アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち [DVD]

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監督 : ポール・アンドリュー・ウィリアムズ 
出演 : マーティン・フリーマン  アンソニー・ラパリア  レベッカ・フロント 
  • ポニーキャニオン (2016年10月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013098893

アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち [DVD]の感想・レビュー・書評

  • 1961年、アルゼンチンで捕まった元ナチス親衛隊中佐のアドルフ・アイヒマンの裁判がイスラエルでユダヤ人の手によって行われた。
    60日以上によって行われたこの裁判はテレビ史上初めて裁判を中継していくことになる。
    判事には、カメラが気になるかもという理由でなかなかテレビ撮影の許可が出なかったり、新聞やラジオとは違ったテレビというメディアが影響力として世に普及し出した時代。

    アウシュビッツでどういうことが起こったのか、生き残ったユダヤ人が喋っても、誰も信じようとしなかった時代。
    黙り込んでしまうユダヤ人が多い中、このアイヒマンのテレビ中継をきっかけに、ユダヤ人たちは口を開き始める。
    ユダヤ人に対してどんなことが行われたのか、赤裸々に証言として語られる。時には卒倒してしまう人もいながら。

    それでも表情一つ変えずにアイヒマンは聴いている。
    人間性があれば、どこか感情をだすはずだ、ひどいことをしたと我に帰るはずだ、その映像を撮りたいと思っていたが、その機会がやってこない。

    最後の最後、検事総長の尋問に対して、決定的な瞬間が訪れる。人々はガガーリンとキューバ危機に夢中だったが、次第に関心を持ち直す。

    証言が語られ、それを追い続けるのでそんなに華やかな映画ではないが、当時の観客同様、ラストに向けて、観客をも巻き込む。

    これを見て思ったのが、当時はまだ生き残りの人たちも若く、それを発信しようとする人も、それを受け止めようとする人も正面から受け止めていた気がした。
    もちろん、現在でもそれを正面から受け止めようとする人が大半だと思われるが、ある種の共通前提が生きている(昔)か、生きていないか(現在)で、捉え方の深刻さがかなり変わっている気がした。
    身近に経験者がいるのといないのとではやっぱり違うし、過去のものになればなるほど、薄れるってこういうことか、と思わされた。


    ハンナ・アーレントと同じで、人が誰でもアイヒマンになり得る(「凡庸な悪」)という確信のもと、監督はテレビを監督する。しかし、アイヒマンは一向に、他の人のような人間性を見せない。 虐殺機械の小さな歯車になっていて、何とも思わないのか。 そのアイヒマンに困惑しながら、アイヒマンの表情を日々撮り続ける。

    最後に語られていたように、
    自分たちは他の人種や人たちより優れていると思い出し、信仰する神の違いなどによって非難するところから全てが始まった。
    それをナチスはうまく利用した。
    誰もがアイヒマンになり得るし、ホロコーストは起こり得る。 最初はすごく小さな差別から始まる。
    今の日本を鏡で見たらどう見えるだろうか。

    今、見ておくべき映画だと思った。
    ドキュメンタリーとその裏側にあったテレビマンの活躍ドラマをうまく織り交ぜた、見やすい映画だと思った。

  • 600万人の犠牲のために1人を裁くことは非合理なのか。せっかく作中の女性がそうぽろりと漏らしたのに、この問題がまったく掘り下げられていないために薄っぺらな作品になった。
    イスラエルでの裁判で、ユダヤ人大虐殺の首謀者アイヒマンが裁かれるというのは、もはや「裁判」ではない。復讐だ。

    作中には収容所の目もそむけたくなるような記録映像が挿入されるけれど、その挿入のされ方がすごく下品で不愉快になった。「真実」とか「事実」に沿っていることを盾にとっているような。絶対悪が目前に控えているからといって油断しているような。
    それってけっきょく、果てにはファシズムに行き着く道だと思う。

    ぞっとしたのは、アイヒマンの喋り方が、今の日本の政治家とそっくりだったということ。でもだからこそ、リアルに想像できるのではないだろうか。例えば、そんな日本人政治家が1人、被告として法廷に立っているとする。その様子をテレビ放映するどころか、裁判をすることじたい、時間の無駄と思われないだろうか。アイヒマンもまた1人の愚かな凡人なのだ。それを実感することの方がどれほど重要か。
    けれども本作はあくまで「怪物」として描くことにこだわる。本作に言いたいのは、こんなデリケートな問題を、安易で浅はかなTVショーにすべきではないということ。

  • アイヒマンの裁判映像を撮ったスタッフたちのお話。
    時折誰が誰やらわかりませんでしたが・・・
    この人たちがいなかったら海外まで広く知られることもなかったのかなと。
    そしてどれだけの苦痛と忍耐を背負ってユダヤ人スタッフたちがこれを撮影したのか・・・
    自分とは異なる他者に恐怖を感じるからこそ、排除するのではなく、お互いを理解・尊重しあうことが大事なんだなと優等生的な感想を抱きました。

  • 陳腐な悪とイスラエル

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