帰ってきたヒトラー コレクターズ・エディション [DVD]

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監督 : デヴィッド・ヴェンド 
出演 : オリヴァー・マスッチ  ファビアン・ブッシュ  クリストフ・マリア・ヘルプスト  カッチャ・リーマン  フランツィスカ・ウルフ 
  • ギャガ (2016年12月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4589921403801

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帰ってきたヒトラー コレクターズ・エディション [DVD]の感想・レビュー・書評

  • これは今年劇場で観賞しました。

    2015年ドイツ映画。監督・脚本はデヴィット・ヴェント。原作はティムール・ヴェルメシュの同名小説です。
    主演はアドルフ・ヒトラー役のオリヴァー・マスッチ。それに彼を売り出すことになるフリーライター・ザヴァツキ役のファビアン・ブッシュ。その他としてはテレビ局の副局長役にクリストフ・マリア・ヘルプスト、局長役にカッチャ・リーマンなど。

    ある晴れた日のベルリン。かつて総統地下壕があった場所にアドルフ・ヒトラーがタイムワープしてきた。あまりにも似ている役者と勘違いしたフリーライターのザヴァツキは、彼をドイツ中へ連れ回し彼の姿をフィルムに収めるのであった。Youtubeでその映像が爆発的アクセス回数になっていることを知ったテレビ局は彼をさらに売り出すべく様々な番組へ出演させるのだが・・・。

    ヒトラーやナチスネタはタブーであると聞いていたドイツで製作された、ヒトラーをネタにしたコメディー映画です。コメディというかパロディなのですが、ホロコーストをネタに使用したり、ヒトラーをギャグとして扱ったりと一見何でもありの映画のようにも思えるのには驚きました。
    しかし、映画の真のテーマとしては、徹底的にヒトラーの存在を笑い飛ばすのと同時に、ヒトラーの言説は知らず知らずの内に人々の心に浸透するものであり、あなたもそのような大衆と同じなのだということを皮肉っていたのだと思います。たびたび挿入されるドキュメント風に撮られた「ヒトラー」と大衆の交わりの場面や、現代ドイツの政治状況や難民受け入れ問題の描写などはそうした方向に向かう可能性を指摘したものであるといえます。

    アドルフ・ヒトラー役のオリヴァー・マスッチは、あの服装と姿をしていればまあ似ているようで似ていない気もするしといった感じなのですが(笑)、話し方や仕草などはよく似せた感じで演じていたと思います。特に演説の場面については迫力ある演技で魅せてくれました。
    映画そのものについては、ヒトラー映画の集大成を自負しているのか、チャップリンの『独裁者』やブルーノ・ガンツ主演の『ヒトラー 最期の12日間』を始めさまざまなヒトラー映画のワンカットが挿入されていましたが、ヒトラーのパロディの面白さもさることながら、特に『ヒトラー 最期の12日間』の一場面のパロディがあったりしてなかなか楽しませてくれました。
    ただ、あまりにもパロディやギャグを意識し過ぎたせいか中だるみ感があったようにも思い、もっと全体の時間を絞って濃縮した方がよりテーマをわかりやすくできたのではないかと思います。個人的にはヒトラーの演説場面をもっと観たかったかな。

    この映画や原作小説はドイツに受け入れられたようですが、忘却や風化の故ではなく、批判的な面白さとして受け入れられたと思っています。日本もですけど。
    この映画の皮肉が本当に皮肉にならないよう心に留めて欲しいものですね。
    それにしてもこのような映画が作られるとは、あきらかに時代は進んでいるのですね。

  • モザイクや目隠しがされていない人は
    役者の可能性が極めて高いのに、
    途中からあたかも一般人のように見えてくる。
    その「一般人」役の役者の演技は
    なんら違和感はない。
    ただ、頭では「役者だ」と思っているにも関わらず、
    「ドキュメンタリー映画だ」と感じてしまう自分が恐ろしい。
    映画の内容的にも、あえてこの手法をとったということは、
    「気付かない間に(嘘だとわかっていたことが)真実だと錯覚してしまう」というメッセージも含めていたのではないかと思う。

  •  自殺する直前のヒトラーが突然現代に舞い降りた。彼はヒトラーを演じる芸人として人気を得ていくが。。。
     大人気小説を映画化。

     かなり小難しい小説なのでどう映画化するのだろうと思ったが、原作をちゃんとなぞりつつ大胆な+αを加えている。
     その+αとはドキュメンタリー要素。 オリヴァー・マスッチ演じるヒトラーが実際に街に出て色々な市民と話すシーンをそのまま映画に入れているのだ。ヒトラーを受け入れる人、嫌悪する人、反応はそれぞれだが、この生の反応は面白い。
     映画化にあたってちょっと残念だったのは原作よりヒトラーを分かりやすく危険に書いているところ。原作のヒトラーはネオナチよりリベラルに共鳴し、ヒトラーとリベラルが紙一重であったことをうかがわせる。ちなみに原作のラストは、ヒトラーが今までユダヤ人を敵だと思ってたが、実はそれはユダヤ人ではなくグローバル企業だっと悟るところで終わる。

     まぁそれでも映画化の難しい小説をうまく映画にしたと思う。
     興味を持った人はぜひ小説も読んでほしい。

  • まったく予備知識なしで 観ましたが、

    笑いもあり、怖さもあり・・ チャレンジ精神もあり・・

    この作品を作ったドイツの人々を尊敬しました。

    今の日本で、

    例えば、第二次世界大戦時、暴走した陸軍の誰かを笑う映画を 作れるでしょうか??


    「今 難民問題に悩む欧州に、

    もし ヒトラーのような ある方向性を決定づける人物が出てきたら・・

    あなたは、どうする?

    笑う? 批判する? それとも・・?」

    と 問題提起するような内容でした。


    途中、ヒトラーと主人公が、いろんな方に突撃インタビューをするのですが、

    その中に政治団体もあって・・ 

    演技ではない緊張感がありました。



    ちょうど、2017年1月31日、

    米国のドナルド・トランプ大統領が、難民の受け入れ凍結とイスラム圏7か国の出身者の入国禁止を指示した大統領令を出し、

    この映画を思い出しました。


    ヒトラーも、演説がうまく、自国(ドイツ)を大事にしていました。

    怖いのは、そういう人物を良しとする 大勢の人々がいることです。

    第二次世界大戦時のドイツには、ヒトラーを支持するドイツ人が多かった。

    今のアメリカは・・半々でしょうか?


    あの人は、ヒトラーと もしかしたら似ている部分があるかもしれない、

    私たちは、ヒトラーを支持した民衆と、もしかしたら そう違わないかもしれない・・

    と 時には 疑ってみるのもよいのではないかと思いました。

  • ER IST WIEDER DA
    2015年 ドイツ 116分
    監督:デヴィッド・ヴェンド
    原作:ティムール・ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー』
    出演:オリヴァー・マスッチ/ファビアン・ブッシュ/クリストフ・マリア・ヘルプスト
    http://gaga.ne.jp/hitlerisback/

    原作は未読。あのヒトラーが現代にタイムスリップしてきたら・・・?というブラックコメディ。序盤は、タイムスリップものの定番であるところの、昔の人が現代にやってきて文明の利器に驚く系のギャップで笑いを取り、周囲の人はコスプレかモノマネ芸人だと思ってとくに不審がりもせず、というお約束の展開。

    テレビはもとより、観光客が一緒にスマホで自撮り、SNSで拡散、Youtubeで配信など、いかにも現代らしいツールを使って、ヒトラーが受け入れられていく過程は現代ならでは。ありえそう、と思わされる。この時点では映画の中の「国民」も、映画の外の観客も、ヒトラーのことを新しいゆるキャラ程度にしか認識していない。

    大きな転換があるのは、認知症のお婆さんがヒトラーが本物であることを見抜き罵倒する場面から。怖いのは、ヒトラー本人が言うように、結局彼を指導者として選んだのはまぎれもなく「国民」自身であったということ。確かに彼の演説には説得力があり、ブレない指導者としてのカリスマ性があり、国民は後でそれが間違いだと気づくとしても、一度は彼を選び、彼を求め、彼の思想を良しとしたわけで。現代にタイムスリップしたことを彼は「神意だ」と言う。つまりまた彼のような人間を人々が潜在的に求める時代が来てしまっているということ。これは怖い。すごい皮肉だ。

    後半、ヒトラー自身がこの体験を書いた「帰ってきたヒトラー」という本(ヒトラーにとってはノンフィクションだが、読者はもちろんフィクションだと思っている)がベストセラーになり映画化され、映画の中のストーリーと映画そのものが混在する構成は面白かった。

    あとひとつ、犬好きの人にとっては大変不愉快な場面があるので要注意。個人的には映画館で、その場面で大声で笑う客が数人いたのが不愉快でした。確かにこの場面でのヒトラーの動作自体はコミカルだったけど、ぜんぜん笑うところじゃない。ここで笑うような人間が、きっとヒトラーのような人間を支持するのだろうなと思って気持ち悪くなった。

  • 異例の問題作として公開当時話題になっていた一作。
    ついに見る機会を得ました。
    コメディだと聞いていたのですが、徐々に話が重みを増していき、途中からは「これコメディか?!」と思うようなところが多々ありました。

    事前情報で一般市民に話を聞いているところは仕込みでもなくエキストラでもなく、本当に何も知らない人たちと話していると聞いていたので、これがリアルなドイツ国民の声なのか…!と驚きました。相当数の難民を受け入れていていろいろ苦労があるから、不満が高まっていることは事実なんですが、不満がかなり溜まっているな、と。
    それに、ヒトラーを見たときの人々の反応ですね…。ドイツ史における大悪人のはずなのに、かなり人気を博していて驚きました。本人がとっくの昔に死んでいるという事実があるからこそ、人々は本物だとは思わずに何らかのパフォーマンスであると判断していたのでしょうが。
    一方で中指を立てている人や威嚇している人もいて、リアルなドイツがありました。

    途中からどこがドキュメンタリーでどこが映画(役者が演じている)なのかがわからなくなって、「なにが現実なんだ…?!」と戸惑ってしまいました。すごいです。素直に怖いと思いました。

    これはコメディに分類していい映画ではないと思う。

  • ドイツ人にとってヒトラーの存在ってもっと、ブラックホールなのかと思ってたからはじめは滑稽なヒトラーの姿に一体どんな気持ちで観ればいいのか分からなかった。
    たまに目線が入るドキュメンタリー風?映像もあり、結果的にすごく面白いのに、あまりにブラックすぎて観たあとから考えるほどになんとも言えないぞわぞわ感が出てくる作品でした。
    「総統ヒトラーは恐ろしき指導者だった。」ということはは紛れもない事実だけど、彼だけが圧倒的なサイコパスな支配者だったのかはわからない。
    珍しいものにすぐ飛びついてそれがあっという間に広まってしまうメディアやSNSが普及した現代✖️ヒトラーのそっくりさんという恐ろしき構図。

    現代に帰って来たヒトラーを面白おかしく盛り上げるこの作品に出てくる一部のドイツ国民たちのように、あの頃もきっとそんな風に彼の圧倒的な指導者然とした振る舞いがナショナリストの国民を熱狂させてたのだということもこの作品を観ると容易に想像つきます。

    70年以上経ってもなお歴史上の過ちの足枷をはめEUを経済的に支える大国になっているドイツでも、移民政策によりヒトラー統治時代のように右翼意識の強まる国民感情や若者によるネオナチ化など、隠しきれない現在のドイツの姿をしっかりと風刺していて、コメディだけど、「ちょっとしたきっかけで歴史は繰り返されるんだよ。」というブラックなメッセージが込められているような気がしました。

    もし、「ヒトラーだって本当は普通の人のいい人間だったかも」みたいな話だったらどうしようかと思ってたけど、綱渡りみたいなほんとにギリギリの所を攻めながらも、あの歴史を忘れないようにしようというメッセージ性も感じられた、いろんな意味で勇気ある作品でした。

  • 面白い、と言っていいのか。
    フィクションとわかっているのに、その妙なリアルさにぞっとする。
    ヒトラーに「私のころより悪い」と言われてしまう現在のドイツ。ヒトラーと街の人や政治団体との政治談議なども織り交ぜた風刺の利いた社会派コメディーかと思いきや、そういう問題ではなかった。”芸人”として受け入れられつつあったヒトラーとユダヤ人のおばあちゃんが出会ったシーンで、現実を突きつけられた。私たちはやはり本当の戦争を分かっていないのだと。そしてそのことは、再び誤った選択をしてしまいかねない危険性をはらむのだと。ドイツの人はどんな思いでこの映画を見たのだろう。それすら私には想像できない。ヒトラーのこと、歴史のことをちゃんと知りたくなった。

  • 音楽はセンスない上に過剰。

    ヒトラーはあんまり似ていない。この役者の方がハンサム。

    きっと原作はもっとアイロニーがあったと思うが、映画はコメディにするためドタバタした印象が強い。

    ニュースでは伝わらない、ドイツの庶民の声が聞こえてきたのは良かった。ドイツ人ならもっと楽しめただろう。
    現在右翼とされる政党より緑の党がヒトラーの考えに近いとか。今の右翼のバカさ加減、腰抜けの様子など。

    ヒトラーを恐ろしい狂信的な人物にせず、話術巧みで人心掌握の上手い魅力のある人物として描いたのは、ある意味危険なのだが、実際そうであったろうと納得させられる。
    独裁者と言われるが、この映画でも言っている通り、選挙で選ばれたのだ。じゃあ、選んだ国民に責任はないのか。
    極右政党が台頭し、移民に対する感情は厳しく、ISのテロも起こる現在、ヒトラーのような弁舌巧みで魅力ある政治家が出てきたら、果たして同じ過ちをくりかえさずにいられるのか、という問いを残す幕切れ。
    映画としての出来はそんなに良くないけれど、一見の価値はあると思う。日本も状況は似ているから。

  • 2015年ドイツ映画

    ヒトラーが現代に蘇ったら?というベストセラー小説の映画化。 原作初版は2012年。

    このヒトラーを見つけたのはクビになったばかりのモトTVマン。 ヒトラーを単なる超そっくり芸人と思い込み(そりゃそうだわな)”売れる”企画に仕立て上げようと奔走する。

    その過程での数々のヒトラーの発言は、イイ事も言ってるんですね。現代のしつけがダメダメでロクにモノもしゃべれないような若者を嘆いたりもしている。
    共感できる部分は大いにあるわけで、そのあたり、フィルターをかけることなくダイレクトに描き出している。

    ヒトラーはTV芸人として一度コケるものの、再起する。
    メディアは、なによりも "売れる” ことが第一だから。
    売れればナンでもいいから。。。

    ”売れっ子芸人”ヒトラーが街中で一般人と交流するシーンがふんだんにあるのだが、これは セッティングしたのではなく 素で撮った映像、素の一般人の反応だそうだ。
    我が国の 政権の支持率も、結局普通の有権者の支えがあってこそ。。。。。

    いずこも同じ。

    モトTVマン氏がヤバいと気付いたときには、すでに遅し。
    ゲッペルスはその力を盤石なものとしているのでありました。

    かの有名な総統閣下のシーンのパロディシーンあり。
    他にもいろいろ挿入されているんだろうな。
    https://www.youtube.com/watch?v=NhvD8tm1zI0

  • 2017/02/18
    コメディーでありつつ、かなり怖い映画だった。
    うっかりヒトラーに魅了されちゃう人々。
    トランプを選んだアメリカ国民はこの映画をどんな気持ちで観るんだろう。

  • コメディ映画とホラー映画を同時に見たような、
    今まで味わったことのない感覚になった。
    こんな内容の映画がドイツ国内で撮影されて公開されて、
    そしてヒットするという事実に、
    ドイツという国の文化の奥深さ、表現の自由を感じた。

    映画は半分ドキュメンタリーで制作しているのがとても面白い。
    平気で移民の排他について熱弁をふるっている人がいて驚いた。

    いかにドイツ国民はヒトラーに操られたかではなくて、
    いかにドイツ国民はヒトラーを支持したか、
    ということに主眼が置かれている。

    そういえば、人種や国籍、民族間の憎悪を利用して
    大統領という権力まで登りつめた男を最近見た気がする。

    自分が思い描いていたラストは、
    主人公、いわゆる現代の人々が過去のヒトラーの亡霊を蹴散らし、
    数ある困難を一緒に乗り越えていく、という希望あるハッピーエンド。
    でも実際は・・・たまらん。

    クリストファー・R.ブラウニング著『普通の人びと』の
    「彼(ヒトラー)一人を笑いものにすることは、
     彼に従った人間たちの罪や責任を
     棚上げすることになる」の一文を思い出した。

  • ヒトラーをつくりだしたのは一般市民であり、一人一人の中にヒトラーという狂気は潜んでいる…。そして今の社会はヒトラーにとって好機であるという締めくくり方が背筋を凍らせた。
    いろいろ考えさせられた。

    局長のシーンでパロディ入ったのは笑ってしまった。

  • ヒトラーが現代に蘇った話。

    ヒトラーがドイツ中をめぐり、町の人々の声に直接耳を傾け、民主主義について意見を交わすシーン。人々は、ヒトラーのコスプレをしている芸人として初めは面白がり、一方、熱くドイツの未来を語る彼を徐々に支持していくところ。
    背筋がぞっとなりました。

    今でこそ狂人として語られるヒトラーですが、当時は誰もそれに気づくことなく、民衆を引っ張ってくれる頼もしい指導者として、熱狂的な支持を得ていたのです。

    ヒトラーのセリフです。
    「自分は民衆を扇動したのではない」
    「政策をはっきりと明言し、そして、民衆に選ばれたのだ」

    顔にモザイクがかかっていたりするのは、一般のドイツ人なのかな。ゲリラ撮影したようだから。
    でも、移民排斥に賛同したり、国のためなら死ねると言ったり、ヒトラーとピースして写真を撮ったり。
    蘇ったヒトラーがつぶやいていました。「好機到来」と。

    これは現代に警鐘を鳴らしている強烈な風刺映画だと思います。ドイツだけではなく、アメリカも、そして日本も。

    『ヒトラー最後の12日間』をパロッたシーンは笑えました。総統閣下シリーズとしてニコニコ動画などでおなじみのあのシーンです。

  • 【コメント】
    ブラックジョークではなく、2014年現代の
    社会問題をドイツではタブーになっている
    ヒトラーを立ち回らせることによってあぶり
    だしている。
    政治的な状況、移民問題、労働問題、
    環境問題・・・

    *** 2016年末時点の世の中。
    今となってはメディアがチヤホヤしてきた
    グローバルスタンダードやリベラル的な考え
    方は、様々なところでボロがでてきている。
    (一握りの金持ちが国の垣根を越えて金儲け
    をする。移民を推し進めて地元民の職を奪い
    治安を悪化させている)
    社会的な流れはリベラルから保守に移ってき
    ているようだ。イギリスのブレグジット、
    アメリカの選挙で選ばれたトランプ氏はTPP
    を否定している。

    *** ドイツの世相とメディア
    元となった小説の発表は2012年だそうだから、
    その頃からドイツではこの様な世相があった
    ということだ。
    作中での市民の発言では、移民に対して不満を
    叫ぶことは、できない風潮になっているようで、
    まるで今の日本と同じであることに気づく。
    ヘイトスピーチはいけない。というやつだ。
    ※どこの国でもそのようだが、国民感情とは
    かけ離れてメディアが世論をリベラル寄りに
    コントロールしようとしているようだ。
    アメリカではメディアが散々トランプをたた
    いておいて蓋を開けてみればトランプが
    ヒラリーに勝った。

    *** クスリとさせられるパロディ
    作中ヒトラーの活躍を快く思わないテレビ局
    の重役ゼンゼンブリンクが彼を追放してしまう
    が、ヒトラーなきあと局の番組の人気はガタ
    落ちになり、あげく広告収入ゼロということに
    なってしまう。そしてそれをうけた重役会議の
    シーンでは、アベコベにも『ヒトラー最期の
    12日間』でヒトラーが演じた有名なあのシーン
    をヒトラーを追い出したゼンゼンブリンクが
    演じるカタチで再現することになる。。。
    この様なちょっとしたお遊びは知っている人に
    はクスリとさせるものだ。

    *** 最後に
    この物語りがどうのということもあるが、
    作者がヒトラーを現代に甦らせて立ち回ら
    せたことの意味について考えるてみると
    面白いと思う。

    【内容】
    2014年の現代にヒトラーが甦った話し。

    現代に甦ったヒトラー。
    彼は民衆の声に耳を傾け、社会問題に向き
    合っていく。
    時代錯誤だが大真面目にふるまう彼の振舞い
    は、人々から滑稽に思われ、メディアで活躍
    し人気ものになっていく。そしていつしかそ
    の発言は影響力を持ち始めるのだが。。。

  • ヒトラーが現代に現れたら、という映画。不満を汲み上げ、意思を表明し、人に寄り添う。WW2で彼が国民に選ばれたように、現代でも人々の支持を得ていくようになる。不意のゾクッとする瞬間が少ないのが一番怖いことかも。

    笑うな危険、のキャッチコピーは笑ってはいけない、というよりこの映画で笑えてしまうという事を考えてね、みたいな意味だと思う。巧みな言葉に人は驚くほど簡単に心を許してしまうものなんだと感じた。

    ある意味これがドイツで撮られた、というのは安心要素かも。自覚なのか自戒なのかは分からないけど、まだ事実が廃れてないって意味にも取れるから。

  • ヒトラーが言っていたことは間違っていないかもしれない
    彼は決して悪人じゃない
    どちらかというとお茶目なところもあって、人の話を聞く人間だ

    見ている間、そう思っていく自分が怖かった。
    こんなふうにして、かつてドイツの人たちはヒトラーに惹かれていったのだろうか。

    どんな人をリーダーとして良いと思うか。
    それを選ぶのは国民。
    その時、国民の中にどんな感情が渦巻いているかがすごく大事なんだ。

    ヒトラーはそんな彼らに選ばれたにすぎないのか。
    そしてどちらにしても、信念の人ではあったのだろうな。

    良いとか悪いとか言えないことなのだと思った。
    でも、やはり、人の尊厳や自由を奪って何かを手にすることは、私は許せない。腹立たしいこと。
    でも覚えていないと、忘れてしまいそうだと思った。

    撮り方もとてもおもしろかった。
    ドイツの人たちが、ヒトラーを実際に目の当たりにした時にどんな反応をするか、それが収められていた。
    それも、人の嫌なところを垣間見ているようなものもあって、なんだかとっても怖かったのだ。

    それと同時に面白い。
    予定されたセリフではない、その人個人でしかありえない返答や返し、アドリブ。
    そういうものが私は好きだ。
    見ていて、自分の想像をどんどん超えていくところが面白い。予定外のことたち。
    映画が嘘を描いているものだとは思わないけど、それでもそこには人のほんとうがあるような気もする。

  • やや流れに不満。
    ただ、衆人を引き込んでいくテクニックていうか、人の心の中にある何かをすっと引き出してくるその操法みたいなものと、それにいともあっさり乗っていく衆人とを観て、結局火種は決してなくならないし、それは何気ない瞬間に点いて、あっというまに燃え広がり、容易に消せず、現在の過去から学ぶってことがいかに無意味かを思い知らされる。

  • 「計画した者たちが私を選んだのだ」
    この認識は、いまの日本の世情(アドルフ=アベ)とも照らし合わせてヒヤリとさせられた。アドルフ・アベが政権にとどまっているということは、多くのアドルフ・アベ支持者がいるということ。

  • 最初のシーンの空気感(「誰も敬礼してくれない」云々)で進むのかと思ったが違った。あのシーンはどこに挿入されるのだろう?

  • ドイツが作った超ブラックなコメディ。
    これは楽しい。
    でも真面目なドイツ人気質があるような。
    アハハと笑えるのは私が日本人だからだろうか。
    それともアホだから?
    ヒトラーはどうしてもトランプさんと重なるなあ。

  • デヴィット・ヴェント監督•脚本、2015年作。
    オリヴァー・マスッチ、ファビアン・ブッシュ出演。

    <あらすじ(ネタバレ)>
    現代にワープしたヒトラーが、クビにされたTV番組企画担当のザバツキに、モノマネ芸人として見出され、ドイツ国民の不満に応える話題で人気になるが、それに気付いて本物だと言い始めたザバツキは精神異常者として隔離され、ヒトラーは親衛隊を組織していく話。

    <コメント>
    世界に広がる反グローバリズムとポピュリズムに警鐘を鳴らす映画。
    ヒトラーは悪とされているが、プロセスとしては国民に選挙で選ばれていた。国民の不満を掴んでそれに応える形で権力を掌握した点では、現代政治でもヒトラー型の政治が行われる危険性があることは当時と全く変わりない。
    2015年公開だが、当時のヨーロッパの政治はそういううねりにあったし、それはアメリカにも及んで行った。原作は読んでいないが、映画がコメディ色が少なくなっていると評されるのは、現代政治のトレンドを突きつけるテーマに切り替えたということなのかもしれない。

  • とてもおもしろかった。
    ヒトラーが現代にタイムスリップしたら、、、という映画。
    一見コメディ風に描いているが、
    ヒトラーに対するイメージを場面場面で切り替えて、観ているこちらもそれに振り回されながら、そのたびに大事なことにハッと気づかされていくという結構深い映画。
    憎まれ者を世に出す逆転の発想が人気を得ていくことで、(みんな無言の圧力で言えなかった何かをヒトラーの登場で爆発させる)、実際に人々が圧倒的カリスマ性を持つ人に取り込まれていく
    人間の心理の変化や、表現の裏に隠された何か黒い意識や、何が本当かわからない怪しい感じ

    誰がまともで誰がまともじゃないか?
    ヒトラーを捉える視点によっては気が狂ってるとみられたり、賞賛されたり、おもしろかったり

    今の世の中の偏見やら思い込みやら記憶で事実が変わっていくという話


    おもしろい

  • ドイツすごい! ヒトラーを絶対に英雄視しない、許していない、現代の難民差別傾向にヒトラーを使い警告さえしている。
    この国はなぜこんなにも歴史に向き合えるのだろう。治安維持法で虐げられたのに秘密保護法がすんなり通った日本人が日本が、浅薄で悲しくなる。
    コメディーと思いながら観ていたが、国にとっては砂つぶにも満たない自分が、どうありたいかあるべきかを考えさせてくれる作品だった。

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