スポットライト 世紀のスクープ[DVD]

監督 : トム・マッカーシー 
出演 : マーク・ラファロ  マイケル・キートン  レイチェル・マクアダムス  リーヴ・シュレイバー  ジョン・スラッテリー  スタンリー・トゥッチ 
  • バップ
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988021145275

感想・レビュー・書評

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  • アメリカの新聞「The Boston Globe」の記者たちが、カトリック司祭による性的虐待事件に関するスクープを暴いた実話を基に描かれた映画。

    「スポットライト」チームが新編集長であるバロンを迎え入れるところから話が始まる。
    組織として腐敗した教会vs悪を暴く新聞社という構図がベースにあり、スポットライトのメンバーが地道に情報収集し、徐々に神父そして教会全体の腐敗した全容が明らかになっていく。
    この展開のスピード感と、ラストの正義の圧勝が見ていて非常に気持ちいい。

    また、新聞社の業界の裏側(情報収集はとにかく足で稼ぐという泥臭さ、9.11とのバッティングにより取材を中断せざるを得ないという実情・葛藤、他社を意識したスクープの発信タイミング等)も見ていて面白い。
    報道の世界は、本作のように正しい報道の場合もあるが、情報操作のように誤認識を与える形で公開される場合もある。スポットライトのメンバーのような正義感を持った報道記者による、確度の高い報道が残っていったらいいなと思うし、受け手としても常に情報の信憑性を疑う目は持ち続けていきたいなと思う。

    物語終盤で、ロビーが、93年に既に本件の情報があったのに深掘りしなかったことをカミングアウトする。そこにバロンが「私達は毎日、闇の中を手探りで歩いている。そこに光が射して初めて間違った道だとわかる。以前何があったかは知らないが、君達全員本当によくやってくれた」と労いの言葉を述べる。スポットライトというタイトルは、記事の名前から来ているとは思うが、この名言もまさにスポットライトというタイトルを象徴しているようで、より一層この作品が好きになった。


  • 【ストーリー】 (Amazonより)
    暗闇にひときわ輝く、希望の光-
    2002年1月、米国の新聞『ボストン・グローブが、カトリック教会の信じがたい実態を報じた。数十人もの神父による児童への 性的虐待を、教会が組織ぐるみで隠蔽してきた衝撃のスキャンダル。その許されざる罪は、なぜ長年黙殺されたのか。
    《スポットライト》という名の特集記事を担当する記者たちは、いかにして教会というタブーに切り込み、暗闇の中の真実を 探り当てたのだろうか?


    事実をもとにされた作品だと知り驚いていたのに 虐待をしていた神父の1人が 自分も子供の頃にされていたことだから的なことを答えているシーンを観て更に驚いた。
    小さい頃から刷り込まれたモノとか日頃の習慣とかって 自然とそれが常識と思ってしまってるんですよね。私も気を付けねば...

  • これ、実話を元にした作品なんですよね。神父による児童の性的虐待を地元新聞社がすっぱ抜くまで。扱ってるテーマはえげつないし、あり得ない。でもアカデミー賞作品賞、脚本賞を受賞しただけある。重厚な作品です。
    ただ、記者以外の登場人物の名前と顔と職業が一致せず•••自分の記憶力の問題なんでしょうが。あれ?◯◯って誰のことだっけ?この人誰?っていうのが多すぎて、途中から人物相関図が全くわからなくなってしまいました。メモしながら観ればよかったと後悔。
    あとアメリカ映画にありがちな民事裁判の仕組み、専門用語がよくわからないという•••。そんなチンプンカンプンでも面白かったんだから、せめて人物相関図さえ押さえていれば、もっと楽しめたろうな〜と思います。

  • 原題:Spotlight (2015) ※日本公開 2016年
    収録時間:128分

    神父による性的虐待と、それを黙認していたカトリック教会の実話を基にした映画。
    映画としてはチョット物足りなかったかな…。
    でも被害者のために頑張った記者たちは間違いなく☆5。

    ”新聞記者たちがカトリック教会のスキャンダルを暴いた実話を、「扉をたたく人」のトム・マッカーシー監督が映画化し、第88回アカデミー賞で作品賞と脚本賞を受賞した実録ドラマ。2002年、アメリカの新聞「ボストン・グローブ」が、「SPOTLIGHT」と名の付いた新聞一面に、神父による性的虐待と、カトリック教会がその事実を看過していたというスキャンダルを白日の下に晒す記事を掲載した。社会で大きな権力を握る人物たちを失脚へと追い込むことになる、記者生命をかけた戦いに挑む人々の姿を、緊迫感たっぷりに描き出した。第87回アカデミー賞受賞作「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」で復活を遂げたマイケル・キートンほか、マーク・ラファロ、レイチェル・マクアダムスら豪華キャストが共演。”

  • ある種の業界の人達に観て欲しい

  • カトリック教会に蔓延る小児(および成人)への性虐待の実態を暴いたボストン・グローブ紙の物語。ピュリッツァー賞受賞。

    カトリックが多く住み、教会が大きな力を持つボストンの地。
    ボストン・グローブ紙には新しい局長が就任し、過去の記事の洗い出しが行われる中で、「見過ごされた」神父による性的虐待事件の記事が注目される。
    事件を追うことになったのは"Spotlight"のコーナーを担当する面々。
    さまざまな資料を洗い出し、多くの聞き込みを続ける過程で、性的虐待を行っていたのは1人の神父にとどまらず(実に全体の6%!)それも数十年もの間、数千人にも及ぶ被害者が出る範囲で続けられていたことが明らかに。
    さらに、教会のシステム全体がその事実を知りながら、問題のある神父は休ませ、異動させ、示談で話を済ませ、積年に渡る被害を生み続けてきたことまで明らかに。
    反対・抵抗も受けながら、変わり者と呼ばれる人々と協力し、聞き込みを続け、事実をまとめ、ついに真実を公表する。

    劇中でも何度も出てくる表現だが、本当に”胸糞が悪くて腹がたつ”。
    神父という立場を利用し、悍ましい行為に及んだ事例がここまで多いとは。婚姻を禁ずるカトリックの神父という教義ゆえの問題なのか。
    被害に遭わなかった人々は幸運だった。この告発をおこなった人々は勇敢だった。事件を隠蔽したロー枢機卿はバチカンでより高位の職についたが。
    被害者の為に戦っていた”変人”ガラベディアン弁護士は、報道の後、レゼンデス記者に、別の被害者の子供を見せて「どうか君たちの仕事を続けてくれ」と言った。
    ジャーナリズムと、怒りの映画である

  • 2002年1月、アメリカ東部の新聞「ボストン・グローブ」の一面に全米を震撼させる記事が掲載された。
    地元ボストンの数十人もの神父による児童への性的虐待を、カトリック教会が組織ぐるみで隠蔽してきた衝撃のスキャンダル「ゲーガン事件」。1,000人以上が被害を受けたとされるその許されざる罪は、なぜ長年にわたって黙殺されてきたのか。
    この世界中を驚かせた"世紀のスクープ"の内幕を取材に当たった新聞記者の目線で克明に描き、アカデミー賞6部門(作品賞/監督賞/助演男優賞/助演女優賞/脚本賞/編集賞)にノミネートされるなど、名実ともに全米で絶賛を博す社会派ドラマ、それが『スポットライト 世紀のスクープ』である。
    本作は、このジャンルの金字塔というべき名作『大統領の陰謀』を彷彿とさせる生粋の“ジャーナリスト映画”でもある。
    虐待被害者の生々しい証言に心揺さぶられたチームの皆が、元少年たちの悲痛な叫びを世に知らしめようと、寸暇を惜しんで奔走する様を力強く描出。"間違っていることは間違っている"と報じたい、"正しいことは正しい"と表明できる社会でありたい、ただその一心で、立ちはだかる権力と対峙しながらも記者魂を貫く彼らの姿は爽快ですらあり、閉塞した現代を生きる観客の共感を誘うことだろう。
    《スポットライト》が報じたこの調査報道は、2003年に栄えあるピューリッツァー賞(公益部門)を受賞している。
    2001年の夏、ボストン・グローブ紙に新しい編集局長のマーティ・バロンが着任する。マイアミからやってきたアウトサイダーのバロンは、地元出身の誰もがタブー視するカトリック教会の権威にひるまず、ゲーガン神父による性的虐待事件を詳しく掘り下げる方針を打ち出す。その担当を命じられたのは、独自の極秘調査に基づく特集記事欄《スポットライト》を手がける4人の記者たち。
    デスクのウォルター"ロビー"ロビンソン(マイケル・キートン)をリーダーとするチームは、行動力抜群で神父の性的虐待事件の裁判を出掛けるガラベジアン弁護士や裁判所に熱心に通って重要な事実を掘り起こすマイク・レゼンデス(マーク・ラファロ)、被害者から親身になって証言を聞き出すサーシャ(レイチェル・マクアダムス)、信者への性的虐待を疑われた神父のある法則を導き出すマットたち一流記者が事件の被害者や弁護士らへの地道な取材を積み重ね、大勢の神父が同様の罪を犯しているおぞましい実態と、その背後に教会の隠蔽システムが存在する疑惑を探り当てる。
    やがて9.11同時多発テロ発生による一時中断を余儀なくされながらも、チームは一丸となって教会の罪を暴くために闘い続けるのだった・・・。
    地元ボストンの数十人もの神父による児童への性的虐待を、カトリック教会が組織ぐるみで隠蔽してきた衝撃のスキャンダル「ゲーガン事件」を追求したボストン・グローブ紙記者の実話を、映画化。
    常に冷静な特集記事「スポットライト」のリーダー・ウォルターの指揮の下、行動力抜群で神父の性的虐待事件の裁判を出掛けるガラベジアン弁護士や裁判所に熱心に通って重要な事実を掘り起こすマイク・レゼンデス、被害者から親身になって証言を聞き出すサーシャ、信者への性的虐待を疑われた神父のある法則を導き出すマットたち一流記者が、カソリック教会が神父の児童に対する性的虐待を隠蔽していたことを、ボストングローブの読者層がカソリックで記事が出たら反発されることやカソリック教会の圧力にあうことを承知で、信者の児童への性的虐待を疑われた神父が発覚後別の管区に異動されたり病気休暇などにされている法則を導き出したことを取っ掛かりに被害者団体を通じて被害者から証言を聞き出し裁判で教会が封印していたゲーガン事件の重要な教会ぐるみで神父の性的虐待を隠蔽していた証拠にたどり着くまでを、丹念に記者の取材によって事実を明らかにしていく過程を追うスリリングな展開、神父と教会への信仰心が崩れそうになる葛藤(後半のマイクとサーシャが自らの葛藤を打ち明けあうシーンは胸を締め付ける名シーン)と自分や周りの子供が同じ目に合わないように被害者を救うために真実を追及する記者のジャーナリスト魂、閉塞した同調圧力と政治家による恫喝にやり正しいことを正しいと言えない世の中にジャーナリストだけでなく良心を貫くことの大事さをメッセージする傑作社会派サスペンス映画です。
    関連性のある映画で、「ゲーガン事件」と並んで神父の性的虐待を暴露したドキュメンタリー映画「フロム・イーブル」も必携です。

  • 神の使いであるはずの神父が幼児への性的虐待。世界は2002年のこのニュースに驚き、呆れた。しかも、多くの神父が全世界で行っていた。その原因は、聖職者が独身でなければならないというカトリック協会の制度そのものにあるという。
    また、宗教的コミュニティや権力を使っての隠蔽も明らかになった。被害者は泣き寝入り状態で、性的トラウマをかかえ自殺に追い込まれた者もいた。
    この映画をみたカトリック教会の反応として、バチカン放送は映画を「誠実」「力強い」と讃え、『グローブ』紙の報道こそが米カトリック教会に「罪を完全に受け入れ、それを公に認め、すべての責任を取る」ことを促したのだと述べた。ルカ・ペレグリーニは、「ボストン大司教区のカトリック教会の基盤を崩壊に陥れたのは、テロ攻撃ではなく、とどまるところを知らない真実の力だった。事実、最も純粋な召命の形を示して見せたのは、紛れもなく『ボストン・グローブ』の数名の有能なジャーナリストたちである。その召命とは、事実を探し出し、情報源を調べ上げ、コミュニティと街のために自らを正義のパラディンとすることだった」と記したが、なんとその隠ぺいを指示した枢機卿は辞任するが、ローマの大教会に栄転するという、ヤクザ世界のような対応をした。
    正義と真実を追求しようとする記者たちの奮闘が伝わり、強大な権力に対峙したときのジャーナリストのあるべき姿を描き切っていて、アカデミー作品賞に相応しい作品です。

    『スポットライト 世紀のスクープ』(原題:Spotlight)は、2015年のアメリカ合衆国の伝記・犯罪・ドラマ映画。ジョシュ・シンガーとトム・マッカーシーが脚本を担当し、マッカーシーが監督を務めた。映画は2003年にピューリッツァー賞を公益報道部門で受賞した『ボストン・グローブ』紙の報道に基づき、アメリカの新聞社の調査報道班として最も長い歴史を持つ同紙「スポットライト」チームによる、ボストンとその周辺地域で蔓延していたカトリック司祭による性的虐待事件に関する報道の顛末を描く。出演はマーク・ラファロ、マイケル・キートン、レイチェル・マクアダムス、ジョン・スラッテリー、スタンリー・トゥッチ、ブライアン・ダーシー・ジェームズ、リーヴ・シュレイバー、ビリー・クラダップら。
    本作は2015年にヴェネツィア国際映画祭のコンペティション外部門で上映されたほか、テルライド映画祭やトロント国際映画祭の特別招待部門でも上映された。北米ではオープン・ロード・フィルムズの配給で2015年11月6日に公開された。日本ではロングライドの配給で2016年4月15日に公開。本作は数多くの組合賞や批評家賞を受賞したほか、様々な媒体によって2015年最良の映画の一つに挙げられた。第88回アカデミー賞では作品賞、監督賞、助演男優賞(ラファロ)、助演女優賞(マクアダムス)、脚本賞、編集賞の6部門にノミネートされ、作品賞と脚本賞を受賞した。
    ストーリー:
    2001年、マサチューセッツ州ボストンの日刊紙『ボストン・グローブ』はマーティ・バロンを新編集長として迎える。バロンは同紙の少数精鋭取材チーム「スポットライト」のウォルター・ロビンソンと会いゲーガン神父の子供への性的虐待事件をチームで調査し記事にするよう持ちかける。チームは進行中の調査を中断し取材に取り掛かる。
    当初、チームは何度も異動させられた一人の神父を追うが、次第にマサチューセッツ州でカトリック教会が性的虐待事件を隠蔽するパターンに気づく。虐待の被害者のネットワークに接触したのち、チームは13人の神父に調査対象を広げる。統計的には90人程度の神父が性的虐待を行っているはずだと言う指摘を受け、病休あるいは移動させられた神父を追跡して87人のリストを得る。カトリック信者の多いボストンで、チームは様々な障害・妨害にあう。
    調査が佳境に差し掛かる頃、チームは9月11日を迎える。テロの後、チームの調査はしばし棚上げされる。枢機卿が虐待事件を知りながら無視したという公的な証拠の存在をつかみ、チームは活気づく。ロビンソンはカトリック教会の組織的な犯罪行為を徹底的に暴くために記事の公開を遅らせる。チームはより多くの証拠を公開するよう求めた裁判に勝ち、2002年にようやく記事を公開し始める。
    記事公開の直前、ロビンソンは、1993年に性的虐待を行った20人の神父のリストを受け取りながら調査をしなかったことを告白する。だが、バロンはチームが今、犯罪を暴いたことを称賛する。翌日、チームは多くの犠牲者から告白の電話を受け始める。合衆国および世界中で聖職者による性的虐待のスキャンダルが明るみに出る。隠蔽行為を行った枢機卿は辞任するが、ローマの大教会に栄転する。(ウィキペディア)

  • 真実のストーリーとあるように、事実を映画化。

    教会の長年にわたる児童虐待を明るみに出した衝撃のスクープ記事が世に出るまでの物語。後日談も続編として知りたい。
    内容が繊細なだけに、映画の構成としては地味である。しかしながら、社内での資料収集に幾人の人の力添えがあること、またその資料をもとに取材先を選択し、対面で得られる情報を纏める姿は、プロに仕事の方法に推測が及んだ。利用できる公的機関には様々なルールがあり、弁護士の守秘義務も厳しい。数々のハードルを越えないと、隠された真実を知ることができない複雑な社会構造の闇を観た気がした。

    そして、今、日本はどうなのだろうか。と改めて考える。

  • TVにて
    教会もまた権力の中で腐っていく.悪を隠蔽する体質はどこにでもあるが,子供への性的虐待は許されるべきではないし,それがまして教会とは,,!価値ある報道です,賞賛に値する記者魂です.

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