- Amazon.co.jp ・電子書籍 (337ページ)
感想・レビュー・書評
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いくつかの終末期の具体的な話があり、読み進めるのがしんどい本だと思う。しんどいが、それだけ読む人によっては価値のある本でもあると思う。少なくとも自分にとっては様々な示唆を与えてくれた。
可能ならばこのしんどさに向き合わないで住む世界線にいたかったが、少なくとも現在の科学技術では大多数の人が向き合う必要があるのだろうし、向き合うべきであると思う。
緩和ケアは大事、本人が残された時間をどう過ごしたいかの意思は大事、それを現代医療は奪ってしまうリスクも十分にあるということも理解はできる。様々なリスクを十分に検討しても結局どうなるか、何が良かったのかは後になってみないとわからない。こういった示唆に富む話を頭に入れつつも、実際にその現場に自分が立った時はまたいろいろとのたうち回るのであろう。ただ、その時に、この本で得たものが少しでも自分の判断をより後悔しないものにしてくれるような気はする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アドバンス・ケア・プランニングの本。
人は必ず(老いて)死ぬということを、医療者の観点で捉え書き下ろした本。実話。
決定権を持つ人が変わること。情報提供と判断、をむやみに求めないこと。目標達成により近いほうを選ぶこと。
社会情動的選択理論、ピーク・エンドの法則。
P205
・患者に意味を伝える最も良い方法は、その情報が医師自身にとってどういう意味があるかを伝えることだ
・相手が聞きたいことは何かを質問し、相手に伝え、それからどう理解したかを尋ねる。 -
エデンの園の代わり。
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非常に内容が濃い作品である。
医学生としての視点しか持ち合わせていない自分にとっては 何十年 、数多くの症例を経て到達する ベテランドクターの視点があるように感じられた 。手元に置いて医師人生の節目節目で何度も読み返したい 作品。勿論、医療者だけではなく死を迎える全てに人に読んでほしい。 -
医療ジャーナリストの村中璃子氏推薦の図書ということで読んでみる。ノンフィクションの物語の中で、終末期医療、介護の問題を個別にリアルに描いている。素直に読み進められ、且つ今後の医療福祉政策を推し進めていく際の根本となる、重要な考え方に触れられた気がする。それぞれ医師の家庭の話もでてくるので、とても説得力がある。
また機をみて読み返したい。