アマゾンと物流大戦争 (NHK出版新書) [Kindle]

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著者 : 角井亮一
  • NHK出版 (2016年9月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (143ページ)

アマゾンと物流大戦争 (NHK出版新書)の感想・レビュー・書評

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  • アマゾン、大き過ぎる!

    ロジスティクスの視点に立ち
    物流から見た流通業のこれからを考えた本。

    ロジスティクスの巨人アマゾン。
    消費行動を変えたその動きは
    膨大なロジスティクス戦略にあった。
    ロジスティクスとは、そもそも軍の兵站のことであり
    つまり、軍事行動を行うための
    人・モノの後方支援全般を指す。
    兵站が整わないと戦闘を開始しないほどであり
    言ってみれば、戦争の生命線である。

    そこから転意して、物流の最適解を指す。
    アマゾンはまず
    フルフィルメント・センターと呼ぶ
    在庫拠点を整備して
    展開を始めたのは有名な話である。

    しかし、物流センター設立には膨大な費用がかかり
    それが経営を圧迫するのは必須である。
    そこを耐えて現在の巨人にまで発展した
    経営力は凄いというしかない。

    楽天などのモール型通販は
    立ち上がりも早く、コスト面でも負担が少ない。
    しかし、アマゾンが整備されたフルフィルメント・センターから
    圧倒的なスピードと価格で商品を打ち出してくると
    モール型は品質面でばらつきがあるゆえに
    劣勢に立たされているのが、
    現状の姿である。

    アマゾンはその圧倒的なロジスティクス力で
    価格競争を挑み、競合を蹴散らしてゆく。

    そして、ネット物流界に敵なしとなったアマゾンと
    実店舗型物流の雄ウォルマートは
    相互の領域に進出し
    火花を散らし始めている。

    圧倒的なスケールの2社に
    立ち向かうすべはないのか?

    内外で魅力的な展開を見せている
    ヨドバシカメラ、オムニセブン、ロハコなど
    ネット通販の事例を引きながら
    その総括として、
    筆者は3つの戦略を提示する。

    1. ラストワンマイルの構築。
    2. 独自商品を持つ。
    3. ネット×店舗

    物流コンサルタントであり、
    ネット通販に深くかかわってきた
    筆者ならではの的確な視点である。

    目次

    序章 アマゾンが変える世界
    アマゾンと無縁ではいられない/なぜアマゾンを脅威に感じてしまうのか?/物流はソフトウェア・インフラ構築・人/低価格がもたらす良循環/アマゾンがお坊さんを売る?/何でも扱うエブリシング・ストアへ/「アマゾン一強」時代は来るのか?/利益度外視の先進性/湧き上がるアマゾンへの懸念/本書の構成

    第一章 物流のターニングポイント
    アマゾンはなぜ書店から始まったのか?/ネット書店の新しさ/「ロングテール」の裏側/「ネット通販=店舗がないから安い」のウソ/拡大するネット通販/なぜネット通販の家電は安いのか?/楽天が急成長できた理由/ネット通販における物流機能/モール型ネット通販の弱点/苦戦する楽天/楽天物流の失敗/非効率な物流で破綻したネット企業/独自の配送網を築くカクヤス/ストックポイントを見る/オフィスグリコの革命/ラストワンマイルが差別化の分かれ目/アスクルの強みは物流/アスクル成功の要因/日本の宅配サービスはすごい/宅配便の異変/転機となる運賃値上げ/寡占が進む宅配便業界/深刻なトラック不足/「再配達」問題/受け取り場所の多様化/「全品送料無料」中止の衝撃/重くのしかかる配送費の負担/アマゾンが秘密にする物流センター/アマゾンのラストワンマイル戦略/広がるアマゾンの自前配送/自走式ロボットを取り込む

    第二章 巨人アマゾンの正体
    ウォルマートvsアマゾンの幕開け/時価総額で世界一になったアマゾン/ウォルマートのDNA/「EDLP=安売り」ではない/ドミナント戦略/セールはなぜ非効率なのか?/ウォルマートの情報システム/EDLPと物流は表裏一体/アマゾンのEDLP戦略/磨かれるロジスティクス/さらなるディスカウントへ/会費制アマゾン・プライムの誕生/驚くべきマーケットプレイスの戦略/アマゾンに物流を委託/物流サービスを他社に開放する/アマゾン依存/ライバルを力でねじ伏せる/対抗意識から生まれた電子書籍サービス/アップルvsアマゾン/アマゾン初の実店舗/ウォルマートのアマゾン対策/商品受け取りの進化/店舗を軸にした物流ネットワーク/生鮮食品分野での激突/意外なライバル登場/グーグルvsアマゾンの戦い/買い物の最新テクノロジー/ウォルマート最大の買収劇/アマゾンキラー「ジェット・ドットコム」

    第三章 物流大戦争の幕開け
    日本のネットスーパー/店舗型とセンター型/サミット失敗の理由/生き残ったネットスーパー/成功の鍵は「小商圏×短期間」/ネットスーパーは始まったばかり/顧客満足度1位のヨドバシカメラ/驚きの物流品質/ヨドバシカメラがすごい理由/「ネット×店舗」の相乗効果/セブン&アイのオムニチャネル/アスクルの個人向けネット通販/ロハコの「独自商品」戦略/「場」を提供する/モール型からマーケットプレイスへ/物流大戦争を生き抜くヒント/ファッション特化のゾゾタウン/ファン獲得の仕組み/驚きの「返品無料」/店舗の欠品フォロー/最高峰のホスピタリティ/独自の企業文化が価値を作る/音楽好きが集まる楽器専門店/用もなく店舗を訪れるお客/カメラのキタムラ/進化する「ネット×店舗」/売らない店舗/アマゾンと競い合うための3つの戦略/「モール型」再考察

  •  物流は倉庫や配送車両のシステムを整えるのに多くのコストと時間が必要なため、有力企業に一度それを構築されると他社にとっては極めて参入障壁が大きくなる世界だ。覇者は国によって異なるが、日本ではヤマト運輸がほぼ制したと言えるだろう。

     そのヤマト運輸の配送業務がパンク状態になっていることと、その原因が主にアマゾンの荷物の急増だという話が話題になった時期に、本書が月替りセールに入ったので読んでみた。著者は物流業界の方とのこと。

     序章から第二章までは、主にアマゾンのビジネスモデルを物流の視点から解説している。最後の第三章ではアマゾンに対抗するための様々なアイデアを実例と共に紹介するという形だ。実は本書を読むにあたって自分の仕事に役立てるつもりなどまったくなかったのだが、顧客との関係性の築き方などの点で参考になる部分も少なくなかった。

     私も日本では客としてアマゾンをおおいに利用していたが、中国ではアマゾンよりタオバオ(淘宝網)などがメジャーであり、物流についてもやや様子が異なるように見える。ネット通販があまりに普及した結果、実在店舗がなくなっていくという状況は日本より進行している(ヨドバシみたいな店がない)。中国のネット通販と物流がどんな仕組みになっているか解説した本があれば読んでみたいが、刻々と状況が変化するので、多分難しいのだろう。

  • Amazonでいっぱい買い物するので購入。googleと並びIT時代の寵児としてもてはやされるAmazonの経営戦略について論じている本。一般的にAmazonは(AWSもあるから)ITの会社と思われているけど、実はロジティクス(物流+戦略)の会社なんだよ、って内容です。商品購入の形態が多様化するにつれて、買い物によって満たされる欲求が人それぞれ異なることが可視化されて面白いですね!僕自身が余りに物流知らなさ過ぎてめっちゃ勉強になったので★5で笑

  • 170112読了

  • もはやアップアップの物流業界では、ネガティブニュースばかりだ。トラックドライバー不足、過剰サービスを求める顧客、ひたすらコスト減を唱える企業。そして、その業界の天上に存在するし、神のごとくふるまうアマゾン。物流業界はこのまま神、アマゾンに飲み込まれるのか。それとも反発組の巻き返しはあるのか。

    通販代行サービス会社を経営しつつ、ロジスティックのコンサルティングを行っている著者が説く物流の歴史と将来。

    物流の歴史を振り返ると、多くの失敗があり、その積み重ねで今のハイレベルな物流が実現できていることがわかる。アマゾンだって、楽天だって、ウォルマートだって、物流に関しては大失敗の経験がある。

    それにしてもネット通販が当たり前の時代、物流の期待、必要性は高まり続ける。その鍵を握るのは在庫管理とラストワンマイル対策だろう。

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