マジカル・ガール [Blu-ray]

監督 : カルロス・ベルムト 
出演 : ホセ・サクリスタン  ルシア・ポジャン  バルバラ・レニー  エリザベト・ヘラベルト 
  • バップ
3.49
  • (6)
  • (24)
  • (13)
  • (5)
  • (3)
本棚登録 : 94
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988021714686

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • スペイン映画なのに 日本のアニメの影響を受ける。
    白血病で、余命短い 娘 アリシアは、
    夢の手帖に 「魔法少女ユキコ」になりたいと書いてあった。
    アリシアのオンナ友達は サクラ、ユウコと
    言うハンドルネームをもっている。
    日本のサブカルチャーがスペインでも流行るのがいい。
    歌は 日本語の歌である。
    娘の手帖を見た 失業中の元教師の父親は、
    娘の希望を かなえてやりたいと思う。
    ネットで調べたら 7000ユーロもする。
    家にある本を売り払うが、まったく追いつかない。
    友人たちに、お金を借りようとするが、みな貧乏なのだ。
    娘のことを同情しても、なぜそんな高いものを買うのか?
    と逆に質問される。
    父親は、宝石店に強盗にはいろうとするが、
    上から 反吐したものが身体にかかる。
    それは、孤独に苛まされているバルバラだった。
    亭主は 精神科医。父親に甘えるバルバラ。
    一夜をともにしてしまう。
    そして、父親は ばらすと言ってカネを要求する。
    バルバラは、秘密の売春を紹介してもらい、
    そこで、お金を 確保して、父親に渡す。
    それで、父親は 娘が喜ぶと思って、服をおくるが、
    娘は 魔法の杖がないことが不満だったのだ。
    再度 父親は バルバラを脅すが、

    バルバラをめぐって 話が進展していく。
    バスルーム裸の2日間の俳優 ホセサクリスタン。
    このホセサクリスタンが、実に渋い演技をする。
    バルバラが傷ついて、たおれているところを見つけて
    バルバラのいうがママに 動くのだった。
    バルバラには 因縁があった。そして、ウソだと思っても、
    そのまま 暴走していく。
    老人の命のしまい方が こんな風な悲劇なのは。
    マジカルガールとは バルバラで、
    多くの人の人生を変えてしまうと言うことなんだね。

  • 町山さんがたまむすびで紹介していて長く気になっていた映画。
    あえて事前情報をシャットアウトして鑑賞して、まったく作り手の思い通りの感情になった。掌の上だった。

    映画のピタゴラスイッチというか、バタフライエフェクトというか、風が吹けば桶屋が儲かるというか。
    まさか宝石店の窓を割ろうとしたとことで真上からゲロが落ちてくるとは!!

    たぶん敢えてだと思うのだが、ミスリードというほどの強い意志でなくとも、これは誰、これはあの人の過去なのか、など多少混同させられる。
    たとえば、プロローグの教師と娘の父親、バルバラが出てきたときには過去の妻との思い出なのか、と。
    数分後には別人だとわかるのだが、それと同時に違和感、お尻の下のむずむずが生まれる。
    この感触が「不穏な感じ」を生み、語られない「おぞましさ」を誘発する。

    本人の意図せざるファムファタル性、使い魔としてのおっさんたち、といった構図もまたおぞましい。
    アリシアの無垢ゆえの他者操作(願い事リストに鍵をつけていない。13歳になりたいという願いも)、
    ルイスの娘を思うゆえの浅薄、
    バルバラの自罰願望ゆえの歪み(もと魔法少女はいまや魔女)、
    ダミアンの少女への崇拝ゆえの暴力機械、
    すべて悪意ではなく愛から発しているのも、実にいやーな感触。

    欲望の連鎖の裏側に「共感の出来なさがない」からこそ他人事ではない。うむ、変な日本語だけど。

    この巧妙な構成以外にも、静けさ、ピアノ程度に抑えたBGMだからこそ要所の音楽が際立つ、喚かない人々の佇まい、カメラの切り返しやワンカットとカットの抑揚、独特な間の使い方、など大いに好み。
    日本文化の入れ方も面白い。検索サイト「Rampo!」、酒は「SailorMoon」、魔法少女ユキコ(そうか、ステッキもか……)、長山洋子、美和明宏の黒蜥蜴、トカゲの間。

  • なんだこの変な話は。けれどもこの監督の、真面目なのか不真面目なのか判然としないセンス、すごくよくわかる。クセになりそう。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×