群像 2016年 10 月号 [雑誌]

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  • 講談社 (2016年9月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・雑誌
  • / ISBN・EAN: 4910032011065

群像 2016年 10 月号 [雑誌]の感想・レビュー・書評

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  • 創刊70周年記念号。
    804ページと通常の2倍以上の分厚さ。
    70年の間に掲載された作品から短篇54作品が再掲載されている。
    ワクワクとしながら全部を読んだ。
    既読の作品がほとんどなかったので、未読の作家と出会う良い経験となった。
    巻頭の座談会「群像70年の短篇名作を読む」は、
    54作品通読後に読んだほうがいい感じだ。結局2度読むこととなった。
    清水良典さんによる評論“「群像」70年の轍”で知らなかった「群像」の歴史を知る。
    坪内祐三さんによる評論“「群像」で辿る〈追悼〉の文学史”や
    名物コラム「侃侃諤諤」傑作選もおもしろかった。
    最後は「創作合評」もきちんとあった。
    お腹がいっぱいである。

  • 創刊70周年記念 群像短篇名作選の号なので。
    三島由紀夫『岬にての物語』
    山田詠美『唇から蝶』
    角田光代『ロック母』
    町田康『ホワイトハッピー・ご覧のスポン』
    本谷有希子『アウトサイド』
    川上未映子『お花畑自身』
    をとりあえず読んだ。
    買おうかと思ったけど結構読んだことがある短篇があったからいいかなあ。

  • ・三島由紀夫「岬にての物語」
     改めて三島由紀夫の小説が読めないことを再確認。苦痛でしかない。

    ・太宰治「トカトントン」
     トカトントンというこの、超虚無な音。日本人の心性を象徴しているように思えてならない。

    ・原民喜「鎮魂歌」
     原爆という重いテーマを、重く書いていて、最後まで読み通せなかった。

    ・大岡昇平「ユー・アー・ヘヴィ」
     こんな重いテーマを、ユーモアをまぶしながら描けるのはやはりすごい。

    ・安岡章太郎「悪い仲間」
     戦時中。思春期の男にとっての憧れである悪を、朝鮮出身の男が教える、この皮肉。しかしこの歪んだ友情が、人間の本質をえぐる。

    ・庄野潤三「プールサイド小景」
     お人好しな妻。ちょっと、夫にとって都合がよすぎやしないか。

    ・吉行淳之介「焔の中」
     少し気取っている。でも読ませる。テーマは「覗き」。また、女というテーマが、戦争というテーマよりも大きいのがいい。

    ・「家のいのち」円地文子
     主人公は「家」。その家に暮らした住人の記憶が、のちの住人にしらずしらずのうちに影響を与える。敵視していたはずのアメリカに、その家は救われる。

    ・室生犀星「火の魚」
     女性を暗示する金魚の魚拓をとる、肋骨を病んだ女性。二重のエロス。男性作家から女性の手紙へと語手がいつの間にか移行しているエロス。

    ・島尾敏雄「離脱」
     内容はむしろ離脱ではなく沈潜。狂いつつある妻に浮気性の男が寝ずに三日三晩問い詰められる。平易な言葉で語られる。思ったのだけれど、本作は、事実に基づいているにしろ、虚構であるにしろ、奇跡のバランスを持ったフィクション=現実だと思う。

    ・倉橋由美子「囚人」
     カフカの「審判」の後日談のような短編。SF的。「断食芸人」、「変身」あたりも意識しているのか。前半の重さ、後半の軽さのバランスがいい。

    ・正宗白鳥「リー兄さん」
     うーん、普通。

    ・森茉莉「気違ひマリア」
     なんとも魅力的な語り口。ちょっと変わったおばあさんから、時系列のはっきりしない、しかし面白い話をじかに聞かされているよう。

    ・深沢七郎「妖術的過去」
     めちゃくちゃ面白いのだけれど、どうして面白いのかが謎。「すーっと」で、ぞっとしたり笑ったり。すごく効果的。しかもタイトルがまた笑える。

    ・小沼丹「懐中時計」
     じわりじわりと味わいが出てくる。ひたすら日常を描いているだけなのに。

    ・河野多惠子「骨の肉」
     快楽は、一人だけでは得られない。

    ・瀬戸内晴美「蘭を焼く」
     表現が身に迫りすぎて蘭を焼く描写が抽象的にさえ思えてくる。

    ・三浦哲郎「拳銃」
     中村文則「銃」との違いは?

    ・吉村昭「メロンと鳩」
     刑務所で鳩を飼う。そして殺す。

    ・富岡多恵子「立切れ」
     深刻なことを飄々と語る。

    ・林京子「空罐」
     空罐をめぐるエピソードも胸潰れるけれど、離島赴任になるかもしれないという教師の心配が忘れがたい。

    ・藤枝静男「悲しいだけ」
     妻の死が悲しいだけ、というあまりに率直な結論が、それまでのだらだらとした描写の裏から不意打ちを食らわせる。

    ・小島信夫「返信」
     面白すぎる。幻想の入り込む要素は皆無なのに、幻想小説のようだ。

    ・後藤明生「ピラミッドトーク」
     順番に読んでくると、小説はここまで来たかと思う。

    ・大庭みな子「鮭苺の入江」
     なんか、頭良さそうな人たちの交流。

    ・津島佑子「ジャッカ・ドフニ 夏の家」
     よくわからないと思ったが、SF小説と思って読むと楽しめた。

    ・色川武大「路上」
     より理性的な深沢七郎。

    ・山田詠美「唇から蝶」
     結末は予想どおりだけれど、語りが珠玉。

    ・笙野頼子「使い魔の日記」
     聖の俗化。

    ・小川国夫「星月夜」
     これダメ。読めない。

    ・稲葉真弓「七千日」
     途中放棄。

    ・辻原登「父、断章」
     完璧な短編。

    ・黒井千次「丸の内」
     見知らぬ老女との噛み合わないやりとりの場面が秀逸。

    ・村田喜代子「鯉浄土」
     再読したい。

    ・角田光代「ロック母」
     まさかこんなふざけた小説で泣くとは、、、

    ・小川洋子「ひよこトラック」
     筆者の物語はいつもだれかが何かを失っている。

    ・竹西寛子「五十鈴川の鴨」
     「臆病者、意気地なしと言われても、僕のような人生は僕一人で終わりにしたい」

    ・堀江敏幸「方向指示」
     鏡の描写の深まりにぞっとさせられた。

    ・町田康「ホワイトハッピー・ご覧のスポン」
     死んでも滑稽。

    ・松浦寿輝「川」
     何をきどって、といいたくなるが、主人公が「平岡」、つまり老いた三島由紀夫だから、そのきどりっぷりに根拠が与えられていて、けっきょく読んでしまう。

    ・本谷有希子「アウトサイド」
     ピアノの中と外。

    川上未映子「お花畑自身」
     タイトルが秀逸。

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