私のなかの彼女(新潮文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 角田光代の自伝ではないか、と読みながらも思った。
    主人公の和歌と恋人の仙太郎との間の関係の複雑さをよく表現していると思う。どちらも悪いわけでもなく、嫉妬や羨望、自信の無さ、自己嫌悪、執着、人間が持つ複雑な感情をただありのままに書かれている。
    角田さんは人間の心理をよく理解していると思う。それに、会話の中での何気ない一言を通してそれを的確に表現していく。

  • 仙太郎の良さが全くわからない
    こんな男とっとと振ってしまえよ、
    と思いながら読んでました。笑

  • トップ女流作家の筆力を堪能できます。
    幸せな(はずの)カップルにひきおこる日常のすれ違いが、作家を目指す和歌の視点で描かれていくが、小さな齟齬や考え方の違いが少しずつだが確実に負担になり、それがいつしか心の中で恐怖に化け、流産をきっかけにもろくも崩れていく関係が説得力を持って描かれていきます。祖母が書いた本の謎を絡めながら、いつしか彼女の人生に自分を重ね合わせていく構成も憎い。他人に惑わされず、孤高に生きていこうと仄めかすラストも見事。読みながら、なぜか島田雅彦「彼岸先生」を思い出した。

  • この本の解説文に書いてあったのだか…
    私の中の彼女 という感覚が、感じられた。
    主人公 和歌の生活や思考に。
    読んでいるのが苦しくなるなるくらいに。

    今、読むべきタイミングだったということか。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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