天災から日本史を読みなおす 先人に学ぶ防災 (中公新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 学校の歴史の教科書は災害についてあまり触れず、まして災害が歴史を動かしたなどとは書いてない。しかし、特に日本のように災害が多い国は歴史で災害を無視することは甚だ不適当なこととなる。

    のだけど、上記の観点から期待して読んだが、天下をとるのが豊臣秀吉から徳川家康に変わるというあたりしか語られていない。

    本書が主眼を置くのは、個人のサバイバルにおいて歴史に学ぶという姿勢。それはそれで意味がある。特に我々理系の人間は古文書が読めないから歴史学者から教えられることは多い。

    本の後半は津波からどう生き残るかが語られるが、そうすると中身は歴史と東日本大震災が同程度の重さとなってきてタイトルとやや乖離してくる。

    あと、原子力発電所について否定的見解がたびたび出るが、これは結論ありきであまりいただけない。女川のように安全を保ち避難所として機能した原発もある。福島第二も無事だった。視野を広く持てば簡単には結論は出ないはずだ。

    著者の顔を知っていて選んだ本ではないが、読んでいくうちにNHK BSの『英雄たちの選択』の司会の先生だと分かった。番組とこの本で確かにトーンが似てる。

    『英雄たちの選択』が災害でやむにやまれぬ選択だったことも多いはずなので(近代なら濃尾地震と桂太郎による日本最初の災害派遣など)、次はそんな本を読みたい。

  • 最初の方は良かったんだが、どうも最後の方になってくると言語感覚に違和感があってイライラした。

  • カテゴリ:図書館企画展示
    2016年度第9回図書館企画展示
    「災害を識る」

    展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。

    開催期間:2017年3月1日(水) ~ 2017年4月15日(金)
    開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース

  • 地震・津波・高潮、土石流、噴火などに見る歴史は大変興味深い。
    各地に残る古文書を求めて奔走する磯田氏のフットワークの良さに関心。
    天正地震の際に崩壊した長浜城は特に興味深かった。調べてみたいと思う。

  • 歴史上のイベントと当時発生した災害の関連が分かります。一番個人的に知って良かった内容は、秀吉が小牧長久手の後、何故再度徳川を滅ぼしにかからなかったのかが良く分かりました。地震で内政面ですぐに戦争に挑める状況ではなかった事が分かって合点がいった。長年不思議に思っていたことだったので、良く分かりました。

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著者プロフィール

磯田道史
1970年、岡山県生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。茨城大学准教授、静岡文化芸術大学教授などを経て、2016年4月より国際日本文化研究センター准教授。『武士の家計簿』(新潮新書、新潮ドキュメント賞受賞)、『無私の日本人』(文春文庫)、『天災から日本史を読みなおす』(中公新書、日本エッセイストクラブ賞受賞)など著書多数。

「2022年 『日本史を暴く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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