アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち [DVD]

監督 : ポール・アンドリュー・ウィリアムズ 
出演 : マーティン・フリーマン  アンソニー・ラパリア  レベッカ・フロント 
  • ポニーキャニオン
3.10
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本棚登録 : 63
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013098893

感想・レビュー・書評

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  •  アイヒマンの裁判を中継したテレビマン達の実話を描く。

     実話系の重たい映画なのだが、裁判そのものではなく裁判の中継をしたテレビマンに焦点を当てた理由が弱いように感じた。
     今から見ると歴史的な裁判だったが、月面着陸とキューバ危機で視聴率が取れそうになく忘れられそうだったというのは興味深かった。
     あと、アイヒマンは怪物であったか凡人であったかは大事なとこだったと思うんだけど、この映画でどっちという結論を出してないように見えた。怪物の本性を見たいというテレビ的なあせりも興味深かった。

  • 600万人の犠牲のために1人を裁くことは非合理なのか。せっかく作中の女性がそうぽろりと漏らしたのに、この問題がまったく掘り下げられていないために薄っぺらな作品になった。
    イスラエルでの裁判で、ユダヤ人大虐殺の首謀者アイヒマンが裁かれるというのは、もはや「裁判」ではない。復讐だ。

    作中には収容所の目もそむけたくなるような記録映像が挿入されるけれど、その挿入のされ方がすごく下品で不愉快になった。「真実」とか「事実」に沿っていることを盾にとっているような。絶対悪が目前に控えているからといって油断しているような。
    それってけっきょく、果てにはファシズムに行き着く道だと思う。

    ぞっとしたのは、アイヒマンの喋り方が、今の日本の政治家とそっくりだったということ。でもだからこそ、リアルに想像できるのではないだろうか。例えば、そんな日本人政治家が1人、被告として法廷に立っているとする。その様子をテレビ放映するどころか、裁判をすることじたい、時間の無駄と思われないだろうか。アイヒマンもまた1人の愚かな凡人なのだ。それを実感することの方がどれほど重要か。
    けれども本作はあくまで「怪物」として描くことにこだわる。本作に言いたいのは、こんなデリケートな問題を、安易で浅はかなTVショーにすべきではないということ。

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