プロパガンダ・ゲーム(16年版) [Kindle]

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  • 2016年9月10日発売
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感想・レビュー・書評

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  • 週プロ定額購読のために申し込んだKindle Unlimitedサービス。
    せっかく読み放題なんだから小説も少し漁ろう、ということで
    深く考えずにチョイスしたのがこの根本聡一郎作品。

    そのものズバリなタイトルと挑発的な表紙のデザインで最初は
    軍事モノだと思ったのだが、なんとこれは「就職」の「最終選
    考」の様子が描かれた物語。

    大手広告代理店(モデルは間違いなく今話題のD通^^;)の最終
    選考に残った男女8人が「政府」と「レジスタンス」の2チーム
    に別れ、バーチャル国家「パレット」が行おうとしている「戦争」
    についてそれぞれの立場で広報活動を行う。決着はバーチャル
    国家国民の「投票」で行われ、政府側は賛成、レジスタンス側
    は反対の結果を目指す、という内容。

    およそ8割はこの「プロパガンダ・ゲーム」と名付けられたゲー
    ムの実況。それなりに文章量はあるのだが、展開がスピーディ
    ーかつスリリングなのであっという間に読み終わってしまう。
    刻一刻と変わっていく状況に手に汗を握らずにいられない状況。
    そしてこの作品のポイントは“ゲーム終了後”にあり、そこを読
    んだらで誰もが唸るハズ。かなりの傑作、と言っていいと思う。

    実際に近場で起こりうる話であり、そういう怖さに溢れたエピソ
    ード。あの仕事に着手した時、ボスに「返事はハイかイエスだ!」
    とハッキリ言われ、麻薬に侵されたかのようにその言葉通りに動
    き続けてしまったことを思い出した・・・。

    ・・・正直、Unlimitedで読んでしまったのが申し訳無いくらい(^^;)。
    お詫びにUnlimited対象になってる根本聡一郎作品、全部読ませ
    て貰います!10ページ読めばメーカーに1冊売れたとカウントさ
    れるらしいので(^^;)。

著者プロフィール

福島県いわき市出身。1990年生まれ。東北大学文学部卒業。東日本大震災をきっかけに、学生時代からのNPO活動と並行して小説を書き始める。2016年、Kindleダイレクト・パブリッシングで個人出版した『プロパガンダゲーム』が大きな話題を呼び、2017年双葉社より書籍化。その他の著書に『ウィザードグラス』『宇宙船の落ちた町』など。

「2020年 『人財島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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