地方創生大全 [Kindle]

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  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • 地方創生がこんなに叫ばれているのになぜ地方は元気にならないのか、という疑問が解けた。
    民間で会社員として働いていたら少し驚いてしまうような自治体の実態も、よく聞いてみれば、会社にある組織の歪みとよく似ているのも興味深かった。
    結論、地方創生に必要なのはきちんと継続する覚悟をもったマネタイズであり、そのためには愚直なマーケティングの試行錯誤が不可欠だと教えてくれている

  • ビジネスの現場でも、いまならDXの現場でも同じ。当事者でないと(あるいは当事者感を持てないと)自発的な行動とその継続が難しい。また、自分(市民・社員)たちが本当に使いたいものになるかどうかにもかかってくる。外注先に丸投げして出来上がったものが数年後には使用されていない、さらに地方創生に関して言えば使用されていないものの救済にさらに税金を投入しているという残念な例が散見されるとのこと。自分の自治体はどうなんだろう?と気になって調べてみることになる一冊。
    行政と予算の関係は個人と宝くじのお金の関係に似ている。使うことにしか頭が行かず、そのお金でどう継続的に利益を生み出すかを考えられる人は少ない(らしい)。

  • 自分もまだまだ机上で向き合ってる人間で耳が痛い部分もありましたがとても参考になりました。ノイズを取り払ったボトムアップなやり方で、利益が出続ける事業を創出することが重要だと分かりました。実際に現場でリスクをとって向き合うことを念頭に自分の向き合い方を改善したいと思いました。

  • ずっと前に買ってはいたのですが、ようやく読みました。感想としては
    ・著者はめっちゃビジネスマン
    ・内容については感じているものがほとんどだけど、ものすごく整理されていて自分の頭の中が整理された。
    ・2016年にこんな本がでているのに、なぜ今も同じようなことが繰り返されているのだろう。

    でした。
    自分は行政に関わったことはないですが、国予算のプロジェクトに関わった時に感じたことがほぼ書いてあったので実感として理解できました。

    個人的にも(地方創生関係なく)、私自身もっとビジネスに対する意識を上げていくことが必要だということもあらためて感じました。

  • 地方再生の実情について、飾らない最前線の現場の実情がよくまとまっていた。
    わかる、そうなんだよ、と頷き、納得する部分が多い。
    けれど、本書を読んで行動できるか、というとなかなか難しい。
    地方創生は、誰も思い浮かばなかった素晴らしいアイディアでなくてもいい。一手で現状が変えられるアイディアでなくてもいい。失敗してもいい。
    小さな失敗を何度もし、試行錯誤し、少しずつ地方に儲かる仕組みを導入する必要があるのだと、納得させられる。

  • 「地方創生」を今年のテーマとし、年始一冊目に選んだのがこちら。 やはり現場の声は辛辣だが、これが実態。また、ムラ社会での実例は、企業の新規事業に共通する点が多々ありました。 “失敗が共有されない、小さくても利益に拘る、完全な合意形成より始めてみて成果で示す。“ 目を覚まされられるに十分でした。

  • 実践と発信の両輪による説得力。
    人口問題を厳密に分類、目的に応じた対策を検討。
    根本を突き詰める姿勢。

    ◯見せかけの成功事例か否かを見破るポイント
    ( 1 )初期投資が交付金 ・補助金のような財政中心ではなく 、投資 ・融資を活用しているか
    ( 2 )取り組みの中核事業が 、商品やサ ービスを通じて売上を立て 、黒字決算となっているか
    ( 3 )始まってから 5年以上 、継続的に成果を出せているか
    ( 4 )トップがきれいなスト ーリ ーだけでなく 、数字について語っているか
    ( 5 )現地に行ってみて 1日定点観測して 、自分の実感としても変化を感じるか

    ◯人口減少は結果であって 、原因ではありません 。そもそもなぜ人口が減ったのかを考えないと 、問題は解決しません 。

    ◯一連の 「地方消滅 」の議論では 、 3つの議論が混在しています 。ひとつ目は 「地方という存在そのものの衰退 」 、 2つ目は 「地方自治体の経営破綻 」 、 3つ目は 「国単位での少子化 」です 。

    ・パークマネジメント、公共空間の利活用のための制度設計・整備

    詳細kindle

  • どうもこんばんは、ゆるキャラやプレミアム商品券を目にすると「どこにそんなカネあんだよ、じゃあ住民税下げろや」と思い、ふるさと納税するごとに「こんなことで区は僕に今まで通りのサービスを提供してくれるのだろうか」と思う僕です。要はきちんと民間というか、スタートアップの視点でやるんです、諦めんな、という木下さんの持論が展開される本。タイトルは連載時の「失敗事例集「墓標シリーズ」」の方が挑発的で好きです。

  • 地域活性化についての本ですが、民間企業にも活用できる内容でした。

    「地域活性化も経営である」という大前提が抜け落ちているものが大多数であり、ゆるキャラ、B級グルメなど、税金をつぎ込んでやるべきではない名ばかりの経済政策を紹介している。反対に、成功事例も紹介されており、とても分かりやすく納得できる内容です。

    課題を解決するため、問題を洗い出し、解決策を実行し、失敗から学び、改善を続ける。企業では当たり前ことが、地域活性化ではおこなわれていない。根本原因は資金を出す人と運営する人が異なり、責任が明確になっていないことなんですね。

著者プロフィール

木下斉
1982年生まれ。高校在学時からまちづくり事業に取り組み、00年に全国商店街による共同出資会社を設立、同年「IT革命」で新語流行語大賞を受賞。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。08年に設立した熊本城東マネジメント株式会社をはじめ全国各地のまちづくり会社役員を兼務し、09年には全国各地の事業型まちづくり組織の連携と政策提言を行うために一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンスを設立。15年から都市経営プロフェッショナルスクールを東北芸術工科大学、公民連携事業機構等と設立し、既に350名を超える卒業生を輩出。20年には北海道の新時代に向けた「えぞ財団」を仲間と共に発足している。また内閣府地域活性化伝道師等の政府アドバイザーも務める。著書『稼ぐまちが地方を変える』『凡人のための地域再生入門』『地方創生大全』等多数。

「2021年 『まちづくり幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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