葛城事件 [DVD]

監督 : 赤堀雅秋 
出演 : 三浦友和  南果歩  新井浩文  若葉竜也  田中麗奈 
  • キングレコード
3.41
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感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988003842239

感想・レビュー・書評

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  • 「俺が一体、何をした。」
    はい、全くその通りで、私には三浦友和さん演じる葛城清は、確かに言動が抑圧的ではあるものの、異常と捉えるほどの暴君ぶりを発揮しているようにも見えず、逆に一体全体どうしてこのような家族のありようになってしまったのか??と、その理由がいまいちわかりませんでした。例えば、「血と骨」で北野武さん演じる金俊平のような、あの圧倒的な自己中心的さや暴力性が描かれでもすれば、子の反発やその後の顛末も理解ができるのですが。。
    毎日淡々とお客が来ない金物屋に自転車で通い、日がな一日を店番でぼーっと過ごしつつ、時折昔の家族の写真を眺めては懐かしむ日々。家に帰れば次男の扱いを持て余し、妻には拒絶される。あぁ、悲しいかな、寂しい中年男性よ。
    あえて言うなら、何もしなかった。それは定職に就けず家でくすぶり続ける次男に対してもそうですし、親から継いだ廃れる一途の金物屋に見切りをつけられずに止まり続けたことや、抑圧的な言動で父親の威厳を保つことから変わろうとしなかったことではないでしょうか。そして、そのことに気づけなかったことが、葛城事件の事件たる所以のように思えました。

  • 誰にも感情移入ができず気持ち悪い時点で、
    この作品は成功だろう。

    私が最も気持ちが悪かったのは、
    獄中結婚する女。
    勝手な思い込みと信念めいたものを押し付ける、
    正義面した人間が怖すぎる。
    そんな奴に両親を責めて怒鳴り、
    勝手に被害者ぶる権利はないはずだ。

  • 将来に悲観した若者が白昼堂々と大量殺人を犯す事件が、時折、世間をにぎわせる。そして、マスコミや専門家はそんな若者を犯行に駆り立てた原因を検索する。若者自身なのか、社会なのか、職場なのか、家庭環境なのか。

    本作品での殺人の原因はズバリ父親だ。三浦友和演じる葛城の家族に対する強圧的な態度が妻の精神を壊し、長男を弱い人間にしてしまい、次男を殺人に走らせる。が、父親はなぜ家庭が崩壊したのかわからない。自分は家族に対してベストを尽くしていると思い込んでいる。

    守っていたはずの家族がバラバラになってしまった葛城にとって、次に守るのは住んでいた一軒家。近隣から村八分になろうと、自宅の壁に落書きをされようと、彼はかたくなに家を守り続ける。

    葛城一族や田中麗奈演じる死刑反対活動家などの登場するすべての人間が壊れたまま、何の光明も見えないダークストーリー。大量殺人事件の加害者の裏側なんて、こんな救いようのない日常なのかもしれない。

  • 親が始めた金物屋を引き継いだ葛城清は、美しい妻との間に2人の息子も生まれ、念願のマイホームを建てた。 
    思い描いた理想の家庭を作れたはずだった。
    しかし、清の思いの強さは、気づかぬうちに家族を抑圧的に支配するようになる。
    長男・保は、幼い頃から従順でよくできた子供だったが、対人関係に悩み、会社からのリストラを誰にも言い出せずにいた。
    堪え性がなく、アルバイトも長続きしない次男・稔は、ことあるごとに清にそれを責められ、理不尽な思いを募らせている。
    清に言動を抑圧され、思考停止のまま過ごしていた妻・伸子は、ある日、清への不満が爆発してしまい、稔を連れて家出する。そして、迎えた家族の修羅場。葛城家は一気に崩壊へと向っていく。
    父親の清の顔色を伺ってリストラにあい自滅する長男や「一発逆転」が口癖で母など弱い者には甘えに甘えまくる次男や清たちに虐げられる妻もさることながら、なんと言っても三浦友和が演じた鬼のような父親で家族崩壊の元凶である清が、リアルで秀逸。自分以外の家族は支配し虐げて良いし、自分の言うことや価値観や命令に従うのは当たり前で、家族以外でも弱い者は言うことを聞かせるために虐げ倒す抑圧的な父親。
    保がリストラされた会社も、社員の自尊心をへし折る典型的なブラック企業で、家族も企業も抑圧的な支配構造が幅を効かせている病んだ日本の現実を、葛城家の崩壊を通して描いた傑作ヒューマンドラマ映画。

  • なかなかの胸糞映画だった。この手の女が一番嫌いだなぁ。個人的には父親や次男よりこの女が一番気味悪い。
    時代に取り残された人は、気付いても遅いんだろうなぁ。

  • 葛城事件

    自分の息子が連続殺人鬼になって死刑判決を受ける…そんな父親になる気分ってどんなだろうな…
    冒頭の三浦友和演じる父親もかなりシンドイけど、獄中の息子もだいぶシンドイなぁ〜特に親父の毒吐き方がメチャクチャ悪い…マジで最悪のオヤジ…観ているのが辛い…
    しかし、ここ女の子は一体…どういう顛末で妻になろうとしてるのかな?どうしてこんな苦しい事してるんだろうな…
    ナイフを持った暴漢が次々と人を刺して暴れているのに、ボーッと見ているだけで逃げようとしない…米国や欧州だと絶対あり得ない光景だよね。一人目の犠牲者を見た瞬間に「逃げる」って行動に出ていないといけないですよね…
    理想と現実か…そのギャップに父親として耐え切れなかったんだなぁ〜
    それで自分の期待を裏切った息子達や妻に八つ当たり的に強く当たる様に…可哀想なのは家族か?父親か?…
    それでも一人取り残された父親の心情は…いくら見苦しくて惨めでも死に切れない…残酷だよなぁ〜

  • この重さ、悲しさ。
    救われない虚無感。
    若葉竜也の淡々と乾いた演技がまたさらに救われない感増し増し。

  • まずは最初にグサグサくる。こんなにも厳しい毎日が、もしかして突然自分にもやってくるかも、という一抹の不安が、他人事と笑ってられなくなる。
    んだけども、最後の方になると段々とみんなしてトチ狂ってきて、ちょっと笑えてくる。これは現実逃避の脳内作用なんだろうか。
    まぁたまたま中島義道の本なんか読んでるもんだから、人生の上手く行かないしでも努力もしないしで妬みばかりが募るときはどうすれば良いかと聞けば、その叶わぬ夢を叶える人々に妬みを抱えたまま生きて行けと答える。そして失敗するとこの映画みたいになるのか、ムムム。
    最終的には映画が終わってまだマシな日常に戻ってきて、お父さんの言葉を借りるなら、これこそオナニーってことになって、ぐうの音も出ないけど、そこは華麗にスルーして庶民の贅沢、回転寿司でも食いいくかな、ってとこよ。

  • 【葛城事件】予告編
    https://www.youtube.com/watch?v=5NubE2rfjYI

  • 実話をモチーフにした救いのない話したい。親父がクズすぎる。

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