」を使ったと友の妻に指摘され、関係が悪くなる話。
    •亡き妻の恋人
    通り魔で妻を亡くしたアツシ(篠原)が、彼女への想いを断ち切れないなか、加害者の刑事裁判で、措置入院が決まる。納得できず四ノ宮弁護士に相談に行くも、民事でも勝てないと言われ、自暴自棄になり密売人から覚せい剤を買うが偽物、風呂場で手首を切ろうとするも果たせず、妻の位牌の前で想いをぶつける話。

    <コメント>
    •群像劇。ありがちな話なのだろうが、娯楽性は乏しい。
    •弁当屋の女将や女子アナの喋りが耳障りできつい。不快にさせない表現が他にあるはず。その反面、瞳子さんのおっとりさが、登場する中で一番女性らしかった。嫁にはああいうタイプがいい(うちのは弁当屋の女将タイプ)。
    •細かいところで作りがイマイチ。妻の遺影の前でのアツシの慟哭、よく聞こえない。それと雅子さまの様子をスマホで撮っていたが、ご成婚の時にスマホはもちろんなかった。
    評価が高いが、完成度はイマイチだと思う。

  • キネマ旬報とかいうので一位を取っただけのことはある作品かと思いましたね! 上映時間140分とのことで少々腰が引けていたところなんですけれども…観終わってみればあっという間、という感じでしたね。内容が面白かったからでしょう…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    個人的にはジャケットに写っている主人公のお話よりも主婦やゲイの弁護士? のお話の方が印象に残りましたかね…。特に主婦の話は演じた女優さんが上手いからか、先が気になりました…社畜死ね!!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    恋人を通り魔に殺された青年の話も良かったですけれどもね! 大切な人を殺されて人間不信に陥っても、やっぱり誰かしら、人間に助けられる…みたいなお話でしょうか!?

    まー…どれもこれも暗いトーンのお話なんですけれども、最後に少し救われた感じで終わるのが良いですねぇ…映画館で観ればまた違った感動を味わえるのでしょう…とDVDで観ながら思いました。おしまい…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • ☆☆☆☆☆
    3人の主人公の生活は、現代社会に生きる誰でもが経験したか、身近に眼にしている、矛盾を抱えている。
    アツシは数年前に愛する妻を通り魔殺人事件で失った辛い過去を抱えながら、さまざまな社会の矛盾のなかを生きている。
    『クソ社会』といいながらも、そのなかで見せるアツシの社会の矛盾に対する抑制の効いた憤りの表現が、アツシの人柄をよく伝わえていた。

    私もまだ若い頃は、公平とか、公正とかを前提に社会のフレーム設定して世の中を見つめていた。そして次々にぶちあたるこの社会の矛盾の壁に心のなかで叫んでいた『なんでこんなことが許されるんだ』『なんで俺だけがこんな理不尽な扱いを受けるんだ』そして、『なんで学校や親は社会の汚さを、その楽しさより先に教えなかったんだ』と

    辛く思い過去を背負ったアツシや、自分に関心を持たない夫やそりの合わない姑との日常に閉じ込められた瞳子、エリート意識が強すぎるために人との関わりを身につけてこれなかった弁護士、四ノ宮。
    彼らが生きる日常を見せられると、『クソ社会』と言って厭世的に社会を見つめるだけではいけないと思わされる。
    「所詮、社会はクソだけど…」、「そこに生きる俺たちは、そこに溺れるものでも、穢されるものでもない」と

    橋梁が支える高速道路のあいまにのぞいた“真っ青な空”を指差し確認する。
    『ヨシッ!』

    2017/02/09

  • 近すぎて、あまりにも近すぎて観ているのがつらい。
    それは釘づけを通り過ぎて他人ごとのように白々としてる。
    こんなにも身も心も掻き毟って、さらけ出して、それでも生きてくしかないんだ。
    でないと、こうやって話をすることもできない、から。

  • なんか難しかった。それでも生きていくってことでいいのかな。

  • ほとんど無名に近い俳優3人を主演にしている。

    弁護士役の人は演技も薄ぺらで存在感を感じなかった。パートのおばちゃん役の人は華も演技のメリハリも感じられなかった。ただ生活感は出ていた。通り魔に恋人を殺された男は淡々とした中にどこか納得出来ない物を感じながらも投げやり。その淡々さに感情移入を持って見られなかった。イライラしてしまった。

    主演している3人の俳優に魅力は感じられません。これはもしかしたら監督の演出で役者の我を出さない事で物語をより引き立てようとしているのかとも考えますがどうなんでしょう。

    暗闇の中にいて、そこから抜け出したい。かすかに見える灯りの所に行こうとする。行こうとしても中々いけない。さらに暗闇に向かってしまう。その暗闇の所にさらに遠くなってしまっても見える灯り。その灯りを見つめながら、まだ希望というか諦めてない的に終わる。

    レビュー的には意外と評価は高いみたいです。私的には、どうなんだろう?と思いました。

    面白い、そうでない とは別の枠に置いときたい映画でした。

  • いい。とてもやりきれない。

  • ほとんど無名の俳優さん達の演技があまりにも我々の日常にリアルすぎて(ちょっと噛んだり言い直したり)、うまいはずの光石研さんの演技がそつなく見えてしまう不思議さよ…。

  • 深いけどわかりやすいし、ムカついたり泣いたり笑ったり、盛りだくさんの濃ゆい2時間半だった。主婦のオバさんのこと、ちっともずっと見ていたくないルックスでキツかったけど。笑 下痢するお姫様の物語は実際に彼女が作ったお話らしい。xx章までもつのかよ、みたいなツッコミ爆笑した。

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