イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 [DVD]

監督 : モルテン・ティルドゥム 
出演 : ベネディクト・カンバーバッチ  キーラ・ナイトレイ 
  • ギャガ
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4589921403658

感想・レビュー・書評

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  • チューリングマシーンを作ったチューリング。

    特殊な性格の天才。
    もし、学生時代そばにいたら友達になれないだろうに、観ていてなぜここまで感情移入できるのか。

    それは誰もが人とのコミュニケーションに悩んでいて、いくら自分が実力があっても評価されないという悩み(それは、実際は他人から見た能力と自分で思っている能力のギャップだったりするのだけど)があるから、そこに共感できるのだと思う。

    また、恋の悩みは、ゲイの主人公からひとひねりした切なさになっている。

    チューニングとジョーンは一般的な恋愛ということではないけれども、お互い社会との疎外感があるなかで人間的に惹かれあい、助け合うことで困難を切り抜けた同士であり、その関係は二人だけにしかわからない関係性で、人間愛があふれている。
    ただ、チューリングが同性愛者であるということで2人の間に恋愛は永遠にかなわない。
    この永遠に結ばれないのに惹かれあっているというところに、禁忌があるからこそよりピュアな愛を感じる(三島の「豊穣の海」のような)。
    その部分に魅力がある。

    ただしこれはヘテロ的な視点から感じるのでは?とも思った。
    チューリングに寄り添った視点ではないのではないか。
    とも。

    主人公チューリングが婚約者のジョーンに同性愛者とカミングアウトし、婚約解消する場面のジョーン(キラーナイトレイ)のセリフが心に残った。

    だから?
    だから何?
    ずっとそう思っていた
    私たちは人と違う
    私たちなりに愛し合い
    生きていけばいい
    あなたは完璧な夫じやないし
    私も完璧なら妻になる気はないわ
    あなたの帰りを待ってラムなんか焼かない
    仕事するの
    あなたも仕事
    そして一緒に暮らす
    心を通わせながら
    普通の結婚より すばらしい
    あなたが好きなの
    あなたも私が好き
    お互いを誰よりも理解しているわ


    こんな情熱的な言葉を言われて、断れる男が世の中にいるだろうか。と思うが、彼と彼女は別れる。

  • 今日は、番組終了後思い立って、映画を観てきました。

    「イミテーション・ゲーム  エニグマと天才数学者の秘密」

    これは実話です。
    そして、ずっと秘密にされてきたことです。
    それは、戦争だったから・・・・。

    「フューリー」「パリよ、永遠に」そして「イミテーション・ゲーム」
    私が偶然にも、最近観てきた映画です。
    どれも実話です。

    同じ時代の同じ戦争で、それぞれがそれぞれの場所で戦った。
    それぞれの想いを胸に。

    「フューリー」を観終わったとき、胸が痛くて仕方がなかった。苦しかった。

    「パリよ、永遠に」を観終わったとき、少し心が落ち着いた。安堵があった。

    そして、「イミテーション・ゲーム」を観終わったとき、涙が止まらなかった。

    切なかった・・・。


    やっぱり人間は、殺し合いをしてはいけない。
    「理性」というものを与えられた意味を、無駄にしてはいけない。

  • 第二次世界大戦中に暗号を解読する任務に就いたアラン・チューリングの実話を基にしたストーリー。
    最後になって主人公の現在と過去の出来事が並行して描かれていることがわかりました。そこらへん、もっとわかりやすくしてくれたら•••。
    でも映画のストーリー自体はとても良かったです。サスペンスかと思いきや、ヒューマンドラマ。カンバーバッチの演技が見事で、特にラストは言葉を無くしてしまいました。

  • 「誰も予想しなかった人物が誰も想像しなかった偉業を成し遂げる事だってある」

    数学者アラン・チューリング。天才は孤独だ。
    第二次世界大戦中のエニグマ暗号を解読。
    素晴らしい偉業を成し遂げたのに、時代は彼には酷だった。
    彼は同性愛者だったから罰せられ、悲しい結末を迎えてしまう。

    原作を読んでもきっと理解するのは難しいだろう。
    映画は本当にわかり易くて、ありがたい。

  • 1939年、イギリスがヒトラー率いるドイツに宣戦布告し、第二次世界大戦が開幕。天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)は、英国政府の機密作戦に参加し、ドイツ軍の誇る暗号エニグマ解読に挑むことになる。
    エニグマが“世界最強”と言われる理由は、その組み合わせの数にあった。暗号のパターン数は、10人の人間が1日24時間働き続けても、全組合せを調べ終わるまでに2000万年かかるというのだ――!
    暗号解読のために集められたのは、チェスの英国チャンピオンや言語学者など6人の天才たち。MI6のもと、チームは暗号文を分析するが、チューリングは一人勝手に奇妙なマシンを作り始める。
    子供の頃からずっと周囲から孤立してきたチューリングは、共同作業など、はなからするつもりもない。両者の溝が深まっていく中、チューリングを救ったのは、クロスワードパズルの天才ジョーン(キーラ・ナイトレイ)だった。
    彼女はチューリングの純粋さを守りながら、固く閉ざされた心の扉を開いていく。そして初めて仲間と心が通い合ったチューリングは、遂にエニグマを解読する。
    しかし、本当の戦いはここからだった。解読した暗号を利用した極秘作戦が計画されるが、それはチューリングの人生はもちろん、仲間との絆さえも危険にさらすものだったのだ。
    さらに自分に向けられるスパイ疑惑。そしてチューリングが心の奥に隠し続け、ジョーンにすら明かせなかった、もう一つの大きな悲しい秘密。
    あらゆる秘密と疑惑が幾重にも積み重なり、チューリングの人生は思わぬ方向へと突き進んでいく。
    解読不可能と思われた暗号エニグマ解読に貢献した天才数学者アラン・チューリングの波乱の人生を描いたヒューマンドラマ映画。
    並外れた探究心とひらめきを持ち独善的だが少年期に親友と悲しき別れをしたことが原因で孤独に生きてきたアラン・チューリングが、唯一無二の理解者ジョーンの助けを借りて同僚と力を合わせて暗号エニグマ解読に邁進する展開が、性別などを越えて強い絆で結ばれ理解し支え合うアラン・チューリングとジョーンのパートナーシップやアラン・チューリングとヒューたち同僚の熱い友情やアラン・チューリングが抱え続けたある秘密と悲しき人生の末路を絡めて、描かれた傑作ヒューマンドラマ映画。
    ベネディクト・カンバーバッチはアラン・チューリングの独善的で孤独な内面性を丁寧に演じ、キーラ・ナイトレーやマシュー・グード(オジマンディアスの人)やマーク・ストロングの好演、ロシアのスパイとアラン・チューリングが疑われながら同僚と力を合わせて暗号エニグマ解読に奮闘するサスペンスフルな展開、傑作ヒューマンドラマサスペンス映画に仕上がっています。

  • 「今まで印象に残ったLGBT映画」としてとある方がオススメしていました。レンタルで借りて視聴。

    素晴らしい映画でした。暗号解読ドラマとしても素晴らしいですし、ゲイ差別について考えさせられる映画でもありましたが、何よりおっさん萌え映画として最高の作品でした。

    だってよ? 今まで「俺のことなんで誰も理解できないんだ!」って天才肌剥き出しのツンツンオーラ出しとったおっさんがですよ。女子に「もっと仲良くしてみたら?」って諭されてから取った行動が、同僚にリンゴを一個ずつ差し入れですよ。しかもその後で、ちょっと緊張して上擦った感じで、さしてオモロくもないイギリスジョークを皆の前で発表しちゃうっていうね。
    かわいすぎかよ。

    チューリングを演じるベネディクト・カンバーバッチがとにかく素敵。暗号解読機クリストファーを作るシーンも鬼気迫る演技でしたし、晩年の「私を一人にしないでくれ!」という演技も悲哀がこもっていて胸に迫るものがありました。最後ははじわっと感動の鳥肌が立つラスト。

    何回見てもいいですね。

  • 実話に基づく物語。
    例によってノンフィクションとフィクションの部分を区別するのは難しいが、戦争が技術を発展させるというのは、本当だなあと。

    第二次世界大戦下でドイツ軍が使用した暗号エニグマ。その解読不可能といわれた暗号を解読すべく、数学者アラン・チューリングは英国随一の暗号解読チームを率い、膨大な情報を処理できるデジタル計算機を完成させる。知恵とチームワークでエニグマの解読に成功するも、それに基づいて安易に軍事作戦を起こせば、解読の成功がドイツに知られ、また振り出しに戻ってしまうかもしれない。苦渋の選択を迫られた彼らは軍部にも知らせず、MI6の協力を得、統計的に勝利すべき戦場を選び、秘密裏に戦争終結を模索する。結果として歴史学者の見積では2年以上も早く戦争を終結させたのち、チームは解散、ありとあらゆる資料や装置は焼かれ、すべての足跡が隠蔽される。
    その後、アランはデジタル計算機のさらなる改良を続けるが、男娼を買ったために同性愛の罪に問われ、強制的ホルモン治療を施されて心身に不調をきたした末に自殺。彼の開発した機械は、やがてコンピュータとして世界中に普及する。

    少年期や情緒的な体験を除けば、主人公アランの活躍は以上のような流れになるだろう。非凡な数学の才能を持ち、人の言葉の裏を読み取れず、同性を愛する彼は、異質であるために幼い頃から世間に居場所がなかった。そんな彼が「人とは違うように考える」機械の研究開発に情熱を注いだのは、必然といえる。アランに暗号を教えたのがアランが唯一愛した人、アランを唯一理解し、支えてくれた同性の同級生クリストファーであることや、彼を失ってより深い孤独にさいなまれたことが情熱に拍車をかけたことは明白だが、それ以前に、彼の根本にある異質さが機械への洞察を生んだのだろうと思う。誤解を恐れずにいえば、彼は自閉症スペクトラムの特性を示しており、彼の提示した「みなと同じように思考しないからといって、そのモノが思考していないとはいえない」という見方は、まさに大勢と違うことで苦しんできた人たちすべての視点を表している。本作はいろいろなテーマ(戦争、同性愛、当時のジェンダー観)で切り取ることができるが、ここを意識的に描いているのが印象に残った。当時も今も、多重に異質であるほど生きづらい。女性として異質だったジョーンが後に「普通の生活」を得たことからも、そう思わされる。

    カンバーバッチは嫌味なインテリアの演技に定評があるが、本作ではその枠にとどまらず、より複雑で不安定な存在を見事に表現している。アランの同僚でチームの元リーダーであるヒュー・アレグザンダーを演じたマシュー・グードはなかなかかっこよかった。MI6長官ミンギス役のマーク・ストロングも、いつにも増して上品な鋭さを見せ、印象的だった。

  • レンタルDVDで視聴。ナチスドイツが開発した暗号機「エニグマ」による暗号を今のコンピュータの原型となる機械を開発することで解読した数学者の伝記映画。孤独な天才数学者をカンバーバッチが熱演されており、また脇を固める俳優陣も抑制された演技ですばらしく、久しぶりに「名演技」を堪能させてもらった充実感がある一本だった。

  • 能力は抜群。でも、人間関係は不器用。今の時代なら発達障害と言われるんだろうな。自分のミッション達成が第1の目標。そのためには、周囲の人間など気にしない。気にすることができない。その姿が「傲慢」とされ、周囲の人間との軋轢が繰り返される。
    彼のミッション達成への妄執はピュアであるがために、痛々しくもある反面、神々しくもある。最終的には、彼も周囲もそれぞれを理解、リスペクトして、ついにエニグマの解読に成功する…ここまでは感動的。

    この映画は、その続きがある。1つの大きな仕事を成し遂げたその後。
    彼が、なぜあそこまで自ら作ったマシンに拘ったのか。
    それまで、何となく浮世離れした感じだった彼の内面が、実に人間味あふれるものだったと理解できる。
    そして、最後の終わり方は、すごく悲しい。

    • megmilk999さん
      私も見終わった後、すごく悲しくなりました。
      私も見終わった後、すごく悲しくなりました。
      2019/06/01
  • ベネディクト・カンバーバッチって、やっぱり頭良すぎて狂気とすれすれっていう役がドはまりだ。

    大学のアルゴリズムの講義で、アラン・チューリングという天才が、チューリング・マシンというものを考案した、というレベルの知識は持っていたけど、こんな背景があったというのを知って、ただのコンピュータ理論ではなく、血の通った、いや、血のにじむようなところから生まれたものだということがわかり、自分の中で「難しいもの」から「人間が作り出したもの」へと、少し距離感が縮んだ気がする。いや、だけど難しいけどな。

    これから、チューリングマシンのことは、「クリストファー」と呼ぶよ!

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