蜜蜂と遠雷 (幻冬舎単行本) [Kindle]

著者 :
  • 幻冬舎
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感想・レビュー・書評

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  • 面白かった!始めはクラッシックの本を読めるのかと…しかし!少し読むと、ググッと先が気になり引き込まれていた。
    小説家とは凄い。音の表現をこんなに文章で表現する事に驚いた。流石に賞を取っただけの事はあると思う。
    まーハマるかは私は乱読なので読めるが別れるだろうなー。
    今まで読んだ事のない世界感。クラシックは奥が深く、音楽家って凄いと思う!

  • ずっと昔に『夜のピクニック』を読んで以来の恩田陸。
    中学生の子どもに勧められ、また直木賞・本屋大賞W受賞ということで期待値高めで読み始める。
    国際ピアノコンクール出場者4人をメインにした群像劇で、
    曲や演奏の表現のバリエーションが素晴らしい。
    ただ、期待値が高すぎたためか、途中ちょっとお腹いっぱいな感じに…
    三次予選くらいからは、怒涛の勢いで読み切った。
    筆力という点では、受賞に文句なし。
    キャラクターもそれぞれ才能にあふれ、魅力的で、キラキラしていた。
    天才にもいろんなタイプがいるなぁ…なんてこともわかって面白い。
    前向きな気持ちになれる一冊だった。

  • 「夜のピクニック」以来と言っていいくらいご無沙汰していた著者だが、直木賞受賞祝いという事で読んでみたが、夢中になって読む事になった、一気読みしたいが章ごとの余韻も楽しみたくなる素晴らしい物語の折重なりであった。音楽表現ではいままで中山七里やのだめカンタービレに感心していたが、それらを上回る表現力であった。物語は「花の24年組」の漫画家たちを思い起こされる何ともドラマチックな展開で、本屋大賞も取るのではないだろうか。これは絶対映像化を望みたいところだが亜夜はやはり広瀬すずになっちゃうのかな。

  • ものすごくおもしろかった。
    国際的ピアノコンクールが舞台で、そのコンクールに出場するコンテスタトたちやその師匠や審査員などの話。
    まず、こんなふうに音楽を言葉で表現できるのか!っていう驚き。ここに出てくるクラシック曲はひとつも知らない(きけば、きいたことある、って思うかもしれないけど、曲名を見ただけだとわからない)のに、こんな情景が浮ぶような、って説明されるとまさにその情景が頭に浮かぶ。どんな曲かわからない曲の説明が延々と続いても、まったく退屈したりしないっていう。その説明がまた詩的でファンタジックで、わくわくして、本当に鳥肌が立つような。
    そうかと思うと、それぞれのコンテスタントたちの話、いわゆる神童、天才といわれるピアニストたちがどんな生い立ちで、どんなことを考えていて、とか、クラシック音楽界やコンテストの舞台裏みたいな話はリアルで、すごく興味深かった。登場する人々がみんないい人で素敵なのもよかった。悪者がいない。みんな音楽を愛していて、なんか心が洗われるような。
    大舞台でうまく弾けるのか、勝ち残っていけるのか、っていう部分ではハラハラさせられて、ちょっとサスペンスを読むようでもあり。
    なんだか、読みやすさとかかな?、ちょっとマンガっぽい感じもするんだけど、ほんとにおもしろかった。

    恩田さんて音楽に詳しい人なんだっけ。演劇界のことも書いてたし、なんでも書ける人なのか。すごく取材とかしたんだろうか。興味深い。。。

    出てきた曲のCDとかつくったらいいのに。買うわ。

  • 可哀想で、などではなく感動で泣けた小説は久しぶり。
    影響し合うコンクール参加者たちのドラマに感動しまくり。

    ただ、作中のほとんどを占める演奏シーンは心情描写や比喩表現によるものが多いので、そこを楽しめない人にはやや退屈な作品かもしれない。

  • なかなか面白く、一気に読んでしまった。評価の厳しいレビューもあるが、娯楽作品ということでそれも妥当だと思う。十分に登場人物に感情移入できたし、何か所も心に迫るシーンもあった。それにしても、塵の描き方は子供っぽすぎはしないか?16歳は少年とは言えもっといろいろ考え、もっとしっかりしているだろう。ここに描かれているような演奏に出会ってみたいと、純粋に思った。

  • ここまで読後感の良い本に出会えたことに感謝したい。
    素晴らしい1冊だと思います

  • 権威あるピアノコンクールにて、世界中から集った若きピアニストたちの悲喜こもごもを描いた群集劇。2つの予選と本選を通して、ピアニストたちは自分の能力・才能を評価され、他人と比較される。それはわずか2週間のイベントだが、ピアニストたちの音楽的、人間的才能を急成長させる。

    ストーリーに特定の主人公はいないが、キーマンとなるのが、養蜂家の父親と世界を転々とする住所不定の天才ピアニスト、カザマジン。彼の弾く独創的なピアノがコンクール参加者たちの心を揺さぶり、共鳴する。

    天才が天才を呼ぶ、少年漫画のような単純明快な青春小説。ストーリーよりも、文章だけで、音楽をここまで表現できる筆者の力量に感動。この文章力が直木賞に値する。

  • 記録

  • 読了。直木賞と本屋大賞のW受賞で話題になった小説。内容も知らず、タイトルに惹かれて読み始めた。
    が、読み始めてすぐ「ピアノの森」を読んだことがある人は誰もが感じるであろう感覚を持った。これはピアノの森の小説版なのか? ピアノコンクールに参加しているコンテスタント達を描いている。風間塵はまさに一ノ瀬海そのものでありホフマンは阿字野 壮介である。
    読みやすく、読みながら音楽が頭に浮かび風景が広がる。でもそれはピアノの森を読んだ時の感覚ではなかったか? この本から感じているのか自分でもわからなくなる。どうしてもピアノの森を思い出してしまい、自分の中でそれ以上にはならなかった。
    音楽の解釈は恩田陸氏のものだろうか、とても読みやすいだけに、この本を読んでいる間、自分の中でピアノの森を拭い去ることができなかったのが残念だった。
    タイトルの蜜蜂はコンテスタントの一人が養蜂に携わっており最後にすこし羽音に触れる箇所がある。遠雷については何を表現しようとしていたのか最後までわからなかった。
    直木賞や本屋大賞を受賞していて、表現力は素晴らしいと思う。ピアノの森を読んだことがなければきっとふつうに楽しめると思う。
    そして、ピアノの森をもう一度読みたくなった。

  • 読んでいて情景が浮かぶ
    ピアノ好きにはたまらない一冊
    一人一人の物語があり
    みんなを応援したい、けどなんとなく物語の終わりはわかる期待を裏切らない作品
    ワクワクしながら読める

  • 一気に読めました。良かったのですが、出てくる楽曲を知ってたらもっと面白いと思えるのかなと感じました。

  • 蜜蜂を追って生きてきた少年の音楽性、日々の生活に音楽を見出す「悲しきヒロイン」の女子音大生、音楽で生きることを辞めたサラリーマン、、それぞれの音楽が優勝者の決まるコンクールの舞台で高めあう。。

    僕はこの話の中で人の生活はどこにでも芸術(感性)に満ち溢れていて、そして、その受け取り方は千差万別であることを思い知った。

  • 蜜蜂と遠雷、読了。一気に読む。引き込まれるなぁ。描写がいいし、気持ちが清々しくなる。

  • ちょうどAmazonのセール期間で、半額近くで購入。記憶が正しければ、直木賞と本屋大賞の二冠、またクラシック聴くの嫌いじゃないしで、満を辞して購入。

    が、ダメだった。

    何度かtryはしたのだが、ついに半分強でギブアップ。ピアノの音を活字で表すのは、無理!僕にはまったく伝わらなかった。知っている曲ならまだしも、知らない曲を文章で皆さまどうやって楽しんでいるのか、、、僕には理解出来ず。

    登場人物には興味惹かれたので、誰が最終的に一番になったのかは知りたい。。

    きっとこの作家さんとは、相性が合わないってことなのでしょう。残念…。

  • すごい良かったけどもっと全員傷ついてほしい!!と思ってしまっ…でもそうじゃないのがストイックでむしろよかったのかもしれん

  • 恐ろしく美しく、強い。至高の読書体験だった。ひとつひとつの文から音が流れ出して響き渡り、強い感動を与える。
    才能とは、天才とは、音楽とは、コンクールとは...ものすごく緻密な群像劇であり、登場人物たちに遠く手の届かないアマチュア音楽家である自分も、その場に寄り添い、奏でること、聴くこと、考えることを共有している。
    読み終わった後の虚脱感、遠いところに連れてこられたな、という感情がものすごく強い。読みながら「自分にとっての音楽」はなんなのかずっと考えていた。とにかく読み応えが圧倒的で、読んだ後もひたすら放心しながら考えている、という矛盾した感情が渦巻いている。楽しかった。
    個人的にはこれは小説だからこその表現だな、と思ったのだが、これを一体どう映像化するのだろう、という気持ちにさせられる。

  • 本選最後まできっちり書ききってあって素晴らしい。そして登場人物や「音楽」の行く末に祝福が感じられるのがまた良い。

  • 再読。kindle。何回読んでもいい。映画化されるなんて、なんて無謀な。文学にしか表現できない音楽を実際の音にするなんて。まあでもこれだけの作品に出会ってしまえば、自分の手で映画にしたいと思うのも無理はない。まだまだ何回でも読めるわ。

  • 本を開く間、ずっとホールにいて音を聴いていた。キャラクターが魅力的で、ぐいぐい引き込まれます。ラストが若干駆け足だったような?

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

恩田陸の作品

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