則天武后(上) (幻冬舎文庫) [Kindle]

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  • 大河ドラマ的な中国の歴史小説の一つ。人が権力を獲得する過程を鑑賞した。少し気分がよく、少し薄気味悪い。はじめは、あの女あの男よりも優位に立ちたい、あるいは人を気遣うことをヤシで済ませたいといった誰でも抱く欲望の芽が、どんどんスピードを上げて膨らんでいく。一度抑制するものがなくなると、すごいことになるんだなあ。
     もう一つ思ったこと。それは登場人物が多く、名前に日本で普通使う文字よりもさまざまな漢字が使われている。漢字の名前は我々にとって識別子でしかないが、文書に漢字しか用いない中国人にとっては、名前の文字の印象が、その名前の人物にイメージを与えているに違いない。我々は漢字のパワーに圧倒されているだけで、入り込めない領域があるんだろう。
     そういえば武后に対抗する宰相として褚遂良が出てきた。せめて書道の作品でも鑑賞しよう。

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著者プロフィール

1929年和歌山県生まれ。東北大学法学部卒業。78年に『深重の海』で直木賞受賞。その後、織田信長を描いた『下天は夢か』がベストセラーになる。95年『夢のまた夢』で吉川英治文学賞、2005年菊池寛賞受賞。1997年に紫綬褒章を、2003年には旭日小綬章を受章。剣道三段、抜刀道五段で武術全般に造詣深く、剣豪小説をはじめとして多くの武道小説を執筆。2018年5月26日逝去。著書に『明治撃剣会』『柳生兵庫助』『薩南示現流』『雑賀六字の城』『修羅の剣』『大わらんじの男』『龍馬』など多数。

「2022年 『深淵の色は 佐川幸義伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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