魔導の系譜 〈真理の織り手〉シリーズ (創元推理文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 差別で虐げられてきた少年が信頼できる師と出会い、成長し、徐々に心許せる仲間を作っていく。間違いなく盛り上がる展開のはずなのに、読んでいて何か物足りない。おそらくこんな理由からだろう。

    ・師匠側に成長や変化がみられない
    ・弟子と師匠のエピソードがもめ事ばかり
    ・サブキャラを掘り下げるエピソードがあまりない
    ・魔法が戦闘用と治癒の2種類しかなく、使っているシーンを見てもわくわくしない

    主人公の心情は長々と綴られているが、そこをもう少し削ってその分サブキャラを掘り下げたり、主人公の迫害される以外のエピソードがあっても良かったのでは。キャラの特定の面しか描かれていないため、薄っぺらく感じる。

    またラストがご都合主義なのも気になった。そんな簡単に事態が終息するだろうか?

  • 読みやすく面白かった!魔導ファンタジーだけど、ファンタジックというより、ガンダムのような魔導の世界のリアルで骨太な物語。ゼクスとレオンをはじめ登場人物たちの人間味をさらりと描いているのがいい。

  • じっくり読ませてくれます。
    久しぶりにこのタイプのファンタジー読みました。好き。

  • 全4作の骨太な国産ファンタジーのシリーズ1冊目。魔導士としての素質がない師匠と、文字の認識に大きなハンデを抱えた弟子の二人が、世界の真実に迫る物語です。

    さて、魔法使いもので有名なハリーポッターでは、ホグワーツ魔法学院でいろんな先生から魔法や魔術を習って習得しますが、この本の魔導士は、特定の師匠について生活を共にしながら一心同体で学んでいく完全徒弟制度を取っています。

    この師匠と弟子のバディが今作の主人公ですが、序盤から胸の痛くなる展開が始まります。師匠のレオンは、魔導士としての力を発現できずに苦しんでいます。一方、弟子のゼクスは極めて高い魔導士としてのポテンシャルがあるものの、文字を認識できないために魔導書を読むことができません。レオンはゼクスを1人前に育てて王都に送り出すことを目指していますが、その過程で二人は村の人から信用を失ってしまいます。

    中盤、レオンは王都に召喚され寄宿生活を送ることになります。そこでこの世界の魔導士の複雑な立ち位置が語られます。この世界の魔導士は禁忌とされる力を持ち、一般の人から恐れられさげすまれる一方で、その強力な魔導の力は貴重で国力(主に軍事)になくてはならないものです。レオンは魔導士の存在を解放する理想論に惹かれてこの勢力に与することになります。

    本書の描く生きづらさを抱えたレオンとゼクスの憤りなど、生きづらさを抱えた人にこそ共感できる内容です。

  • 「五十音順の作者を読む」第11冊目「さ」。

    魔導士が虐げられている国で、魔術を教える私塾を開いている男性・レオン。彼の元に連れてこられた少年・ゼクス。2人が出会ったことで、国の運命は大きく変わっていく――という話です。

    内容は師弟の絆の話が主軸です。
    本書の最初に設定が掲載されているため、設定がわからなくなっても見返せるのが助かりました。

    ただ文庫本で472ページというボリュームのため、ある程度読書に慣れている方、また長編ファンタジーものが好きな方に向いています。

    本書を購入した当初は、連作ものだとは知らず、この1冊だけで完結だと思っていました。
    実際は続編が出版されているので、第一作目である本書を試しに読んでみるのもおすすめです。

  • 211212読了
    面白くてやめられず、一気に読んだ。
    それぞれの正義がだんだん攻撃的になっていき、戦争の怖さを表しているなと思った。
    ともかく、師弟が殺し合うことにならなくてよかった。
    隊長残念。
    次作もすぐに読みたい。

  • 魔法使いが迫害される世界の魔法使いの話。
    戦争や死など、かなり暗い内容も含まれる。
    「見せ場」や「どんでん返し」が少なく、特に前半は少し退屈だった。しかし読み進めていくとなかなか各キャラの特長が見えてきて、キャラに対する愛着が生まれ、最後はなかなかの読後感であった。

  • 生きづらさを抱えた子弟の憤りに共感する内容でした。
    魔法使いもので有名なハリーポッターでは、ホグワーツ魔法学院でいろんな先生から魔法や魔術を習って習得しますが、
    今作の魔導士は、特定の師匠について生活を共にしながら一心同体で学んでいく完全徒弟制度を取っています。
    この師匠と弟子のバディが今作の主人公・・・なのですが、いきなり序盤から胸の痛くなる展開が始まります。
    というのも 師匠と弟子の2人は、魔導士として致命的な欠点をそれぞれ抱えているからです。
    師匠のレオンは、魔導士の素質が先天的に欠けており、自身では魔導の力をまともに発現することができずにいます。一方、弟子のゼクスは極めて高い魔導士としてのポテンシャルがあるものの、文字の認識に大きなハンデを抱えています。寝食を共にしながら、レオンはゼクスを1人前に育てて王都に送り出すことが序盤の目的となっています。
    素質を持たないレオンが、なぜ魔導士を育てうるのかというと、それは血のにじむような学習と努力によって魔導の知識体系を身に付けたから。
    自身は魔導士としての活躍を捨て弟子の育成に心血を注ぐ中、弟子のゼクスは師匠の想いを感じつつも、ポテンシャルをコントロールできないまま魔導の力をしょっちゅう暴発させてしまう事が続きます。
    そのことで2人が生活する村の人から信用をどんどん失ってしまうのがかなり胸を打ちます。
    中盤、レオンは王都に召喚され寄宿生活を送るのですが、そこでこの世界の魔導士の複雑な立ち位置が語られます。
    この世界の魔導士は禁忌とされる力を持ち、一般の人から恐れられさげすまれる一方で、その強力な魔導の力は貴重で国力(主に軍事)になくてはならないもの。
    蔑まれることと重宝されることの2つの側面から一言では語れない複雑な立場にいる魔導士ですが、レオンは魔導士の存在を解放する理想論に惹かれてこの勢力に与することになります。
    生きづらさを抱えたレオンとゼクスの憤りにとても共感できるシリーズの1作目でした。

  • 魔脈を操り魔術を使う魔導士。大きく不可思議な力を持つ彼等は、人々から蔑まれていた。
    三流魔導士であるレオンは、ゼクスという心に大きな傷を負った魔導士を弟子に迎える。
    中々心を開かなったゼクスだが、ある事をきっかけにレオンに心を開いていく。

    様々なコンプレックスを抱き、マイノリティでもある魔導士たちの心の葛藤と成長を描いた物語。

    ――

    主人公たちが迷いながらも己の道を見つけて進んでいくさまが丁寧に描かれていて、久しぶりに一気読みしてしまいました。
    ここ数年で一番面白かった。おすすめです。

  • 面白かったので続きも一気に読んでしまった。

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